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ソニー、PS5の'21年度販売台数予測を下方修正。1,150万台に

説明会に登壇した十時裕樹副社長兼CFO

ソニーグループは2月2日、2021年度第3四半期業績説明会を開催し、このなかでPlayStation 5の年間販売台数目標について、1,150万台程度と下方修正した。半導体を中心とした供給制約、全世界的な物流の混乱によるリードタイムの増加が影響したという。

2021年4月時点で、PS5の販売台数目標をPS4導入翌年度の販売実績である1,480万台を上回ることとしていたが、これを下回る見込み。'21年度第3四半期のPS5販売台数は390万台だった。

説明会に登壇した十時裕樹副社長兼CFOは、今後もデバイス供給制約は続くと見ているものの、「PS5に対する強い需要に応えられるよう、最大限に努力してまいります」とコメント。また「PS5は短期的な利益という観点では、プロモーション費用がかからなかったり、物流費がセーブできるといった、台数が減れば経費が減る効果もあるが、旺盛な需要に対して、1台でも多く出荷したい」と語った。

同じく部品不足が続いているエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野についても、「深刻な部品不足で、市場の需要に十分応えられていない状況。部品確保は来年度においても当分野で最重要課題。全力で取り組んでいく」としている。

なお十時副社長兼CFOによれば、昨年12月のPlayStationユーザーの総ゲームプレイ時間は、PS5発売直後だった'20年末と比べると20%下回ったものの、'19年度と比べると7%増で、「大型タイトルがなかったなかでは堅調」だったという。

'21年度第3四半期の売上高は、前年同期比13%増の3兆313億円。営業利益は同32%増の4,652億円で、第3四半期の実績としては過去最高を更新した。税引前利益は同20%増の4,616億円、純利益は同11%増の3,462億円だった。

ゲーム&ネットワークサービス分野(G&NS分野)の売上高は前年同期比で8%、700億円減収の8,133億円。ハードウェアおよび周辺機器の売上減少や自社制作ゲームソフトウェアの販売減少などが影響した。

一方で、営業利益は121億円増益の929億円。販売費および一般管理費の減少や、戦略的な価格設定をしているPS5ハードウェアの損失縮小などが影響した。

エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野の売上高は前年同期比で121億円減収の6,869億円。為替の影響で385億円増収したものの、販売台数の減少によるオーディオ・ビデオ、デジタルカメラ、スマートフォンの減収が影響した。

営業利益は233億円の大幅減益の800億円。こちらも為替の好影響やデジタルカメラの製品ミックスの改善といった要素があったものの、デジタルカメラ、テレビ、オーディオ・ビデオの販売台数の減少が影響した。

そのほか音楽分野の売上高は314億円の大幅増収の2,959億円、映画分野では全米で昨年末に公開した「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の全世界累計興行収入が17億ドルを超え、ソニー・ピクチャーズで過去最大のヒットを記録。売上高で2,701億円の大幅増収の4,612億円、営業利益は1,291億円大幅減益の1,494億円だった。

2021年度の連結業績見通しは、売上高は10月時点から変わらず9兆9,000億円、営業利益は1,600億円増の1兆2,000億円、純利益は1,300億円増の8,600円に上方修正している。