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XREAL、ワイヤレスでスマホ接続「XREAL Beam」披露

「XREAL Beam」

日本Xreal(旧Nreal)は、6月28日に東京ビッグサイトで開幕した「第3回 XR総合展【夏】」に出展し、他デバイスからのビデオ入力をARグラス「XREAL Air(旧Nreal Air)」に出力できるリモコン型デバイス「XREAL Beam」の先行体験イベントを開催した。

Joshua Yeo氏

先行体験イベントには、Xreal副社長兼日本Xreal代表取締役のJoshua Yeo氏が登壇。Xreal AirがグローバルのAR市場でシェア率37%、全世界のコンシューマー向け市場でシェア率57%を獲得していると明かすとともに、Xreal Air使用時に「3DoFで空間に画面を固定したい」「画面サイズの調整がしたい」「スマートフォンの機種に関係なく使いたい」「使いながらスマートフォンを充電したい」「ワイヤレスで使いたい」という要望が多かったと語った。

そして、これらの要望に応える製品としてXREAL Beamを紹介した。4,870mAhのバッテリーを内蔵したリモコン型デバイスで、現在予約を受付中。一般販売時の価格は16,980円だが、予約販売の価格は15,980円。製品は7月後半に発送予定。

本体底面にUSB Type-Cポートを2基搭載。右側がXREAL Air接続用
XREAL Beamに直接Switchを接続できる

デバイス接続用とXREAL Air接続用として、USB Type-Cポートを計2基備える。例えばNintendo Switchの映像をXREAL Airに表示する際、これまではHDMI入力を備えた別売りの「XREAL Adapter(旧Nreal Adapter)」を用意する必要があったが、XREAL Beamを使えばSwitchをのUSB Type-Cポートと有線接続して、XREAL Airに画面を表示してゲームを楽しめる。

またiPhoneやAndroidなどのスマートフォン、タブレット、PCの映像をワイヤレスで送信することも可能。これまでiPhoneとXREAL Airを組み合わせる場合は、上述のアダプターとアップル純正の「Lightning Digital AV Adapter」を用意する必要があったが、XREAL BeamではLightning Digital AV Adapterが不要となり、かつワイヤレスで接続が可能になる。またスマホ自体のポートは使わないため、スマホを充電しながらXREAL Airを使うことも可能になる。

3つの表示モード
左側面に表示モード切り替えに使うボタンを装備

また、XREAL Beamを使うと3つの表示モードとして、XREAL Air上で特定の位置に画面を固定するモード、首の動きに画面が追従するモード、視界を妨げず四隅のいずれかに小さく画面を表示する「サイドスクリーン」を利用可能。表示モードはXREAL Beam側面のボタンで切り替えられる。

右側面には音量調整ボタンを備える
iPhone 13 Proと並べたところ

XREAL Beamには上下左右方向に操作できるカーソルボタンや決定ボタンなどを備え、これらのボタンを使ってXREAL Air上に表示する画面のサイズや表示距離なども可能。そのほか本体には戻るボタン、音量調整ボタン、電源ボタンを備える。

「XREAL Air」

XREAL Beamのバッテリー持続時間は3.5時間。Nintendo Switchを接続した場合は「2.5時間程度」だという。また7月中にはXreal Airが2D映像の120Hz表示、3D映像の90Hz表示に対応予定であることなども発表された。

XREAL Beamを使ってみた

ブースでは回転寿司のような展示を展開
お皿に乗っているのがXREAL Beam

実際にXREAL Beamを使ってみた。3種類ある表示モードは、側面のボタンを押すだけのシンプルな操作で切り替えられ、ボタンをダブルクリックすれば画面サイズと距離の調整ができる。

特に便利さを感じたのはサイドスクリーン。これを使うことでXREAL Air上の画面を、上下左右の端に、まるでテレビ番組の“ワイプ”のように表示できる。このモードを活用すれば、ゲームや映画などを視聴しながら、別の作業が可能で、会場では「映画を観ていたらビールを飲みきってしまったので、サイドスクリーンに表示を変更。映画を観続けながら、冷蔵庫に向かって新しいビールを取り出す」というデモ映像が紹介されていた。

ちなみに今回はXREAL BeamとiPhoneをワイヤレス接続(AirPlay)して試用したのだが、現時点でAirPlayできる動画配信サービスはTVerとABEMAのみで、YouTubeはアプリ版ではなく、ブラウザ経由で視聴する形とのこと。なおリリース後のファームウェアアップデートにより、XREAL Beam自体に一部ストリーミングアプリを直接インストールすることも可能になる予定。

レノボのハイエンドHMDも

そのほかXR総合展【夏】には、レノボ・ジャパンがブースを出展。6月27日に発表したエンタープライズ向けのハイエンドVRヘッドセット「ThinkReality VRX」やメガネ型の「ThinkReality A3」を展示していた。ThinkReality VRXはインサイドアウト型トラッキングで6DoFに対応したHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で、8月1日に発売。価格は209,000円。エンタープライズ向けだが、一般ユーザーでも購入できるという。

レノボのエンタープライズ向けVRヘッドセット「ThinkReality VRX」
メガネ型の「ThinkReality A3」