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クリプトン“オールアルミ”で高音質化。ハイレゾPCスピーカー「KS-33」

アクティブスピーカーの新製品「KS-33」

クリプトンは、コンパクトながらハイレゾ再生が可能で、PCとのUSB接続や、Bluetooth受信も可能なアクティブスピーカーの新製品「KS-33」を6月下旬に発売する。価格は79,800円(税抜)。直販サイトのKRIPTON Online Store専用商品。

2020年に登場した「KS-11」(税抜49,800円)の上位モデル。KS-11と、サイズや形状、搭載しているユニットは同じだが、筐体の素材やチューニング、付属のスピーカーケーブルを強化させる事で、音質も高めている。

左からKS-33、KS-11

KS-11との大きな違いは筐体の素材。KS-11は、前面や天面など、フレーム部分がアルミの押し出しで作られているが、両側面はアルミではなくモールド樹脂となっている。上位機のKS-33では、このサイドパネルもアルミ製となり、オール・アルミフレームとなった。

フレーム部分はアルミ押し出し
KS-33は、サイドパネルもアルミ製になった

これにより剛性が高まり、バスレフ方式のコンパクトスピーカーながら、豊かでタイトな低音再生が可能になったという。なお、KS-33では、チューニングの結果、必要なかったため吸音材を使っていない。

一方で、低域の量感が不足しないよう、搭載するフルデジタル・アンプを、KS-3HQMに搭載している25W×2より、さらにパワフルな35W×2へと強化。チューニングもKS-33向けに、新たに調整された。

ユニットは、デンマークTymphany(旧Peerless)の64mm径でコンケーブ型。小口径ながら、重低音再生を可能としており、全帯域にわたってフラットな再生特性を持つという。振動板はメタルコーンを使っている。

ユニットは、デンマークTymphanyの64mm径。メタルコーン

Bluetooth受信にも対応。コーデックはSBC/AAC/aptX/aptX HDをサポートし、PCやテレビだけでなく、スマートフォンやポータブルオーディオ機器とも、手軽に、かつ高音質に連携・再生できる。

入力端子は、USB、ステレオミニのアナログ、光デジタルを各1系統装備。デジタル音声データは、最大で192kHz/24bitのリニアPCM、WAV・FLAC・AIFF・Apple Losslessファイルが再生できる。

背面端子部

KS-33では、左右のスピーカーを接続するケーブルもブラッシュアップ。大画面テレビと組み合わせた時に長さが足りないというユーザーの声も踏まえて、長さをKS-11付属の2mから、KS-33付属ケーブルでは3mに長くした。さらに、ケーブルの線材に、新たにOFC線を採用。「一層透明度の高い再生音を実現した」という。

脚部には、ネオフェードカーボンマトリックス3層材を使ったインシュレーターを配置。インシュレーターの素材は、クリプトンのピュアオーディオ用のオーディオ用アクセサリにも使われているもので、振動を熱に変換して解消。設置面への振動の伝播などを防いでいる。このインシュレーターに、Oリングも配置。横滑りに強くなった。

外形寸法は87×105×176.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.6kg(×2台 本体部・インシュレーター含む)。リモコンが付属する。

ネオフェードカーボンマトリックス3層材を使ったインシュレーターを配置

音を聴いてみる

短時間だが、KS-11とKS-33を比較試聴したので、その違いをレポートする。

KS-11自体、コンパクトスピーカーとしては非常に高い実力を持っているが、KS-33のサウンドはそのさらに上を行く。特にすぐ違いがわかるのが低域で、KS-11の場合は左右側面のモールド樹脂が鳴き、ゆったりとした量感のある低音再生ができる。

側面も含めたオール・アルミフレームになったKS-33は、この低音の分解能が大幅に上昇。アコースティックベースの豊富な低音の中に、弦が震える様子など、細かな音が内包されているのがよく分かる。

それでいて、腰高なバランスにはなっておらず、低域を細かく描写しながら、量感と迫力はキッチリ再生してくれる。アンプ部分がパワフルになり、改めてチューニングされた効果だろう。

また、前述のように左右スピーカーを接続するケーブルがグレードアップした事で、音場空間が、横方向にも、奥行き方向にも拡大。ステージの見通しが良くなるとともに、そこに定位する音像もよりシャープになっている。