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GACKT「今回大阪はただの悪者」。「翔んで埼玉II」大ヒット記念舞台挨拶

「大ヒット御礼舞台挨拶 ~大阪へ愛をこめて~上映会」の様子
(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

公開中の映画「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」の大ヒットと関西エリアでの公開初日興行収入が前作比で330%を記録したことを記念し、主演のGACKT(麻実麗役)など6名が登壇した「大ヒット御礼舞台挨拶 ~大阪へ愛をこめて~上映会」が、12月4日に大阪のT・ジョイ梅田で開催された。

舞台挨拶にはGACKTのほか、加藤諒(下川信男役)、益若つばさ(おかよ役)、アキラ100%(内田智治役)、モモコ(ハイヒール)(元大阪府知事役)、藤原紀香(神戸市長役)の6名が登壇し、本編上映前に実施。豪華キャスト陣が登壇すると、客席からは感嘆の声が上がり、キャスト陣も興奮が止まない満席の客席に、それぞれ思い思いの笑顔とリアクションで応えた。

2019年、魔夜峰央(まやみねお)の原作「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」(宝島社/累計発行部数72万部)を二階堂ふみ・GACKTという強烈な個性を放つ主演二人により実写化し、興行収入37.6億円を叩き出した映画「翔んで埼玉」。

舞台挨拶に登壇したキャストたち
(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

その続編となる今作で、引き続き埼玉解放戦線リーダー・麻実を演じたGACKTは、「今日は皆さん、こうやって集まっていただきありがとうござます。麻実麗役を演じましたGACKTです……。何を話せば……」と少し興奮した様子で笑顔を見せ、最初のあいさつに代えた。

埼玉解放戦線員である下川信男を演じた加藤は「埼玉県人が大阪に来ていいのだろうかと、アウェーな空気になっていますが、今日は大阪の空気をいっぱい吸って帰りたいなと思っています!」と、普段馴染みのない大阪を精一杯楽しみたいと挨拶。

同じく、埼玉解放戦線員おかよを演じた益若つばさは「埼玉県越谷市生まれなのですが、まさか翔んで埼玉が関西にやってくるとは思いませんでした。前作はかなり埼玉がディスられているんですけど、今作はかなり関西の方に飛び火してますので、覚悟してご覧になってください……!」と上映前の観客を盛り上げた。

現代パートに登場する埼玉県人内田智治を演じたアキラ100%は、お馴染みの“お盆の芸”を披露し、「よいしょ!」と表を向いたお盆には“〇さ”の文字が! アキラ100%らしい挨拶で会場の笑いを誘った。

元大阪府知事を演じるモモコは、「元大阪府知事なんて大それたことをすると思いませんでした、ただの元暴走族です」と爆笑をかっさらい、「一生懸命やりました。そしてセリフはオールカットされました!」とさらに畳みかけ会場はドッと揺れるような笑いに包まれる。

そして、神戸市長を演じた藤原は「加藤さんがさっきアウェーやって言っていましたけど、関西の方は寛容なので全然ウェルカムだと思います。でもちょっと厳しいところもあって、私は正式には西宮生まれなので、あの人西宮やのに神戸市長言うてるわ! ていう人いっぱいいると思うのですけど!」とご当地ネタで関西人に伝わる笑いをかっさらった。

GACKT「前作はヒエラルキーがあったが、今回大阪はただの悪者」

公開初日の興行収入が前作比160%(全国エリア)のロケットスタートとなったこと、さらに、公開初日の関西エリアの興行収入が330%という驚異的な数字を記録したことを受け、GACKTは「3.3倍の人が観に来ている事と(ディスっている事で)敵に回していないかはイコールではないですよね……。前作はヒエラルキーがありましたけど、今回大阪はただの悪者になっています」と関西好調の成績を聞いてもなお、いまだ心配が晴れない様子で大阪人の反応を探りつつ、しっかりと笑いを取った。

加藤は「関西弁を喋ったり、関西に根付いたギャグをしたから、ビビってはいます」とやはりこちらも大阪人からのリアクションが気になる様子……。益若は滋賀県での前作対比の興行成績が約1,000%であることを挙げ、「私たちの想像以上の盛り上がりで凄く嬉しいです」と素直に驚きを見せ、関西弁の指導をモモコ(ハイヒール)に受けたことに感謝を述べつつも、「私の関西弁がイマイチだったらモモコさんのせい…」としっかりオチを付けた。これにはモモコも「私のせい!? ほめてくれる話ちゃうの!?」とツッコみ、笑いのテクニックと仲の良さを観客に見せつけた。

また、益若は「梅田ダンジョン」にまつわるセリフを一人で端の方で独り言のように何度も繰り返していたことをGACKTに暴露され、GACKTの益若モノマネは観客にも大盛況で拍手と爆笑が起こった。

麻実麗役のGACKT(左)と神戸市長役の藤原紀香(右)
(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

公開2週目を迎え、週末明け時点で興行収入は11億円を突破。関西への愛ある「ディス」も話題になっている本作について、周りからの反響を聞かれた藤原は「やっぱりありましたね。ネタバレにならない様に言いますと……」と少し思案してから、「和歌山、奈良、滋賀の方々のことをディスらなきゃいけないので、全国に向けて色んな人が来たら嬉しいなあ! という思いで思いっきりディスらさせてもらいました」と今作を象徴するような、愛あるディスをまさに表現する言葉を残した。

モモコは「初日観に行ったのですけど、すっごい人でビックリしました。上映回数アホちゃうかと思いました。でも皆さんいっぱい入ってくれて嬉しかったです」と素直な喜びと感謝を伝えた。アキラは父親が滋賀県出身で、母親が埼玉県出身であることを告白し、「僕はこの映画のために生まれてきたんじゃないかと、お袋がめちゃくちゃ喜んでて嬉しかったです」と一番近いファンからの温かい反応を明かした。

モモコが「知事も観たって言うてましたよ! 僕あんなんと絶対ちゃうって言うてはりましたけど!」と現実の大阪府知事である吉村府知事の話題を出すと、藤原も「(片岡)愛之助にもそういうクレーム入ってました! (愛之助が)知事の役をやるんですよ、って公開1か月前くらいに言うてたんですけど、絶対観に行きますね! と言って知事さんはすぐ観てくださって、めちゃめちゃ悪モンやったやないですかッ! ってクレームが」と作中で大阪府知事役として夫婦共演を果たした片岡愛之助のエピソードを暴露し、観客からは和やかな笑いが起こった。

上映前という事でネタバレは控えつつ、これから映画を鑑賞する人、もう一度観たい人に注目してほしいポイントを聞かれたGACKTは「いい表現で言うとオマージュ、普通に言うとパクリですね」とひと笑いをかっさらいつつ、「(パクリが)沢山入っているので、いくつパクリが入っているのか数えていただくのはアリなんじゃないかと……。後こういう作品を作るときって許可を取るのが普通なんですけど、ほとんど許可を取っていない。(監督が)未だにクレームが入ってないと喜んでましたから、ボクは訴えられると思ってます。ボクの予想ではあと2週間くらいで公開中止になると思う」と自虐ネタたっぷりで、本作の“ぶっ翔びよう”がいかに凄まじいのかを熱をこめて語った。

藤原は「(愛之助との)結婚後の2人の共演は初でしたのでそこのシーンを楽しんでほしい、凄く仲の悪い役だったのでお芝居はやりやすかった」と普段のお二人のイメージからは想像できない演技に注目してほしいと盛り上げた。モモコは「そこにその人おった!?みたいなのがいっぱい出てるんですよ。なので最後までしっかりゆっくりじっくり観て欲しい」と出演者が豪華すぎる今作だからこその楽しみ方を紹介。

加藤は「埼玉ポーズ間違えている人がいて……! 埼玉解放戦線の中に一人だけいて、それ見つけたら凄いです!」と共演者さえも気づかないコアなネタを紹介し、会場をざわめかせる。益若は「埼玉はこういうところだよ、と予備知識として」と埼玉県出身の生い立ちを存分に活かし、「埼玉には海が無い……しらこばと水上公園というプールに毎年行っていた……海に行くとなったら茨城の大洗か千葉の九十九里浜で砂が凄く黒い……私は今でも泳げない……おうちには必ず草加せんべいと十万石饅頭があり……11月14日は埼玉県民の日はみんなディズニーランドに行きます」と怒涛の埼玉県あるあるを披露し、観る前に知っておいて欲しい予備知識をこれでもかと観客の頭に刻み込んだ。

アキラは「現代パートには埼玉県内あるあるが登場しますが、その中にも大阪の描写がありそこに注目してほしい」と今作の伝説パートと現代パートという特殊な構造を挙げてさらに意欲を煽った。

大ヒット記念で鏡開きも

イベントでは映画の大ヒット、関西エリアでの前作対比330%という驚異のロケットスタートを祝して鏡開きも実施。「翔んで埼玉」特別仕様の樽がステージ前に準備されると、6人はそれぞれ木槌を手にMCの「『翔んで埼玉』大ヒット! おめでとうございます!」という言葉に続き、「おおきに~!」と勢いよく樽を割った。

(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

樽の中にはなんとたこ焼きを模したたこ焼きボールが! 6人はそこにサインを書き込み、映画を観に来た関西のファンへの感謝をこめて、観客に手投げでプレゼント。6人が各々のサインを書きこんだ際には、GACKTが本日の日付(12/4)を誤って11月と書いてしまったことを加藤・益若が目ざとく見つけ、GACKTもまいったと言わんばかりに大笑いするという、前作からの絆を感じさせる場面もあった。

会場にはたこ焼きが飛び交い、未だかつて見た事の無い光景にキャストも観客も大興奮。さらに、もう一つおまけにと6人の手に握られたたこ焼きボールはなんと作中にも登場する「くくる」のたこ焼き無料券付きという太っ腹。キャストからもう一度たこ焼きボールが投げられると、大阪人は大歓喜でたこ焼きボールをキャッチ。過去例を見ない舞台挨拶でのサインボールの演出に会場は驚きと熱狂に包まれた。

最後に、キャストを代表してGACKTが「今回はパート1(『翔んで埼玉』)に比べてかなりスケールアップしております。モモコさんもさっきおっしゃっていたようにエンドロールにいろんな方のお名前が出て来ます。ボクもエンドロールを見てアキラさんが出ているのを知りました」とおどけ、すっかり温かくなった会場に笑いを起こすと、「他にも有名な方の無駄使いが凄いです」とすかさず自虐ネタを入れ込み、「今日はゆっくりと堪能して、面白いところでは大声で、皆さん赤の他人だと思いますが、他人と、全然知らない人たちと笑いを共有して笑って、幸せな気持ちになるってなかなか経験することも無いと思うので、ここでめいいっぱい楽しんでもらえればなと思います。今日は本当にありがとうございました」という愛にあふれた言葉で最後の挨拶を締めくくり、関西での大ヒットを支えた大阪での大ヒット御礼舞台挨拶は幕を下ろした。