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休刊した「レコード芸術」をウェブ復活させるクラファン

音楽之友社は、2023年7月号で休刊した月刊誌「レコード芸術」を、ONLINEメディアとして生まれ変わらせるクラウドファンディングを行なう。クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで実施し、期間は4月10日10時から5月24日23時59分まで。リターンは2,000円からで、目標金額は1,500万円。

「レコード芸術」は、クラシック・レコード評論の専門誌として1952年3月に創刊。状況の大きな変化などを受け昨年7月号をもって休刊となったものの、継続を希望する声が数多く寄せられており、同社でも70余年にわたって培ってきた財産の継承を検討してきた。

そこで、同誌の人気コンテンツだった「新譜月評」を刷新し、「ビギナーからコア層まで幅広く対象とする、クラシック音楽の録音・録画メディアのポータルサイト『レコード芸術ONLINE』として生まれ変わらせること」にしたという。

準備中の「レコード芸術ONLINE」は、月会費1,000円(税別)の有料会員制ウェブマガジンで、無料記事も充実させ、幅広い読者に楽しめる内容になるとのこと。「多様化するクラシック音楽メディアを幅広く網羅し、音楽之友社だからできる信頼性の高い情報を読者に届けることを主眼」にしているという。

クラウドファンディングでは、支援額に応じて、「レコード芸術ONLINE」の1年間利用や人気執筆者による講座(オンライン/会場)、人気執筆者をホストに迎えた「レコード鑑賞サロン」、「レコード芸術」ゆかりの著名アーティストによる「プレミアムコンサート」、音楽の友ホールでのレコーディング実施権などの特典を用意する。

なお、クラウドファンディングはAll or Nothing形式となっており、目標金額を達成しなかった場合は、集まった支援金がすべて返金される。

また、最低目標額(1,500万円)はクリアしたが最終目標額(2,000万円)に満たない場合は、コンテンツを新譜月評、先取り最新盤レビュー、アーティスト・インタビュー、アーカイヴ連載に限定してスタートし、その後有料会員数の増加に伴い、連載や特集など順次コンテンツを拡充する形となる。

「レコード芸術ONLINE」の主な構成

・中核となる新譜月評(有料記事)
「レコード芸術ONLINE」の中核となるクラシック音楽の録音・録画された演奏を対象とした批評。CD・レコード/ストリーミング、国内盤/海外盤を問わず、原則として、製品として作られたものから、毎月総計約100点を編集部が選定し、ジャンル別に総勢約20名の執筆者が、「推薦」「準推薦」「無印」の3種類の基準のもと批評(ダブル批評ではない)。推薦盤のタイトルリストは、「今月のレコ芸推薦盤」として無料公開する。

・新譜一覧表(有料記事)
「新譜月評」で取り上げたタイトルは新譜一覧表(データ資料館)にデータを蓄積し、アーカイヴ化。

・アーカイヴ連載(有料記事)
創刊から70余年の月刊誌「レコード芸術」が蓄積した潤沢なアーカイヴから、いま読んでも新鮮な記事を発掘、再掲載。読者アンケートなどでリクエストも募る予定。

・ONLINEメディアならではの新連載(有料記事)
ONLINEメディアとして求められる「時代への即応性」を意識した連載をスタート。読者アンケートなどの結果も加味しフレキシブルに内容を更新していく予定。

・多彩なテーマで毎月更新する特集(有料記事)
毎月テーマを決めた特集を組み、徐々に規模の拡充を図る(一部記事は無料公開)

・レコ芸執筆陣による「講座」の実施(有料記事)
レコ芸人気執筆陣を講師とした対面による講座を実施。講座はオンラインでも実況中継し、オンライン参加者も質疑応答に参加可能。後日、講座の内容は記事として公開する(初年度はクラファンのリターンとして開催。2年目以降、一般会員も参加可能になる)。

・先取り最新盤レビュー(無料記事)
新譜発売日に合わせて掲載する、評論家による速報的なレビュー記事。

・アーティスト・インタビュー(無料記事)
注目のアーティストにインタビュー取材を行なう。