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デノン、13.2ch“モンスターAVアンプ”が8K/60p、4K/120p対応

「AVC-X8500HA」

デノンは、13.2chのAVアンプ「AVC-X8500H」をベースにHDMI2.1をサポートし、8K/60Hz、4K/120Hzの入出力に対応した「AVC-X8500HA」を6月中旬に発売する。価格は55万円。「AVC-X8500H」を対象に「有償HDMI 8Kアップグレードサービス」も6月15日より開始する。料金は77,000円。

パワーアンプ回路をチャンネル毎に、個別の基板に独立させた「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造を採用し、実用最大出力260W(定格出力150W×13)を実現したAVアンプ。Dolby Atmos(7.1.6ch/9.1.4ch)、Auro-3D(13.1ch)、DTS:X、DTS:Virtual Xをサポートする。

増幅素子には、Hi-Fiアンプの設計思想を踏襲した大電流タイプのパワートランジスタ「DHCT」(Denon High Current Transistor)を採用。このDHCTをヒートシンク上に格子状にレイアウト、さらにヒートシンク全体をカバーする2mm厚の銅板も追加し、放熱効率を高め、発熱が大きくなる大音量再生時でも安定してスピーカーを駆動できるという。

パワーアンプの入力素子には、特性の揃ったデュアルトランジスタ(2ダイス)を採用。作動回路を構成するトランジスタの特性差が最小となり、温度ドリフトの最小化を実現。カレントゲインの差が小さく、DCオフセットを最小化。微小信号や低域までの表現力を高めている。

電源部には、13chの同時出力でも、クリーンかつ安定した電源供給を行なうために、専用のEIコアトランスを開発。ブロックコンデンサも含めて、カスタム品を使っている。

8入力/3出力のHDMI端子を装備。全ての端子がHDCP 2.3に対応するほか、BT.2020のパススルー、eARCに対応する。HDRについては、従来のHDR10、Dolby Vision、HLGに加え、HDR10+、Dynamic HDRもサポートした。

HDMI入力×1系統(HDMI 7)、出力×2系統(モニター1/2)がHDMI 2.1に対応。8K/60Hzおよび4K/120Hz映像信号のパススルーが可能。HDMI 2.1の機能ではALLM、VRR、QFT、QMSをサポートする。

本体背面

ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」の技術を投入したネットワークプレーヤー機能も搭載。無線LANも備え、IEEE 802.11a/b/g/nに対応。デュアルバンドで2.4GHzに加え、5GHzもサポート。2×2のMIMOにも対応しており、通信性能を高めている。

音楽ストリーミングサービスは、Amazon Music HDをはじめ、AWA、Spotify、SoundCloudに対応。インターネットラジオ受信も可能。AirPlay 2にも対応しており、Apple Musicやアプリの音声も高音質で楽しめるほか、Bluetoothを搭載し、スマホなどからの音楽再生もできる。

LAN内のNASなどに蓄積した音楽や、USBメモリーに保存したDSDファイルやハイレゾ音源の再生も可能。

Amazon Alexaによる音声コントロールや、スマホ/タブレットでAVレシーバーの操作と設定ができるアプリ「Denon 2016 AVR Remote」にも対応する。

HDMI以外の入力として、コンポジット×4、コンポーネント×3、アナログ音声×7、アナログ7.1ch×1、光デジタル×2、同軸デジタル×2、Phono×1を装備。出力端子は、コンポジット×2、コンポーネント×1、15.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドフォン出力×1を装備。LAN端子、Denon Link HD、USB、RS-232C、DCトリガー端子なども備えている。

消費電力は900W。アンテナを寝かせた場合の外形寸法は、434×482×195mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は23.6kg。

AVC-X8500Hの有償HDMI 8Kアップグレードを実施

6月15日より、AVC-X8500Hを対象に、HDMI基板の交換により、8K/60Hz、4K/120Hzのパススルー対応など、AVC-X8500HAと同様の機能が利用できるようになる有償アップグレードサービスを実施する。料金は77,000円。預かり期間はセンター到着から約2週間。受付期間は2023年6月15日まで。

アップグレードの作業では、HDMI基板の交換、アップグレード済みであることを示す「A」シールの貼り付け、HDMI入出力端子へのシールの貼り付け(8K、HDCP 2.3表示)に加え、最新ファームウェアへアップデートを行なう。

アップグレード後は、8K/60Hz、4K/120Hzのパススルー(入力×1系統/出力×2系統)に対応するほか、VRR、QMS、QFTをサポート。HDRではHDR10+、Dynamic HDRに対応。HDCP 2.3にも対応。8Kアップスケーリングも利用できるようになり、電源オン時の本体ディスプレイに表示されるモデル名が「AVC-X8500HA」となる。