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FiiO、新スタンダードDAP「M11S」。ESS DAC + Snapdragon 660

M11S

エミライは、FiiOの人気DAP「M11」の後継機として、ESS製DACチップ「ES9038Q2M」をデュアルで搭載、SoCに「Snapdragon 660」を採用して処理の高速化も実現した「M11S」を9月2日に発売する。価格はオープンプライスで店頭予想価格は88,000円前後。

音質面の大きな特徴として、M11は旭化成エレクトロニクスの「AK4493EQ」をデュアルで搭載していたが、M11SではESS Technology製のポータブル向けDACチップのハイパフォーマンスモデル「ES9038Q2M」をデュアルで搭載している。

M11S

1基で左右チャンネルを再生可能なDACチップの能力を、すべて片チャンネルのためだけに使用。新世代アンプ回路と相まって、「非常に高い出力を持たせながらも音楽再生のために生み出されたプレーヤーならではのピュアなオーディオ体験」が可能という。PCM 384kHz、DSD256(11.2MHz/USB入力のDoP再生時はDSD128)に対応する。

上位モデルM11 Plus ESSと同様のFPGAを中心としたデジタル領域信号処理回路+フェムト秒クロック水晶発振器による「デジタル・オーディオ・ピューリフィケーション・システム(DAPS)」を採用。

SoCから送られたデジタルデータを、独自のPLL技術を搭載した独自開発の第4世代FPGAを経由させ、FPGA内でデジタルオーディオ信号としてDACが最も真価を発揮しやすいよう緻密に処理。DAPSに組み込まれた44.1kHz系専用、48kHz系専用の2基の超低ジッター・フェムト秒クロック水晶発振器により、「デジタルオーディオ回路部全体に高精度かつ低ジッターなマスタークロックを提供し、クリーンで極めて高い忠実度を誇るD/A変換を実現する」という。

ヘッドフォンアンプ部に使っているオペアンプは、M11と同じ「OPA1642」+「OPA926」構成。米THXと、協力体制で製品を開発した際に培った経験を活かし、FiiOが新たに開発した新世代ヘッドフォンアンプ回路となっており、670mW(32Ω・バランス出力時)という強力な駆動力を実現。1.9uVという歴代DAP製品のなかでも有数の低ノイズフロアと、従来比62%の低ノイズ化も実現。「高感度のIEMとの組み合わせにおいても、静寂のなかから立ち上がるきめ細やかなサウンドが、音楽再生のために生み出されたプレーヤーならではの音楽の美しさを引き出す」としている。

ヘッドフォン出力は3.5mmシングルエンド、2.5mm/4.4mmバランスを搭載。さらに、M11は3.5㎜ライン出力機能のみ搭載していたが、M11Sではさらに4.4mmバランスライン出力機能も追加した。この端子は4.4mmバランス・ヘッドフォン出力端子と兼用になる。

ライン出力時には、ヘッドフォンアンプ部は自動的にバイパス。より高純度なオーディオ信号が出力される。これにより、バランス接続対応のポータブルヘッドフォンアンプと、バランス・ライン接続が可能になる。

スマホのようなスムーズな動作を実現するため、Qualcomm製SoC「Snapdragon 660」を搭載。動画再生やゲームなどの重いタスクを処理することが可能な能力を備えながら、音楽再生時は超低消費電力で動作することで、長時間に及ぶ連続再生時間を実現している。メモリは3GB、ストレージは32GB。

Qualcomm製SoC「Snapdragon 660」を搭載

電源回路は、左右のDACチップ、I/V変換部、前段ローパスフィルター部、増幅拡張回路にそれぞれ独立した電源を用意。音質に関わる重要なセクションに、それぞれ最適かつ強力な電源供給を実現することで、各コンポーネントの真価を発揮させている。

5,300mAhの大容量バッテリーを搭載し、連続再生15時間を実現。QC4.0とPD急速充電にも対応し、3時間でフル充電が可能。

Bluetooth 5.0に準拠し、Bluetoothヘッドフォンなどに音楽を送信するだけでなく、受信機としてスマホからワイヤレス伝送された音を再生することもできる。送信対応コーデックはLDAC/LHDC/aptXHD/aptX/AAC/SBC、受信対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。LHDCに対応する機器を使用することで、低遅延かつ最大96kHz/24bitのワイヤレス伝送が可能。AirPlayとDLNAストリーミングにも対応している。

外形寸法は125.2×74×18.5mm(縦×横×厚さ)で、重量は約271g。