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FiiO、ESSのデュアルDACになったヘッドフォンアンプ「K9 Pro ESS」
2022年4月8日 10:00
エミライは、FiiO Electronicsの新製品として、DACチップをAKM「AK4499EQ」からESSの「ES9038PRO」に変更し、同DACチップをデュアル構成で搭載した据え置きヘッドフォンアンプ/DACの最上級モデル「K9 Pro ESS」を4月15日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は129,250円前後。
限定生産で発売さた「K9 Pro LTD」の基本コンセプトを踏襲しながら、DACチップをESS Technologyのフラッグシップ「ES9038PRO」デュアル構成に変更した製品。K9 Pro LTDとは異なり、限定生産ではない。
ES9038PROは1基あたり8ch分のDAC回路を搭載している。これをデュアルで搭載する事で、本来別々に機能する8ch分の回路をすべて片チャンネルのためだけに使用。非常に高い出力を持たせながらも、K9 Pro LTDと比較してS/N比が123dBから129dBへと向上、THD+Nは0.0003%以下から0.00025%以下へと向上し、「極めて低ノイズかつ歪みのないオーディオ再生を実現した」という。
ヘッドフォンアンプの回路は「THX AAA 788+」。高能率から低能率まで、様々なヘッドフォンに理想的なディテールとダイナミクスを提供するために、「THX AAA 788回路をベースに、FiiOとTHXが共同で新開発した」という。
このアンプを左右チャンネルあたり1基ずつ、合計2基搭載。オリジナルのTHX AAA-788回路と比較して50%以上増加した出力を持ちつつ、放熱効率も向上。ハイインピーダンス負荷を駆動する際には最大52Vppを出力でき、ローインピーダンス負荷を駆動する際には2,100mW(バランス出力時)まで歪みなく出力できる。
4チャンネルDAC、4チャンネルボリューム調整、4チャンネルアンプそれぞれに差動信号を流す完全バランス設計を徹底。完全バランス設計により、各コンポーネント間の干渉を最小限に抑え、「音楽の繊細さや音圧の強弱の変化を忠実に再現することで、圧倒的な音質を実現する」という。
デジタル入力はUSB-B×1、USB-C×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1を搭載。Bluetooth受信も可能。アナログ入力は、4.4mmバランスライン×1、RCAライン×1を装備。
アナログ出力は、XLRバランスライン×1、RCAライン×1。ヘッドフォン出力として、4ピンXLRバランス×1、4.4mmバランス×1、6.3mmシングルエンド×1を備える。
最新世代のXMOSチップ「XUF208」を搭載し、デュアルモードのクロック管理技術をサポート。USBおよびBluetoothのデコーディングでは、アシンクロナス動作のデュアル・フェムトクロックを使用し、光デジタル信号および同軸デジタル信号のデコードでは、高精度PLLクロックを活用する。
MQA Renderer機能もサポート。MQAコア・デコードに対応する機器と組み合わせることで、CDクオリティーに格納されたハイレゾ・オーディオデータを展開し、MQAの理想とする音質で聴くことができる。
Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/aptX/aptX HD/aptX LL/aptX Adaptive/LDACに対応。Qualcomm製の「QCC5124」を搭載している。Bluetooth Low Energy(BLE)にも対応し、Bluetoothモードでないときでもアプリの「Fiio Control App」を使い、チャンネルバランスやスリープタイマーなどの機能をコントロール可能。
ボリュームコントロール部分には、ADC方式による音量調整機構を採用。一般的なボリュームでは、可変抵抗に直接音楽信号を流し、抵抗の増減で音量調整を行なうが、ADCボリュームコントロールは、ノブの回転変化量をAD変換した値に基づいてアナログボリュームICを制御。可変抵抗で問題となる左右の音量差(ギャングエラー)を排除しながら、デジタルボリュームにありがちなダイヤル操作による感覚とのズレを低減している。
K9 Pro ESSでは、ハイゲイン、ミディアムゲイン、ローゲインの3つのゲインを切り替え可能。ヘッドフォンの推奨インピーダンスは16~600Ω。出力は、32Ω:≥2100mW(バランス、アンバランス)、300Ω:≥1,100mW(バランス)、≥281mW(アンバランス)。
筐体はオールアルミニウム合金にブラックアルマイト処理とサンドブラスト加工を施し、高い質感を実現。ステンレススチール製のボリュームノブは、K9 Pro LTDのシルバーフィニッシュからゴールドフィニッシュへ変更。ボリュームノブを囲むRGBインジケーターライトは、再生中のサンプリングレートに応じて異なる色で点灯する。
外形寸法は200×224.5×72mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.7kg。