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ソナス・ファベール、ミッドとツイーターが密閉型の「Serafino G2」。約430万円
2023年9月4日 13:00
ノアは、ソナス・ファベールのフロア型スピーカー「Serafino G2」を発売した。価格はペアで429万円。3.5ウェイ、4スピーカーのバスレフ方式。仕上げはAidaIIにも採用されているWenge(ウェンゲ/グロス・フィニッシュ)、Red(レッド/グロス・フィニッシュ)以外に、新たにGraphite(グラファイト/グロス・フィニッシュ)を追加している。
キャビネットの側面に 上位モデルで採用されているプライウッド構造を継承。厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて8層に積層させ、プレス機で加圧。「美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形した」という。
側板の突板同士の接合部にはクリア・メイプルをダンピング素材として挟み込んでおり、デザインアクセントを持たせながら、異種木材の組み合わせによって木の響きを活かしつつ不要振動を排除する同社の木工加工技術が盛り込まれている。
バスレフのダクトに適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールする「Stealth Ultraflex」機構を継承。ポート部分はアルミニウム押し出し成形により堅牢に作られており、歪の原因となる、ポートから排出される気流の乱れを波状のポート出口構造で最適化。ノイズを抑制している。
天然木のキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートを上下に取り付け、挟み込む独自構造エキソ・スケルトン・クランプも採用。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域域の再生を実現するという。
床面からの振動伝播とキャビネット全体をデカップリングする手法として、“Z.V.T.”テクノロジーも踏襲。金属でエラストマー樹脂を挟み込むサイレントスパイクを搭載している。
さらに、ミッドレンジとツイーターのチャンバーを密閉型とし、特殊な加工を施しながら厳選した吸音材の選定と配置をする事で、内部のインピーダンス・ピークは大幅に減少させ、ドライバーは効率的に駆動するIntono Technologyも投入。クロスオーバー・ネットワークのパーツをシンプルにする事にも繋がり、中高域の余分な着色のない純度の高い再生を実現するという。
ツイーターは28mm径アローポイントDAD搭載シルク・ソフトドーム。強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームに搭載しており、頂点を部分的にダンピングさせる事で、振動板の逆相挙動を抑制。高域の透明感、伸びやかさをより発揮させる独自のDAD(Damped Apex Dome)テクノロジーを使っている。
ツイーター背面には、フラッグシップ・モデル「AidaII」にも採用された専用の木製チェンバーを搭載。ドライバー駆動時に発生する気流を制御し、レーザーエッチング加工による複雑な音響迷路を形成する内部構造により、透明でありながら力感のある、高純度な高域再生に寄与するという。
ミッドレンジは、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自ダイアフラムを採用。サイズは150mm径。強力なネオジム・マグネットと、銅クラッド・アルミニウム巻線(CCAW)で構成されたムービングコイルも採用。スパイダーには高耐久なBIMAX特殊素材を使用、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレームとなっている。
180mm径のウーファーには、自然乾燥させたセルロース・パルプシート2枚の間にシンタクティック・フォームを挟み込む構造により、軽量で高い応答性かつ高剛性を実現した振動板を採用。こちらもダンパーは高耐久なBIMAX特殊素材、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレーム。
クロスオーバー・ネットワークAidaIIにも採用されている「PARACROSS TOPOLOGY(位相幾何学)」と、新開発「Interactive Fusion Filtering」に基づく設計を採用。各ドライバー・ユニットの振幅、位相特性、空間/時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御してアンプとのマッチングに配慮している。
パーツも厳選、Jantzen製インダクター、Clality Capとのカスタムメイドパーツ、MUNDORF製高品位パーツを、幾度もリスニングテストを重ね厳選した。
周波数特性は30Hz~35kHzで、クロスオーバー周波数は200Hz、250Hz、2.4kHz。出力音圧レベルは90dB SPL(2.83V/1m)。公称インピーダンスは4Ω。スピーカー端子はバイワイヤリング対応。外形寸法は396×489×1,094mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は48.5kg。