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IMAXカメラ6台どうやって戦闘機に!? トム様ついに来日「トップガン マーヴェリック」
2022年5月23日 17:37
5月27日から公開される『トップガン マーヴェリック』より、主演のトム・クルーズがついに来日。6台のIMAX認証デジタルカメラを戦闘機「F/A-18 スーパーホーネット」に搭載した事など、撮影の舞台裏を語った。
約4年ぶり、通算24回目の来日を果たしたトム・クルーズは、「また日本に来ることができて本当に嬉しい。最高にエキサイティングな気分。大きなスクリーンで楽しんでいただける作品として作ったので、ぜひ皆さん、劇場の椅子で“前のめりで”観てください」と笑顔で挨拶。
同作は、アメリカ海軍のエリート・パイロット養成学校“トップガン”に所属するエースパイロット候補生の挫折と栄光の日々を描いた、1986年の大ヒットアクション映画「トップガン」の続編。
続編までに実に30年以上が経過しているが、その間、「続編が観たい」というファンからの声は絶えずあったという。これだけ時間が経過した理由としてトムは、「映画には感動的なストーリーや魅力的なキャラクターが重要」と、納得できる脚本が生まれるまで時間がかかったことに加え、「本当に観客の皆さんが、戦闘機のコックピットに座っているような感覚になる作品にしたいと考えていた。そのためには、撮影技術や機材の進化が必要でした」と語る。
1986年のトップ・ガンでは、F-14が活躍。「F-14の時は、トニー・スコット監督が、機内に設置できるサイズで、5分間くらいの撮影ができるカメラを開発し、それを使いました。それから10年ほど、私はいろいろな飛行機を操縦できるようになり、第二次大戦中の戦闘機であるP-51を購入して飛ばしたり、曲芸飛行の訓練も受けるようになりました。実際に空を飛びながら、どのような空撮の方法があるのかをずっと考えていました。当時はアイデアとしてあっても実現できない事がありましたが、時間とともに技術の進歩で解消されてきました」
「また、他の映画でオートバイや車にカメラを取り付けて撮影する経験を重ね、どこにカメラとレンズを配置して、広角レンズで撮るとどうなるのか、望遠だとどうなるのか、どんな物語を観客に映像で伝えられるのかを追求していきました」と語る。
その結果、『トップガン マーヴェリック』では6台ものIMAXカメラをF/A-18のコックピットに搭載する事に。トムは「コックピットの中には、撮影の時には不要な器具もあるので“これは外してもいいんじゃない?”と、スペースをあれこれ作って、なんとか6台設置しました。本当に大変で、もう二度とやらないと思います」と笑う。
トムと共に来日した製作のジェリー・ブラッカイマーは、「6台のカメラは、この撮影のためにソニーが開発したもので、バッテリーとカメラ本体を切り離せる事で設置ができました。しかし、(カメラマンが乗る事ができないので)俳優たちがカメラのスイッチを操作したり、照明も自分で調整する必要があり、それも大変でした。飛行する前に、トムが地上でブリーフィングを行ない、入念にリハーサルをしました」と振り返る。
「こうした様々な事をしているので“万が一に事故につながったら”という懸念もありました。例えばカメラを壊してしまったらどうするのか……など。海軍の弁護士とも話して、そうした問題を全て解決しながら進めなければならず、それに15カ月ほどかかりました」という。
さらに、「多い時は、コックピット内、地上、飛行機の外側に取り付けたカメラ、さらに並んで飛ぶ別の飛行機に搭載したカメラと、22台のカメラで同時撮影する事もありました。本当に複雑なプロセスが必要な撮影でしたが、多くの方がおそらく一度も行くことがない(戦闘機で飛ぶ空の)世界を、皆さんが実際に体験できる映像になったと思っています」と、こだわりの映像に対する自信を見せた。
俳優達が実際にF/A-18に乗り込み、撮影
トムが映画でとにかくこだわっているのが「リアルである事」。「トップガン マーヴェリックの撮影でも、ジェリー(ジェリー・ブラッカイマー)と相談して、“グリーンバックを使わない”事を承諾させました。複雑な撮影も、海軍に“こういう撮影をやりたい”と機材も持ち込んで交渉しました」と語る。
説得相手は海軍だけではない。映画スタジオも同様だったとトムは語る。「私が空撮にこだわっていても、“なぜこの撮影手法じゃなければいけないのか”という声は沢山ありました。そこで、実際に考えていた撮影手法で撮った映像を、短く編集したものを作り、それを大きなスクリーンに投写して彼らに見せたところ、全員“OK、わかった、これでいこう”と言ってくれました(笑)」。
しかし、リアルな映像にこだわるという事は、俳優達がF/A-18に乗り込み、アクロバティックな飛行を実際に体験しながら演技をする、という事を意味している。これは生半可な事ではない。
ジェリーは「1作目のトップ・ガンの時もF-14に俳優たちを乗せて撮影しましたが、使える映像素材はトムのものだけで、他の俳優陣は全員、吐くか失神するかでした」と笑う。
そのため、今回の撮影では、F/A-18に乗れるように、3カ月のトレーニングプログラムをトムが作成。そのトレーニングを他の俳優達が受ける事になった。「最初はプロペラ機から、曲芸飛行を体験し、ジェット機へ。F/A-18に乗るためには、7~8Gに耐えられなければなりませんから、最初は1Gから慣らしていき……3カ月かけて耐性を作っていきました」とのこと。
ジェリーは「完成した映像だけ見ると、とても楽に見えると思うのですが、撮影するのはまったく楽じゃないんです。トムという人がいたからこそ、この作品が出来た。彼はいつも早く起きて用意して、皆が飛ぶ2時間前にブリーフィングをし、本職のパイロットと共に空を飛び、飛行機から降りて、撮れた映像を確認してディスカッションし、納得のいく映像でなかったら、スタッフや俳優たちにトムがその旨を説明し、また俳優達やパイロットと共に飛び、再度撮影する……という繰り返しで、本当にハードな撮影でした」と、トムの働きぶりを振り返る。
今年60歳を迎えるとは思えないほど、若々しく、映画の撮影も精力的にこなすトム。若さの秘訣を聞かれると、「特別な事はありませんが、とにかく一生懸命仕事をする事。努力をする事ですね。僕は幸い、映画を作り、世界中を旅するという“夢を生きている”人間です」と笑う。
「昔から、いろんな国に行って、異なる土地で映画を作ってきました。ラスト・サムライも特別な経験でした。私は常に“人”に感心を持ち、人間が大好きです。また、人生について学ぶこと、勉強する事が好きで、自分をより高めるために常に努力をしています。ラスト・サムライでも、撮影前に2年の準備期間がありましたが、刀の使い方を学ぶために、1年間毎日5時間練習しました」と語る。
ジェリーは、そんなトムについて「彼はスポーツ選手のように常にトレーンングを欠かさない。飛行機を飛ばすだけでなく、全てのアクションを自分でこなす。そのために、最高のコンディションを維持しているところがスゴイ」と絶賛。
トムは最後に、「私達2人は、自分の仕事が大好きなんです。常にそれをより良くしたいという想いを持ち、最高のものにしないと気がすまないんです」と笑った。
なお、記者会見の模様は以下のURLからアーカイブ視聴が可能。24日に行なわれるジャパンプレミアも生中継される。
あらすじ
アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”。
しかし彼らは、ベスト・オブ・ザ・ベストのエースパイロット達をもってしても絶対不可能な任務に直面していた。任務成功のため、最後の切り札として白羽の矢を立てられたのは、伝説のパイロット“マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。記録的な成績を誇る、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格と、組織に縛られない振る舞いから、一向に昇進せず、現役であり続けるマーヴェリック。
なぜ彼は、トップガンに戻り、新世代トップガンと共にこのミッションに命を懸けるのか?
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