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B&W「800 D4」勢揃い、エソテリック超弩級ターンテーブル「T1」

B&W「800 D4」が勢揃い

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2021東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月5日に開幕した。会期は11月7日までの3日間。入場無料だが、新型コロナウイルス感染症対策のため事前予約制となっている。ここではデノンやマランツ、エソテリックなどのブースを中心にレポートする。

“伝説の801復活” B&W「800 D4」が勢揃い

最大の目玉と言えるのが、G510ディーアンドエムホールディングス(マランツ)ブースにある、Bowers & Wilkins(B&W)の新ハイエンドスピーカー「第4世代800 Series Diamond」(800 D4)シリーズだ。ブースではフロア型の「801 D4」、「802 D4」、「803 D4」、「804 D4」、ブックシェルフの「805 D4」など、シリーズ全モデルが揃っており、毎時開始で説明と試聴が行なわれている。

右にあるのがフロア型の「801 D4」

詳細は以前の試聴レポート記事を参照して欲しいが、800 D3では、最上位が「800 D3」だったが、その位置が第4世代では「801 D4」という名称になり、“801”という型番が復活したのがポイント。

いずれのモデルも、ツイーター、筐体、ミッドレンジなどが大きく進化しているが、特に注目はブックシェルフの「805 D4」と、フロア型の「804 D4」。従来は、筐体の後ろ側に湾曲合板を配置し、前面にフラットなバッフル板を組み合わせていたが、805 D4と804 D4では、上位機と同じように、前方が湾曲合板、背後がフラットという構成になった。エッジが無くシームレスな形状になることで、音場の再現性がアップしている。内部のマトリックスも強化された。

ブックシェルフの「805 D4」

また、804 D4では、上位のフロア型モデルと同様に、堅牢な「アルミニウム・プリンス」台座を新たに搭載。上位機にも肉薄する低域再生能力を備えている。

ネットワークや内部構造など、細かい特徴の説明も聞ける

同ブースでは、マランツのコンポである「PM-10」や「SA-10」、デザイン性の高さも特徴な「MODEL 30」、「SACD 30n」なども用意されている。

「SACD 30n」、「MODEL 30」

部屋は異なるが、ディーアンドエムホールディングスはデノンもブースを出展。昨年発売された110周年記念モデル「DCD-A110」、「PMA-A110」、SX1 Limitedシリーズを用意しているほか、先日発表されたばかりで、11月下旬発売予定の7.2chアンプ「AVR-X1700H」(77,000円)も一足先にチェックできる。同社のサウンドマスター・山内慎一氏が、開発の初期から深く関わった初のAVアンプだ。

デノンのブース
「PMA-A110」

同ブースでは他にも、11月下旬に発売予定の米Polk Audio新スピーカー「Monitor XTシリーズ」を見ることができる。Polk Audioのエントリーグレードだが、Signature Eliteシリーズでも採用されている「テリレン・ドーム・ツイーター」を搭載。40kHzまでの超高域をカバーし、ハイレゾ対応のストリーミングサービスから最新映画の高品位なサウンドトラックまでを忠実に再生するクリアで高精細な高音を実現したとする。

Monitor XTシリーズ

エソテリック

Grandioso「T1」

エソテリックブースで注目を集めていたのは、Grandiosoシリーズのアナログターンテーブルとして参考展示されている「T1」だ。特許を取得しているという、新開発の非接触型ドライブ機構「MagneDrive System」を採用している。

その名の通り、プラッターの回転に磁石の力を使ったもので、モーターの先端に駆動用の磁石を搭載。モーターの力でそれを回転させ、その近くに配置した非接触のプラッターを磁力で回転させるという仕組み。

右がモーターと、その先端に取り付けた磁石。左がプラッター。両者は接触していない

技術的なポイントは、プラッター側に磁石を使っていない事。鉄製の溝のようなものがプラッター下部の外周に配置されており、突起の部分は磁力にひかれるが、引っ込んでいる部分は磁力にひかれない。この溝に対して、モーター先端の回転する磁石が絶妙に磁力を伝える事で、プラッターを非接触で回転させる。プラッター側に磁石を使わない理由は、カートリッジに影響を与えないためだという。

プラッターとモーター先端の磁石が非接触なだけでなく、モーターを内蔵している筐体部分と、プラッターを配置しているプレーヤー本体はセパレートになっており、磁力以外、振動などの影響を与えないようになっている。

モーターを内蔵している筐体部分と、プラッターを配置しているプレーヤー本体はセパレートになっている

製品化する際は、モーターへ給電するための電源部を別筐体としてセットにする予定だという。発売日や価格は未定だが、Grandiosoシリーズとしてハイエンドなモデルとして開発が進められているそうだ。

他にも、エソテリックのP1X、D1X、G1X、M1、K1X、K-01XD、K-03XD、N-05XD、さらにavantgardeのスピーカーなどをブースでは体験できる。

ネットワークオーディオプレーヤー兼DAC兼プリアンプ「N-05XD」。ネットワークDAC「N-01XD」譲りのリニア電源駆動ネットワーク回路を搭載。専用トランスが作り出す自然な電力供給により「ネットワークオーディオをより音楽的に表現」するという。TIDALやQobuz(どちらも日本未サービス)、Spotifyといったストリーミングサービスに対応し、ファームウェアアップデートでRoonにも対応する

ヤマハミュージックジャパン

ヤマハは2つのブースを用意。フロア型スピーカーのハイエンドモデル「NS-5000」が楽しめる部屋と、その技術と思想を継承した2ウェイブックシェルフスピーカー「NS-3000」が楽しめる部屋がある。

パワーアンプには「M-5000」、プリアンプには「C-5000」、ターンテーブルには「GT-5000」、CDプレーヤーには「CD-S3000」を使用。プリメインアンプ「A-S3200」も使われている。

フロア型スピーカーのハイエンドモデル「NS-5000」
2ウェイブックシェルフスピーカー「NS-3000」

太陽インターナショナル

太陽インターナショナルのブース

オランダのオーディオメーカーTAIKOの製品を紹介している。サイエンス、エンジニアリング、IT系のバックボーンと専門知識を活かしてハイエンドオーディオを手掛けているのが特徴のメーカー。

超弩級ミュージックサーバー「SGM Extreme」

超弩級ミュージックサーバー「SGM Extreme」は544万5,000円。「あらゆる手段を尽くして共振制御、電気的な汚染の防止、信頼性、操作性に最大限の注意を払い、長時間をかけてSGM EXTREMEを製作した」という。

柔軟性に富んだモジュール式の構造を採用し、ハードウエアアップデートとソフトウエアアップデートにより、「時代遅れとはならない仕様が期待出来、長きにわたって、最高のデジタル音楽ソース」になるという。

ストリーミングサービス・ソフトウェアはRoonに対応。デュアルCPUを採用し、「音楽信号処理のさまざまなプロセスを、独自に開発した画期的に割り当てる方法によって、最高の音質と最高のユーザーインターフェイス(UI)の両方を達成した」という。

内蔵ストレージは、2TBから最大24TBまで選択可能。メモリは、DIMMを12個並列使用することにより、スループットレートを高めている。独自開発された400Wリニア電源を採用し、ムンドルフとデュエルンドのコンデンサーのみで構成。チョークはルンダールのトランスで、試聴の末に採用されている。