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富士フイルム、8K/30p動画を約160分撮影できる「X-H2」
2022年9月9日 13:00
富士フイルムは、8K30p記録に対応したミラーレスカメラ「X-H2」を9月29日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディ単体が26万円前後、「XF16-80mmF4 R OIS WR」のレンズキットが33万円前後。
新開発の裏面照射型約4,020万画素「X-Trans CMOS 5 HR」センサーと、高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載し、「『Xシリーズ』史上最高画質を実現した」と謳うフラッグシップモデル。高画素を生かした高品位な静止画および動画撮影を実現した。
なお、同社は今年7月に、最速40コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写を実現し動体撮影に適したフラッグシップ「X-H2S」を発売済み。今後は「X-H2S」に「X-H2」を加えた“ダブルフラッグシップ”展開とし、写真家や映像クリエイターなどの幅広いニーズに応えていくという。
APS-Cサイズセンサーを採用したミラーレスカメラで初めてとなる、8K/30pの動画撮影に対応。「X-H2S」同様の放熱構造を採用し、約160分の8K/30p動画撮影を可能にした(縦位置バッテリーグリップ「VG-XH」装着時)。
8K/30p 4:2:2 10bit記録に加え、8Kの豊富なデータ量から高品質な4K映像を生成する「4K HQ」モードも新たに搭載。さらに、ProRes 422 HQ・ProRes 422・422 LTの3つのApple ProResコーデックに対応。ProRes撮影時にはProRes 422 Proxyなどのプロキシ撮影も行なえる。
動画撮影時に使用可能なデジタルズーム機能も新たに搭載。単焦点レンズ装着時でも、解像感を損なうことなく最大2倍のデジタルズームを実現。また、電動ズームに対応した交換レンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」との組み合わせでは、シームレスに光学ズームからデジタルズームに切り替わり撮影できるため、滑らかな映像表現を実現するという。
HDMI経由で最大8K/30p 12bitのRAWデータ出力が可能。ATOMOS製の「NINJA V+」でApple ProRes RAW、Blackmagic Design製「Video Assist 12G」でBlackmagic RAWとして記録することもできる。
ダイナミックレンジを13+stopに広げた「F-Log2」を搭載。階調豊かな映像を記録することができ、ポストプロダクションでの自由度が大きく向上するという。
静止画撮影では、「X-Trans CMOS 5 HR」センサーの搭載と画像処理のアルゴリズムの刷新により、高いSN比を維持したまま解像度を向上させた。
新センサーの搭載により、露光時間の制御をより高い精度で実現。電子シャッターの最速シャッタースピードを従来モデルの1/32000秒から約2.5段分拡張し、1/180000秒に向上させた。
4倍の解像力と忠実な色再現による撮影が可能な「ピクセルシフトマルチショット」を「Xシリーズ」として初搭載。ボディ内手ブレ補正機能によりイメージセンサーを超高精度にシフトさせ自動撮影を行なうことで、1回のシャッターで20枚の画像を取得。さらに専用ソフト「Pixel Shift Combiner」を使うことで、約1.6億画素の画像も生成可能。コマーシャルフォトや文化財のデジタルアーカイブ用途に最適とする。
他にも、肌のレタッチを自動で行なう新機能「スムーススキンエフェクト」やディープラーニング技術を活用したオートホワイトバランスの性能向上、ディープラーニング技術を用いて開発した被写体検出AFなども備えた。動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車をAIで検出できる。
高画素化により位相差画素数も増加、高周波被写体へのAF-S合焦性能が向上し、風景やポートレート等、AF-Sを使用することが多いシチュエーションで、より正確なピント合わせが可能という。X-H2Sで新規開発したAFの予測アルゴリズム改善も搭載、AF-C使用時も安定したフォーカシングができる。同社によれば「X-H2Sは積層型センサーの性能を活かした動体撮影/動体追従性に優れ、X-H2は静体への正確なAFに優れる」とのこと。
ボディ内手ブレ補正機構は、5軸・最大7.0段。ファインダー倍率は0.8倍、576万ドット、120フレーム/秒。背面モニターは、バリアングル構造の162万ドット。CFexpress Type BカードとSDカード対応のデュアルスロットを採用した。
外形寸法は、136.3×84.6×92.9mm(幅×奥行き×高さ)。バッテリー、メモリーカード含む重量は、約660g。