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モーツァルトを聴かせ続けた日本酒。オンキヨー協力

三芳菊酒造は、オンキヨー開発の加振器「Vibtone」を使ってモーツァルトを聴かせた日本酒「加振酒プロジェクト”壱”ICHI」を、クラウドファンディングサイトのMakuakeで7月30日まで販売する。加振酒単品は4,000円。加振ありverとなしverの日本酒を飲み比べられる2本セットは通常8,000円(送料込)だが、数量限定で37%オフの5,000円で購入できる。プロジェクト終了後、8月上旬から順次発送。

明治22年創業、徳島県の蔵元である三芳菊酒造が醸造した日本酒で、徳島県産山田錦を100%使用し、精米歩合は70%の米と米麹だけの純米酒。「米本来の旨味、ふくよかなお米の香り」が楽しめる。

オンキヨーは、長年に渡り音と音に基づく振動に関する技術の開発を積極的に実施。東京農業大学との間で、発酵過程で加振器を使用し、直接的に振動および音を聴かせることで、醸造に与える効果・効能に関する技術研究を共同で行なっており、今回のプロジェクトが実現した。

使われたVibtoneは、パネルなどを振動させることで音を発生させるもの。浴室、キッチン、インターフォンなど、防水性、気密性が必要な空間でも設置、音を鳴らすことができる。今回の場合、加振器がタンクに直接振動を与えることで内部のもろみへ均一に音楽を届けられるという。

タンクに取り付けられた加振器

三芳菊酒造が使用している4,500Lのホウロウ製タンクをベストに加振できるよう、加振器設置前にオンキヨーがタンクを採寸、新規に加振器マウントを作成した。使用された音源はe-onkyoで配信中で、演奏法にもこだわったモーツァルトの国内ライブ音源。

もろみの仕込み直後から、インターネット経由でオンキヨーとつながったパソコンにより加振をコントロール。上槽まで途切れなく音を流し続けたとのこと。

その結果、加振したものは、もろみ初期の段階から発酵が進み、元気な状態だったという。これは「振動により、麹の溶解が促進され、糖化が進み、発酵が活発になったものと思われる」とのこと。日本酒のもろみの状態はBMD曲線というグラフでも確認でき、そのグラフでも4日目から発酵に差が出始め、その差は最後まで続いたという。

三芳菊酒造の馬宮代表取締役・杜氏によれば加振酒は「濃厚で味わいが深く米の味を強く感じる」味わい、加振なしの日本酒は「すっきりとした飲み口で、あっさりとした後口」だったという。