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FIIO、AKM最上位セパレートDACシステム採用ヘッドフォンアンプ「K9 AKM」

「K9 AKM」

エミライは、FIIOブランドより、旭化成エレクトロニクス(AKM)のオーディオ向けDACチップのフラッグシップシステム「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載したUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「K9 AKM」を、1月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は89,100円前後。

DACチップ以外のオーディオ回路や基板レイアウトなどは、シリーズ最上位モデルである「K9 Pro ESS」と共通の設計を採用したハイパフォーマンスモデル。

THXと共同開発したヘッドフォンアンプ回路「THX-AAA 788+」やデュアルクロック管理技術、ADCボリュームコントロールといった主要設計や技術を上位機種と共通採用しつつ、DACチップなど搭載コンポーネントを変更することで、パフォーマンスを維持しながら低価格化を果たした。

DACチップ「AK4191EQ+AK4499EX」は、デジタルフィルターとΔΣ変調を担当するAK4191EQと、アナログDACを担当するAK4499EXからなるセパレートDAC方式を採用。デジタル処理とアナログ処理という性質のまったく異なる機能をチップレベルで分離することに加え、抵抗素子の個体差を平準化する「DWA Routing Technology」を組み合わせることで、チップレベルでのS/N比を向上させたという。

アンプ回路「THX-AAA 788+」は透明性の高い、ピュアなサウンドを提供することを理想に掲げて設計された「THX-AAA 788」回路をベースに、FIIOとTHXが共同で開発したもの。このアンプ回路を左右のチャンネルあたり1基ずつ、合計2基搭載することで、低歪みながら32Ω負荷時で最大2,000mW、300Ω負荷時に最大780mWの高出力を両立した。

オーディオ回路は、DACからボリュームコントロール、ヘッドフォンアンプに至るまで、フルバランス構成を採用。回路はDAC、ローパスフィルタ、ボリュームコントロール、バッファアンプ、プリアンプ、ヘッドフォンアンプの6ブロックに分けられており、「据え置き製品らしい雄大さと細やかなディテール表現を両立したサウンドを実現するために、各ブロック毎に入念に設計されている」という。

USBデコードチップは、XMOS製「XUF208」で、最大768kHz/32bitまでのPCMと、DSD 512のネイティブ再生に対応。二系統の超高精度水晶発振器も搭載し、信号忠実性の高いD/Aコンバートを実行するとのこと。

電源トランスは4つの4,700uF大容量コンデンサと組み合わせられ、内部のオーディオ回路にクリーンな電源供給を行なう。また、デジタル部とアナログ部の各回路にそれぞれ独立した電源供給を行なうことで、音質に悪影響を及ぼす電源ノイズを抑制すると同時に、各ブロック間の相互干渉も抑制する。

さらに回路上の各ブロックには低ノイズLDOによってクリーンな状態に保たれており、それぞれ適切な量に昇圧された電力を供給するなど、「この徹底した電源供給設計によって、高いS/N感と重厚な音像表現を実現した」という。

ボリュームノブの回転変化量をAD変換した値に基づいて、ボリュームICを制御し音量を調節するADCボリュームコントロール機能も装備。120段階の細やかな音量調整ができつつ、アナログボリュームの問題点である左右の音量差やノイズを排除している。

本体側面にUSB Type-Cポートを装備
本体背面

入力はUSB Type-B、同軸デジタル、光デジタル、4.4mmバランス、RCAラインを装備。またK9 Pro ESSと同じく、本体側面にUSB Type-Cも備え、ポータブルデバイスと簡単に接続できる。同軸デジタルの対応サンプリングレートは192kHz/24bit、光デジタルは96kHz/24bit。

ヘッドフォン出力は4.4mmバランスと4ピンXLRバランス、6.35mmシングルエンド。RCAライン、3ピンXLRバランス出力も備える。

Qualcomm製のBluetooth SoC「QCC5124」を搭載し、Bluetoothレシーバーとしても利用可能。Bluetooth 5.1対応で、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、aptX Adaptive、LDACをサポートする。

各入力の切り替えは本体前面のINPUTスイッチで操作可能。そのほか前面には出力モードやゲインの切り替えスイッチも備える。

ボリュームノブ周囲にはRGBインジケーターライトを備え、再生しているファイルのサンプリングレートやBluetoothの接続コーデックを色で表示する。スマートフォン向けのFIIOコントロールアプリからは、LED表示設定のほか、デジタルフィルターやイコライザー、チャンネルバランス変更などが可能。

UAC1.0と2.0の両規格に対応しており、家庭用ゲーム機も含めたさまざまな機器と接続可能。接続モードの切り替えにも、上述のFIIOコントロールアプリを使用する。

縦置きもできる

筐体はアルミニウム合金を素材に、ストレッチ加工やCNC加工して成形された部品を組み立て、高剛性と高級感ある仕上げを両立。付属のスタンドを使えば、縦置きもできる。内部には加熱、過負荷、過電圧から製品を保護する安全装置も搭載している。

脚部を除いた外形寸法は200×72×224.5mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約2,660g。AC電源ケーブルやUSB Type-A to Type-Bケーブル、6.35mm to 3.5mm変換アダプターなどが付属する。