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アップル、Final Cut ProとLogic Proアップデート。M1 Pro/Max最適化
2021年10月19日 12:24
アップルは10月19日、動画編集ソフト「Final Cut Pro」と音楽作成ソフト「Logic Pro」のアップデートを実施した。同日に発表した新型MacBook Proに搭載されるM1 Pro/M1 Maxチップに最適化されている。最新バージョンはFinal Cut Proが10.6、Logic Proが10.7。
どちらもMac App Storeを通して提供中。既存のユーザーは無料でアップデートでき、新規のユーザーはFinal Cut Pro 10.6を36,800円で、Logic Pro 10.7を24,000円で購入できる。あわせてMotion 5.6、Compressor 4.6も提供されており、既存ユーザーのアップデートは無料、新規ユーザーはそれぞれ6,100円で購入できる。
Final Cut Pro 10.6
ビデオエディターが8K ProResの7つのストリームをフル解像度(2億3000万超ドット)で再生でき、ProResビデオを従来の5倍を超える速度で書き出せるようになった。新型MacBook ProではミニLEDを使ったLiquid Retina XDRディスプレイで8K HDRビデオのカラーグレーディングも可能。
新しいオブジェクトトラッカーも導入され、同機能を使ってビデオ内の顔やオブジェクトの動きに追随するアニメーショングラフィックをすばやく簡単に作成できる。オブジェクトトラッキングの分析は、新型16インチMacBook Proでは最大5倍の速さで実行され、AppleシリコンのNeural Engineの機械学習機能を活用してビデオ内の顔とオブジェクトの検出が高速化されている。
また先日発売されたiPhone 13シリーズで撮影可能になった「シネマティックモード」のビデオ編集にも対応した。同モードで撮影されたビデオはFinal Cut ProとMotionで簡単に編集でき、あらゆるショットの被写界深度エフェクトを調整したり、キーフレームを使って、時間経過に伴いエフェクトを変化させることができる。
Final Cut ProのパートナーとなるアプリケーションのMotionとCompressorもアップデートされ、新型MacBook ProでMotionを使うと、複雑なプロジェクトのレンダリング速度が最大2倍に向上。5倍のフレームレートで8Kビデオの2ストリーム再生ができる。そのほかマスク、シェイプ、3Dオブジェクト、ビヘイビア、フィルタをオブジェクトトラッキングと組み合わせて、ビジュアルエフェクトを作成することも可能。新たにネオンフィルタも搭載した。
同じく新型MacBook Pro上で、CompressorはHEVCビデオのトランスコードを最大2倍の速さで実行でき、ProResビデオのトランスコードは最大10倍速に。さらにCanon Cinema RAW LightビデオファイルをProResやH.264などにトランスコードする機能も初搭載されている。
Logic Pro 10.7
空間オーディオ対応楽曲を制作するために必要なツールを初搭載し、誰でもApple Music向けにDolby Atmosで曲をミックスし、書き出せるようになった。あわせてSpace Designer、リミッター、ラウドネスメーター、トレモロなど、Logic Pro内の13のプラグインもアップデートされている。新型MacBook Proでは録音に使えるプラグインの数が最大で3倍になった。
Logic Proには、今年の夏にGarageBandに導入された「プロデューサーパック」がすべて付属。ボーイズ・ノイズ、マーク・レッティエリ、マーク・ロンソンなど、現在の音楽シーンでトップに立つヒットメーカーたちが手掛けたビート、ループ、サンプルを使うことができる。
ユーザーは2,800種類の新しいループ、50種類の新しいキット、120種類の新しいパッチにアクセス可能で、これらをすべてロイヤリティフリーで自分の楽曲に使用できる。さらに今回のアップデートにはリル・ナズ・Xのヒット曲「Montero (Call Me by Your Name)」のオリジナルマルチトラックプロジェクトも付属しており、同トラックのDolby Atmos空間オーディオミックスも収録されている。