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Qualcomm、イヤフォン装着状態や騒音に合わせNC最適化「Adaptive ANC」

「IFA 2020」のプレスカンファレンスで発表された「Adaptive Active Noise Cancellation(ANC)」

クアルコムは、ドイツで開催している国際コンシューマエレクトロニクス展示会「IFA 2020」のプレスカンファレンスにおいて、完全ワイヤレスイヤフォンの快適性、パフォーマンス、音質を向上するという「Adaptive Active Noise Cancellation(ANC)」を発表した。このAdaptive ANCは、最新のBluetoothオーディオSoCである「QCC514x」で利用できる。

「IFA 2020」のプレスカンファレンス会場

Adaptive ANCは、どのようにイヤフォンがユーザーの耳に装着されているかに従って、パフォーマンスを適応することで「ワイヤレスイヤフォンの快適性や音質を向上し、また、ワイヤレスイヤフォンが使われている周囲の環境の変化にリアルタイムに対応する」というノイズキャンセル技術。

通常のアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、気密性を保って耳にイヤフォンを装着する必要があるが、クアルコムは「これは快適性を損ない、実際に行なうことが難しいこと」だとする。

Adaptive ANCでは、ユーザーがイヤフォンを強く耳に押し付けたり、ひねったりすることが無いよう、気密性に依存せずにANC機能を提供。例えば、走ったり、歩いたり、頭を動かすなど、ユーザーの動きによってイヤフォンをつけている状態が変化しても、イヤフォンがどのように耳についているか、また、周囲の音によって、リアルタイムにパフォーマンスを動的に変化させるという。

この際、ユーザーが、イヤフォンを耳にどのように装着するか考えたり、自分で設定を調整をする必要はない。また、電話で話している状態から音楽を聴いたり、デジタルアシスタントで質問を投げかけたりした場合でも、ANCは途切れることなく機能し続ける。

「IFA 2020」のプレスカンファレンス会場

また、Adaptive ANCは、静かな環境ではANCの強度を下げ、騒音が多い環境では強度を上げることで、周辺環境に自動的に対応する。

このAdaptive ANCを、メーカーなどにソリューションとして提供。「短期間で製品開発をするOEMは、Qualcomm Reference DesignソリューションでAdaptive ANCを利用可能で、また、製品差別化のためのAPIも提供している」という。

IFA Global Press Conference Day 1 Hall 3.2