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ソニー、'21年度通期営業利益1.2兆円に。ゲームや映画/音楽好調

2021年度 連結業績

ソニーは10日、2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)の連結業績を発表。売上高は、前年同期比10%増の9兆9,215億円で、営業利益は同26%増となる1兆2,023億円を記録した。為替の影響に加え、ゲームや映画、音楽事業が好調に推移したほか、エレキ事業の増収が利益を押し上げた。

ソニーグループ 代表執行役副社長兼CFO 十時裕樹氏
2021年度 セグメント別業績

テレビなどのエレクトロニクス機器を含むエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の売上高は2兆3,392億円で、前年度比13%増となる2,711億円の増収。製品ミックスの改善によるテレビ、デジタルカメラの増収および為替(+1,038億円)が影響した。

営業利益は2,129億円で、テレビ・デジタルカメラの販売台数減による影響はあったものの前年度比851億円の増益となった。2022年度見通しとしては、売上高は2兆4,000億円で前年度比3%増となる608億円の増収。営業利益は1,800億円で、前年度比329億円の減益を見込む。

エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野
※'22年4月より、従来のエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野をエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野へと名称変更している

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の売上高は2兆7,398億円で、前年度比3%増となる835億円の増収。営業利益は3,461億円で、ほぼ横ばいながら44億円の増益。増収にはハードウェアの売上増加や製造コストを下回る価格を戦略的に設定しているPlayStation 5のハードウェア損失縮小が貢献したが、マイナス要因として、アドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売減少が影響した。なお、今期のPS5の販売見込みは、1,800万台(部材調達のめどが立っている数値)としている。

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野

音楽分野の売上高は1兆1,169億円で、前年度比19%増となる1,711億円の大幅増収を記録。為替の影響に加え、音楽制作および音楽出版における有料会員制および広告型ストリーミングサービスからの増収が貢献した。営業利益も2,109億円で、261億円の増益となった。

2022年度見通しにおいても、ストリーミングサービスでの収入増加等を見込んでおり、売上高は前年度比で11%増の1兆2,400億円、営業利益は2,300億円を想定している。

音楽分野

今年度、売上高・営業利益共に大幅増収となったのが映画分野。

売上高は1兆2,389億円で、前年度比65%増となる4,859億円の大幅増収。新作映画の劇場興行収入が好調だったことに加え、動画配信サービスやカタログ作品からのライセンス収入増加が大きく影響した。また「Seinfeld」のライセンス及び作品の納入数の増加によるテレビ番組制作の増収やCrunchyrollの買収によるメディアネットワークの増収も寄与した。

営業利益は2,174億円で、前年度比1,375億円もの増益を記録。増収の影響のほか、GSN Gamesの事業譲渡にともなう利益計上(700億円)も利益を押し上げた。2022年度見通しにおいては、売上高は1兆3,300億円、営業利益は1,000億円を想定する。

映画分野

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は1兆764億円で、前年度比6%増となる639億円の増収。為替の影響(555億円)とデジタルカメラ及び産業機器向けイメージセンサーの販売数量増加が増収に貢献した。営業利益は1,556億円で、前年度比97億円の増益となった。

2022年度見通しとしては売上高は1兆4,700億円で、前年度比37%増の3,936億円の大幅増収を見込む。営業利益に関しても2,000億円と、444億円の大幅増益を予定する。

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野

なお、2022年度の連結業績見通しは、売上高が11兆4,000億円、営業利益は1兆1,600億円。純利益は8,300億円としている。

2022年度 連結業績見通し