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「ゲームや映像をいつでも、どこでも」。スマートグラス「VITURE One」

「VITURE One」

VITUREは6月27日、Makuakeにて先行予約販売プロジェクトを行なっているスマートグラス「VITURE One」の国内製品体験会を開催した。体験会には同社創設者のGonglue Jiang氏も登壇し、「エンターテインメントをいつでも、どこでも体験できる製品」とVITURE Oneの魅力を語った。

オプションのネックバンド
オプションの「VITURE Oneモバイルドック」
モバイルドックをNintendo Switchに接続したところ

VITURE Oneは、ゲームや映像を、どこでも大画面・高画質・高音質で楽しめるというXR型スマートグラス。オプションとして大容量バッテリー内蔵のモバイルドック、Androidベースの独自OSを搭載したネックバンドが用意されており、これらを使うことでPlayStation 5やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機や、各動画配信サービスのアプリを使うことができる。

スマートグラス単体の一般発売価格は74,880円の予定だが、数量限定で20% OFFなどのプランを用意。モバイルドック付きモデルの一般販売予定価格は96,880円、ネックバンド付きモデルは同102,280円、両方をセットにしたモデルは123,880円の予定で、それぞれに数量限定割引プランが用意されている。詳しいスペックや使用感などは、過去の記事や、連載「西田宗千佳のRandomTracking」第551回で詳報している。

Gonglue Jiang氏

このスマートグラスを展開するVITUREは、「モバイルエンターテイメント業界に“真の変革”をもたらすオーディオ&ビジュアル製品の創造を目指す」というビジョンのもと、2021年にアメリカ・カリフォルニアで創業した。

創設者のJiang氏はGoogleでスマートグラス「Google Glass」やGoogle Material Designなどのプロジェクトに参画。その後はMicrosoft Research、MIT Media Lab、Google XでXRやHCIの研究に従事するなど、XRの研究開発および製品化において10年以上の経験を持っている。

グラス本体に度数調整ダイヤルを搭載
ハーマンインターナショナルと共同開発した空間オーディオシステムを搭載

そんなJiang氏は、「VITURE Oneは、今市場にあるコンテンツを体験していただくのはもちろん、新しいコンテンツを体験するという意味で、この分野の窓口を広げる製品だと思っている」と製品の立ち位置を表現する。

「ユーザーの体験を最優先して、毎日遊んでもらえる、毎日使っても飽きないデバイスを作ろうと思いました。VITURE Oneユーザーは、平均すると毎日2時間ほど、このグラスを使ってくれています。これは私たちが目指してきたものが達成されているという証です」

カラーはMATTE INDIGOとJET BLACKの2色を用意

メガネ型のディスプレイは競合製品が増えてきているが、それらライバル製品との違いとして、Jiang氏はネックバンドの存在を挙げる。上述のとおり、ネックバンドにはAndroidベースのOSが搭載されており、Androidアプリ経由で動画配信サービスを視聴したり、自宅のPS5をネット経由でリモートプレイしたり、AirPlay・Miracast対応アプリを使って、スマートフォンの画面を転送したりできる。

「このネックバンドはシンプルなものに見えますが、内部にはCPUや冷却ファン、バッテリーなどが組み込まれていて、これらすべてのパーツを盛り込んで高効率に動作させるのは大変でした」

現状ネックバンドとAirPlay・Miracastするスマホはワイヤレス接続できているものの、ネックバンドとスマートグラスの接続には有線ケーブルを使っているため、「ネックバンド自体を小型化して、かつスマートグラスとの間を無線化するのが将来的なビジョン」だという。

メガネ型ディスプレイやヘッドマウントディスプレイ(HMD)としては、先日アップルが“空間コンピューター”と題して「Apple Vision Pro」を発表、Metaも新型HMD「Meta Quest 3」の今秋発売を予告するなど、活気を帯びている。

こういったライバル企業の動きについて、Jiang氏は「最近、アップルが新製品を発表したことはご存知だと思います。彼らがトレンドと引っ張っていくと信じていますし、私たちも、このトレンドに乗って、より多くの人に体験を提供していきたいと思います。今のVITURE Oneが提供できるのは、ゲームや映像コンテンツなどのエンタメを、いつでも、どこでも体験できるものという体験です」と語った。

「競合製品のなかに、今のところVITURE Oneのように没入型で、ユーザーに良い体験を提供できている製品はないと思っています。トレンドとしてもUnreal EngineやUnityなどの3D関連の技術・コンテンツが急成長していくなかで、私たちの製品がそれらを体験する上で必要なものになっていくと考えています」

VITURE Oneを体験してみた

VITURE Oneを装着している様子

体験会場には、Steeam DeckやNintendo Switch、PlayStation 5などが用意され、さまざまなゲームをプレイできたほか、モバイルドック不要でiPhoneと有線接続してコンテンツを楽しめる追加オプション「VITURE One iPhone用アダプター」も用意されていた。一般販売予定価格は13,580円。

「VITURE One iPhone用アダプター」

実際にVITURE Oneを装着してみると、普通のメガネと比べると、ディスプレイや視度調整機能などが盛り込まれている分、“レンズ部分”に重みがあり、着け始めはややフロントヘビーに感じられたが、5~10分程度で慣れることができた。

今回はSteeam Deckと有線接続して「ELDEN RING」、ネックバンドを使ったリモートプレイでPS5の「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」をプレイしてみた。字幕など細かい文字は少し読みづらさを感じたものの、画面の発色は良く、激しい動きをしても残像感などは感じなかった。

メガネのツル部分には、ハーマンインターナショナルと共同開発した空間オーディオシステムを搭載されており、耳穴を塞がずにサウンドも楽しめる。ゲーム音を聴いてみると、やはり低音は抜けてしまうため迫力には欠けるが、ゲームキャラの会話は聞き取りやすく、リラックスしながらゆったりとゲームを遊ぶにはちょうどいいサウンドに感じられた。

ちなみに、ネックバンドはBluetooth 5.0対応で、イヤフォンやコントローラー、キーボード、マウスなどを接続することができるので、完全ワイヤレスイヤフォンを組み合わせて、より没入感のあるゲームプレイや映像視聴もできる。