ニュース

JVCケンウッド、4K/HDR対応の信号処理IP「IPSILOS」開発

HDRの比較

JVCケンウッドは、映像関連機器の高画質化を実現する、新しい画像信号処理IP「IPSILOS(イプシロス)」を開発した。民生用・業務用ビデオカメラで使用してきた画像信号処理SoC「FALCONBRID(ファルコンブリッド)」をベースに基本性能を強化・拡張したもので、車載向けを始めさまざまな用途における映像関連機器の高画質化を実現する技術として自社機器に搭載するほか、外販も行なう。

IPSILOSは、Intellectual Property of Special Imaging Logical Optimized Systemの略称。一般にはISP(Image Signal Processor)と呼ばれる回路ブロックで、主にセンサーモジュールからのRGB電気信号を受け、Y/Cビデオ信号に変換処理する信号処理回路。

主な機能としては、カメラ信号処理やレンズ補正、動画系の補正など。車載システムに新IPを組み込んだ場合、白飛び・黒潰れのないHDR処理が行なえるほか、最適なダイナミックガンマ、画像強調補正などの映像処理ができる。

IPSILOSの回路構成ブロック
画像補正処理の比較

対応配列方式は単板RGGBベイヤー方式で、最大処理解像度は4,480×2,520ドット/59.94p。水平は最大4800画素までサポートする。最大同時入力はフルHD/59.94p×2、フルHD/29.97p×4チャンネル。最大処理bit数は、入力24bit。出力フォーマットはYUV 4:2:2 8~12bit。

IPSILOSは、自社製品への搭載ほか、回路設計データとしてIP提供、あわせて制御ドライバーソフト環境をSDK(Software Development Kit)提供することで、他社へのライセンス供与や開発協業といった幅広い用途での展開を想定しているという。

同社は「半導体開発メーカーがIPSILOSを活用することで、業界トップクラスの高画質映像を実現するSoCを容易に開発することが可能となるだけでなく、そのSoCを供給された商品開発メーカーはSDKを使って映像に関する各種パラメータを設定することにより、短期間で幅広い商品ラインナップの開発が可能となる」としている。