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シャープ、世界初の「8K対応リアルタイムVVCデコーダー」開発

シャープは4日、世界で初めて、新映像符号化規格であるVersatile Video Coding(VVC)に準拠した「8K対応リアルタイムVVCデコーダー」を開発したと発表した。

映像符号化規格は、品質低下を最小限に抑えながら映像データの容量を圧縮し、保存や伝送などを行ないやすくすることを目的とした規格。これまで、DVDや地上デジタル放送に利用されているMPEG2やBlu-rayに採用されているMPEG4 AVC、4K Ultra HD Blu-ray・8K放送で利用されているHEVCなど、映像メディアの発展とともに、より高度な規格が開発されてきた。

最新の符号化規格であり、シャープも標準化に取り組んだというVVCは、HEVCの約1/2にデータを圧縮できることから、より高画質でデータ量の大きい8K映像や360度映像などへの活用が期待されており、現在、各社が実用化に向けて開発に取り組んでいるという。

今回、シャープが開発した世界初の「8K対応リアルタイムVVCデコーダー」は、VVCでエンコード(符号化)された8K映像データのデコード(復号)に対応したソフトウェア。映像再生ソフトウェアや解析機器などと組み合わせることで、VVC対応の8K映像処理専用LSIをもたない機器でも、VVCで圧縮した8K映像の表示や解析などが可能となる。また、独自の高速復号処理により、リアルタイムでデコードでき高精細な8K映像のなめらかな再生や操作を実現するという。

今後もVVCの実用化に向けた他社との共同開発、映像評価・解析用途向け機器(コーデックアナライザー)、ソフトウェア販売などのソリューション提供を多角的に展開し、コア事業の1つとして推進する「8K+5Gエコシステム」の実現に取り組むとしている。