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総務省、東北新社の放送事業の認定取消しへ。外資規制違反
2021年3月12日 11:40
武田総務大臣は12日、放送法の外資規制に違反していたとし、「ザ・シネマ」「ファミリー劇場」などのチャンネルを運営する東北新社メディアサービスに対し、衛星基幹放送事業社としての認定を取消す方針を明らかにした。対象となるチャンネルは「ザ・シネマ4K」(BS203)。取消しに当たっての聴聞は、17日に非公開で行なわれる。
東北新社メディアサービスは2017年10月、親会社の東北新社から認定基幹放送事業の地位を継承。'21年3月現在、チャンネル「ザ・シネマ」(CS227)、「ファミリー劇場HD」(CS293)、「スーパー! ドラマTV HD」(CS310)、「ザ・シネマ4K」(BS203)を運営しているが、情報流通行政局 総務課によれば、今回の取消しの対象となるのは「ザ・シネマ4K」(BS203)だという。
【追記】追加取材で取消しの対象となるチャンネルが「ザ・シネマ4K」(BS203)である事がわかったため、記事に追記しました。(3月12日12時50分)
総務省は、先日行なわれた参議院予算委員会において、東北新社が放送法の外資規制に違反しているのではないかとの指摘の受け、事実関係の調査を実施するとともに、東北新社に対し説明を求めていたが、同社より「2016年10月の申請から、2017年1月に認定を受けた際の正しい外資比率は20.75%であった。外資比率を20%未満として申請したことはミスであった」との報告を受けたという。また同省においても提出された関係資料を精査したところ、外資比率を20%未満とする放送法の規定要件を満たしていなかったことが確認されたという。
これを受け同省は、東北新社が2017年1月に受けていた放送事業の認定について重大な瑕疵があったと判断。認定取消しに向け、必要な手続きを進めていくことにしたという。
武田総務大臣は、「聴聞の手続きを行ない、その審議の中で東北新社メディアサービスの意見を聞くことになる。聴聞・調書、および報告書の内容を踏まえた上で、最終的に認定の取消しについて決定することになる。取消しに当たっては、受信者への周知と必要な措置を取るよう、東北新社メディアサービスに要請する」とコメント。
また「本件は、東北新社の申請書におけるミスが主たる原因だったとは言え、認定当時のプロセスにおいて、総務省側のプロセスも十分でなかったと考えており、こうした事態が起きたことを重く受け止めている。2度と起こさぬよう、総務省における審査体制の強化についてもしっかり検討していきたい」とした。