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「ミッドウェイ」ローランド・エメリッヒ監督「日本人俳優の演技、すばらしかった」
2020年9月7日 08:30
「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ監督が、日本の運命を決した歴史的海戦を20年に及ぶリサーチを経て鮮明に描いた映画「ミッドウェイ」。9月11日の公開に先立ち、ローランド・エメリッヒが日本人キャストや、本作に込めたメッセージを語るインタビュー映像が公開された。
未曾有の戦いとなった第二次世界大戦の中でも、歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦。激突したのは、日本とアメリカ。
1942年、北太平洋のハワイ諸島北西のミッドウェイ島に、巨大な航空母艦、世界最大の大和を含む超弩級の戦艦、戦闘機、急降下爆撃機、潜水艦が出動。空中、海上、海中、そのすべてが戦場となった。そしてそこには、両軍ともに、国を愛し、覚悟を持って戦った男たちがいた……。
司令官たちの緊迫した頭脳戦、パイロットたちの壮絶な空中戦、彼らを船上から迎え撃つ決死の海上戦による運命の3日間。何が、彼らの勝敗を分けたのか……?
今回公開されたのは、ハワイのプレミアイベント時に行なわれた、ローランド・エメリッヒ監督のインタビュー映像。彼がいかに日本側の描写に力を注いだか、そして本作に込めたメッセージも垣間見える映像となっている。
最初に、豊川悦司、浅野忠信、國村隼の日本人俳優を起用した経緯について、「僕たちは運が良かったんだ」と、マーティン・スコセッシ監督作「沈黙-サイレンス-」でもキャスティングを担当した、日本の女性プロデューサーに紹介してもらったことを明かす。
しかし、言葉の問題は大きかったようで、通訳を必要とする会話に苦労したことを回顧。それでも、「素晴らしい経験だった。撮影の最後3週間は日本映画だったからね」と日本側をしっかりと描いている点を強調する。
日本人俳優の演技については、「すばらしかった」と太鼓判。ほとんどのアメリカ人俳優は共演シーンがなく、初めて日本側のパートを見た時、皆が関心していたと語るエメリッヒは、「アメリカで試写をした時、何度も耳にしたのは、日本人俳優たちを絶賛する声だった」と振り返る。
本作でもっとも苦労した点については、「何も実在しない映画だった」と現存するものが少なく、ほとんどのものを一から作った点を挙げる。視覚効果ショットは1,500に及び、この種の映画としては膨大な数であることを説明し、「どれも自然に見えなきゃいけない。この手の映画は視覚効果が悪いとダメだ」と、数々の大作を撮ってきたエメリッヒらしい、映像へのこだわりを熱弁。
本作の見どころについては、「スペクタクルであり、日米双方をしっかり描いている」と自信を覗かせ、最後に「戦争に勝者はなく、敗者しかいない。戦争が再び起きてはならないと伝えたい」と、20年間ずっと描きたかった物語に込めたメッセージを語った。
あらすじ
1941年12月7日(日本時間12月8日)の日本軍による真珠湾への奇襲攻撃。戦争の早期終結を狙う山本五十六大将の命により、山口多聞や南雲忠一がアメリカ艦隊に攻撃を仕掛けたのだ。
大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官に、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツを立てた。両国の一歩も引かない攻防が始まる中、日本本土の爆撃に成功したアメリカ軍の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画する。
真珠湾の反省から、日本軍の暗号解読など情報戦に注力したアメリカ軍。情報部のレイトン少佐が、次の目的地をミッドウェイと分析、限られた全戦力を集中した逆襲に勝負を賭ける。
遂に、アメリカ軍のカリスマパイロット、ディック率いる爆撃機が出撃。空母、
軍艦、潜水艦、戦闘機など、あらゆる近代兵器を駆使した壮絶な激突へのカウントダウンが始まった─。
作品概要
監督・製作:ローランド・エメリッヒ
脚本:ウェス・トゥーク
製作:ハラルド・クローサー
キャスト:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ルーク・エヴァンス、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、マンディ・ムーア、デニス・クエイド、ウディ・ハレルソン