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デノン&マランツのAVアンプがDirac Live対応。AtmosレイアウトでAuro-3D再生

ディーアンドエムホールディングスは、デノンとマランツブランドのAVアンプに向けた最新ファームウェアを公開した。どちらも室内音響最適化ソリューション「Dirac Live」への対応や、スピーカーレイアウトの柔軟性向上、インターフェースの改善などが含まれている。対象モデルの詳細は後述する。

どちらのブランドの対象製品も、オンライン経由でファームウェア・アップデートができる。

Dirac Liveは、特許取得済みアルゴリズムによって、部屋の特性がサウンドに与える影響を解析し、デジタル処理によってその影響を軽減して、スピーカーが持つ本来の性能を引き出すという室内音響最適化ソリューション。対応機種ではアップデート後、DiracのWebサイトから有料のライセンスを購入することで利用可能になる。

ライセンスは20Hzから500Hzまでの測定および補正に対応する「Dirac Live Room Correction Limited Bandwidth」、20Hzから20kHzまでに対応する「Dirac Live Room Correction Full Bandwidth」の2種類で、価格は259ドルと349ドル。測定には別途、測定用マイクが必要。

トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマットの再生に対応

スピーカーレイアウトの柔軟性向上では、トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマットの再生に対応。従来の対象製品では、Auro-3Dフォーマットを再生する際、壁面上部に設置するフロントハイト、サラウンドハイトおよび試聴位置の真上に設置するトップサラウンドスピーカーが必要だったが、このアップデートにより、天井に設置したトップフロント、トップミドル、トップリアスピーカーを用いたAuro-3Dの再生が可能になる。そのため、Dolby Atmosの推奨スピーカーレイアウトのまま、スピーカーを追加することなく、Auro-3Dのコンテンツを楽しめる。

サラウンドハイトスピーカーを使用したDolby Atmosフォーマットの再生に対応

サラウンドハイトスピーカーを使用したDolby Atmosフォーマットの再生にも対応。トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマット再生と同様に、Auro-3Dの推奨スピーカーレイアウトのまま、スピーカーを追加することなく、Dolby Atmosのコンテンツを楽しめる。

なお、トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマット再生時、トップフロントスピーカー、トップリアスピーカーはフロントハイトスピーカー、サラウンドハイトスピーカーのサウンドを再生。センターハイトスピーカーが設置されていない場合は、トップフロントスピーカーからセンターハイトスピーカーの、トップミドルスピーカーからはトップサラウンドスピーカーのサウンドが再生される。

サラウンドハイトスピーカーを使用したDolby Atmos再生時は、サラウンドハイトスピーカーが、リアハイトスピーカーのサウンドを再生する。

手動でのスピーカー設定や、自動設定の内容を変更する「マニュアルセットアップ」のインターフェース、設定項目も改善。「アンプの割り当て」、「スピーカー構成」、「スピーカーの接続」の設定項目が1画面に集約されたほか、「スピーカーの構成」と「クロスオーバー周波数」の設定の統合、「LFEの設定」や「フロントスピーカーのA/B切り替え」、「2チャンネル再生の設定」など、使用頻度の低い項目が「アドバンス設定」に集約された。

CINEMA 70sに「プリアンプモード」が追加される

また、マランツの「CINEMA 70s」には「プリアンプモード」が追加される。同モードに設定すると、CINEMA 70sは、7chすべての内蔵パワーアンプの動作が停止し、プリアウトからの出力のみを行なうようになる。

そのほか、マランツの「AV 10」と「CINEMA 40」、「CINEMA 50」、「CINEMA 70s」は、プリメインアンプへの「電源オン/オフ」コマンドの送信に対応。これまではリモートコントロールケーブルで接続されたマランツのパワーアンプに対してのみ「電源オン」および「電源オフ」のコマンドが送信できたが、アップデートにより、プリメインアンプに対しても同様のコマンドが送信可能に。「MODEL 30」などのプリメインアンプをパワーアンプとして使用している場合も、個別に電源オン/オフの操作をする必要がなくなった。

各アップデートの対象製品は次のとおり。

デノン

  • Dirac Liveに対応
    AVサラウンドアンプ:AVC-A1H
    AVサラウンドレシーバー:AVR-X4800H、AVR-X3800H
  • トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマットの再生に対応
    AVサラウンドアンプ:AVC-A1H、AVC-A110、AVC-X8500HA、AVC-X8500H、AVC-X6700H
    AVサラウンドレシーバー:AVR-X4800H、AVR-X3800H
  • サラウンドハイトスピーカーを使用したDolby Atmosフォーマットの再生に対応
    AVサラウンドアンプ:AVC-A1H、AVC-A110、AVC-X8500HA、AVC-X8500H、AVC-X6700H
    AVサラウンドレシーバー:AVR-X4800H、AVR-X3800H
  • マニュアルスピーカーセットアップのインターフェースを改善
    AVサラウンドアンプ:AVC-A1H
    AVサラウンドレシーバー:AVR-X4800H、AVR-X3800H、AVR-X2800H

マランツ

  • Dirac Liveに対応
    AVプリアンプ:AV 10
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 40、CINEMA 50
  • トップスピーカーを使用したAuro-3Dフォーマットの再生に対応
    AVプリアンプ:AV 10、AV8805A、AV8805
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 40、CINEMA 50、SR8015
  • サラウンドハイトスピーカーを使用したDolby Atmosフォーマットの再生に対応
    AVプリアンプ:AV 10、AV8805A、AV8805
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 40、CINEMA 50、SR8015
  • マニュアルスピーカーセットアップのインターフェースを改善
    AVプリアンプ:AV 10
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 40、CINEMA 50、CINEMA 70s
  • CINEMA 70sに「プリアンプモード」を追加
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 70s
  • プリメインアンプへの「電源オン/オフ」コマンドの送信に対応
    AVプリアンプ:AV 10
    AVサラウンドレシーバー:CINEMA 40、CINEMA 50、CINEMA 70s