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MSB、ボリュームコントロール非搭載のヘッドフォンアンプ
2021年11月15日 15:00
アクシスは、米MSB Technologyのヘッドフォンアンプ「Premier Headphone Amplifier」を11月に発売する。価格は125万円(税別)。
受注扱いの「Select Headphone Amplifier」、「Reference Headphone Amplifier」に続く同ブランドのヘッドフォンアンプ第3弾。
一般的なヘッドフォンアンプはボリュームコントロールを備えているが、この「Premier Headphone Amplifier」にはそれがなく、固定ゲインとなっているのが特徴。「Discrete DAC」を始めとするボリュームコントロール機能を持ち、かつ強靭なドライブ力を持つMSB製D/Aコンバーターとの組み合わせでの使用を前提に設計されている。使用時はソース側DACでボリュームを調整するため、DACの設定は可変出力モードにしておく必要がある。
超低ノイズフロア、インピーダンス整合回路トポロジーによる完全バランス・アーキテクチャーを採用した。入力には3ピンXLRバランス端子を、出力には4ピンXLRバランス端子を搭載している。バランス・ヘッドフォン出力とは別に、シングルエンド・ヘッドフォン端子も装備。1/4インチジャックに差し込むと、自動的にバランスからシングルエンド出力構成に変換される。
アンプ回路はゼロNFB、ハイボルテージ電流モードによるクラスA構成で、ファイナルステージには、ルンダ―ルがカスタムメイドしたヘッドフォン専用高品位出力トランスを搭載。あらゆるインピーダンスの負荷に的確に対応できるため、低能率な平面型から、高効率のIEM(インイヤーモニター)まで、ほぼすべてのダイナック・ヘッドフォンを最適に駆動できる。
シャーシは、MSB社内のCNCミーリングマシンでアルミニウムブロック(ビレット)を削り出したユニボディー構造。内部は継ぎ目のない5つのコンパートメントに分かれて各回路ブロックを収容し、相互干渉が徹底抑制されている。表面に刻まれたスリットは12,000平方インチ(7.75m2)の表面積を持つヒートシンク領域を構成しており、高効率の放熱効果を実現した。
外装フィニッシュはマットシルバーとマットブラックの二種類で、高品質アノダイズ処理が施されている。底面にはM6サイズのVitonスパイクを標準装備する。
電源にはカスタム巻線による、超低ノイズ・シールド付きトランスを搭載し、磁気フラックスの影響を軽減するために、トランス・コンパートメントの周囲に追加のミューメタルシールドが配されている。カスタムメイドのルンダール出力トランスは、入力回路から可能な限り離れた位置のコンパートメントに収容される。
「Discrete DAC Plus」のPremier Powerbaseなどの12Vトリガー端子と接続すれば、DACのオン/オフによってヘッドフォンアンプのオン/オフを連動させることが可能。リアパネルにパススルー端子、フロントパネルに出力切替スイッチも装備しており、ヘッドフォンを使用しないときはパススルー端子につないだパワーアンプを通じて、スピーカーを鳴らすこともできる。
再生周波数帯域は20Hz～20kHz±0.3dBで、ダイナミックレンジ(20Hz-20kHz、Max Power@45Ω)は>125dB、134dBA。CMRR(Common Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)は82dB@60Hx、1kHz、20kHz。クロストークは>130dB@1kHz、110dB@20kHz。
最大出力(@1% THD+N)は、4.5Vrms(2.53W)@8Ω、7.5Vrms(3.51W)@16Ω、11.4Vrms(4.05W)@32Ω、13.2Vrms(3.87W)@45Ω、13.8Vrms(1.27W)@150Ω。消費電力は82Wで、パススルー時は8W。外形寸法はVitonスパイクと突起部を含めて432×314×62mm(幅×奥行き×高さ)、重さは14kg。