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テレビ画面の破損に注意。国民生活センターが4つのアドバイス

画面が破損したテレビの例

国民生活センターは、薄型テレビの画面破損に関する実態調査を実施。画面破損のテスト映像ほか、「テレビの画面に衝撃が加わると表面に傷はなくても内部が割れる」ことや、業者依頼の引っ越し・設置時は「事業者立ち合いの下の動作確認」などをアドバイスする調査結果を公開した。

今回の調査は、同センターが運営する「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」に対し、過去5年あまり(2017年4月~'22年6月)で、823件もの“テレビ画面の破損・故障”に関する相談が寄せられている事を受けて実施したもの。

823件の内訳けは、551件が破損、272件が故障となっており、「テレビの液晶が留守中に割れていた。何かがぶつかったことが原因と言われたが思い当たらない」、「テレビが映らなくなり、液晶画面が割れていることが分かった。外的要因のため保証できないと言われた」、「購入したばかりのテレビに、子どもが何かをぶつけて壊した。保証対象外で修理代が高額である」といった相談が届いたという。

そこで同センターでは、テレビ画面の破損や故障を経験した消費者に対し、アンケート調査を実施。

すると、2割近くの人が「保証期間内であれば破損や故障の原因に関わらず、無償で修理されると考えていた」こと。さらに、2割近くの人が画面割れを経験したことがある一方で、8割が「破損や故障した原因に心当たりがない」と回答。テレビの修理費用は1万円~5万円が最も多く、「中には20万円以上かかるケースもみられた」という。

加えて、約半数が取扱説明書等に記載された注意事項を確認しておらず、約2割の人が、「保証期間内であっても有償修理対応となる条件が保証書に記載されていることを知らない」と答えたという。

また同センターで、テレビ画面の破損や故障に関する調査を行なったところ、以下の結果が得られた。

  • テレビ画面に衝撃が加わると、表面よりも内部が大きく破損することがあるほか、電源を切った状態では破損を認識することができない
  • 取扱説明書には、テレビの設置・移設の際、画面を持たない、握らないなどの注意書きがみられた
  • テレビには放熱のための通風孔や隙間があり、異物や水分が内部に浸入する可能性がある

同様に、テレビの梱包箱や保証書の表示についても調査を実施。

テレビの梱包箱には、ワレモノ、天地無用、衝撃厳禁、横倒厳禁などの表示のほか、画面に触れないように注意する表記やイラストがみられたこと。そして保証書には、使用上の誤りや移設、輸送、落下、火災や天災地変の場合の故障については有償修理になると記載されており、画面破損については無償修理の対象外と明記しているものもあることが確認できたという。

これら調査を踏まえ、同センターでは以下の4つを消費者へのアドバイスとしてまとめた。

消費者へのアドバイス

1. テレビの画面に衝撃が加わると表面に傷はなくても内部が割れることがあります。画面に衝撃を与えないよう十分注意しましょう

2. 事業者に依頼して引っ越しやテレビを設置する場合は、事業者立ち会いの下、テレビの電源を入れて異常がないか確認しましょう。また、配送後はそのまま保管せずに、すぐに状態を確認しましょう

3. テレビの通風孔や隙間に異物や水分が入らないよう注意しましょう

4. 使用上の過失等による画面の破損は一般的な保証では対象に含まれません。テレビ購入の際は保証内容をよく確認し、必要に応じて物損に対応した保証や保険の加入を検討しましょう

実験動画より

同センターのサイトには、ハンディークリーナーを使用中に、誤ってテレビ画面にぶつけてしまい画面が破損する様子を再現したテスト映像も公開。

啓発資料の作成ほか、今回の結果を、消費者庁や内閣府 消費者委員会、経済産業省、日本通信販売協会、電子情報技術産業協会、大手家電流通協会、オンラインマーケットプレイス協議会へ情報提供するとしている。

啓発資料