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「ウルトラマン」4K上映、庵野秀明はなぜあの4話を選んだのか


(C)円谷プロ

円谷プロダクションは、映画「シン・ウルトラマン」大ヒットを記念して実施する、庵野秀明氏がセレクトした「ウルトラマン」4作品の4K上映について、庵野氏による作品選定理由コメントや、同プロダクション代表取締役会長兼CEOの塚越隆行氏のコメントを発表した。また6月3日のトークイベント付き上映には、ウルトラマンのスーツアクター、古谷敏氏が登壇することも決まっている。

現在公開中の映画「シン・ウルトラマン」で企画・脚本を務めた庵野秀明氏が「ウルトラマン」(1966)から選んだエピソードを特別上映する企画。6月3日から12日までの10日間、全国13劇場にて実施される。

上映するのは、凶悪宇宙人ザラブ星人/にせウルトラマンが登場する第18話「惑星から来た兄弟」、古代怪獣ゴモラが登場する第26話「怪獣殿下(前篇)」、三面怪人ダダが登場する第28話「人間標本5・6」、そしてメガトン怪獣スカイドンが登場する第34話「空の贈り物」の計4作品。庵野氏の作品選定に関するコメントは次のとおり。

庵野秀明氏 作品選定に関するコメント

第18話「遊星から来た兄弟」
M5曲が初めて劇中にかかり、初めてウルトラマンがヒーローとして自覚的に描かれたエピソードだと感じています。発射と命中が同画面に収まっている近距離での夜のスペシウム光線が素晴らしく、4K大画面に映えるかと思い選びました。

第26話「怪獣殿下(前編)」
怪獣を特異なキャラクターとして子供視点も交えながらリアルに描いたエピソードだと感じています。M-4T2曲が流れカラータイマーの点滅音が響く中、ウルトラマンが美しくやられていく様が、4K大画面に映えるかと思い選びました。

第28話「人間標本5・6」
宇宙人を怪異なキャラクターとして人間を標本にするという恐怖をサスペンス的に描いたエピソードだと感じています。何はともあれウルトラマンの滞在時間が長くその分楽しめるのと、ダダに決まる蹴りの格好良さが、4K大画面に映えるかと思い選びました。

第34話「空の贈り物」
ウルトラマンの空想世界を自覚的に寓話として真面目に描いたエピソードだと感じています。映像は実世界の一部を意図して切り取り積み重ねて構成されている面白さが、4K大画面に映えるかと思い選びました。

また塚越氏は「映画『シン・ウルトラマン』は多くの観客の方にご覧いただき、現在、日本映画の大きなムーブメントになっております。この映画は、円谷プロが1966年に世に送り出した『ウルトラマン』への大きなリスペクトをもとに庵野秀明さん、樋口真嗣さんによって新たな作品となって生まれました」とコメントしている。

「庵野さん、樋口さんには以前にも『円谷特殊技術研究所』DVD BOX発売に際して、選定も含めご尽力いただきました。今回、『ウルトラマン』の魅力を映画館で多くの観客の方に知ってもらうために、庵野秀明さんにお願いして4K上映を前提に4本の作品を選んでいただき、特別上映することになりました。この機会にぜひご覧ください」

4K特別上映公開記念トークイベントは、6月3日にTOHOシネマズ 池袋にて開催。スクリーン3で、開演は18時。ゲストにはウルトラマンのスーツアクターである古谷氏と、映画評論家・クリエイティブディレクターの清水節氏が登壇する予定。チケット情報はTOHOシネマズ 池袋のホームページまで。

古谷敏氏
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