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ソニー、映画向けに進化した肩掛けスピーカー「HT-AN7」
2024年4月19日 10:10
ソニーは、映画視聴に最適な音質に進化させ、2台同時接続にも対応したワイヤレスネックスピーカー「HT-AN7」を、6月14日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は40,000円前後。前モデルでは同梱されていたトランスミッター「WLA-NS7」は別売りとなる。価格は8,800円。
同日発表となったサウンドバーやホームシアターシステムと同じく、「BRAVIA Theatre」のマーケティングネームが導入され、HT-AN7は「BRAVIA Theatre U」と名付けられている。
なお、前モデルのネックスピーカー「SRS-NS7」は生産完了。振動するネックスピーカー「SRS-WS1」も2023年に生産完了となっており、ソニーのネックスピーカーは、このHT-AN7と、テレワーク向けを謳う「SRS-NB10」の2機種展開となる。
映画鑑賞に重要な繊細な音を追求したという新モデル。型番も従来モデルや同社ワイヤレススピーカーで使われる「SRS-」ではなく、サウンドバーなどホームシアターシステムに使われる「HT-」が採用された。
ドライバーは、ユニットサイズが拡大した新開発の「X-Balanced Speaker Unit」を採用。本体サイズはコンパクトなまま、スピーカーの有効振動板面積を前モデル比1.5倍に大型化した。これにより音圧が向上し、従来よりも小さい振幅で同じ音圧レベルを実現できるため、ひずみを抑えたクリアな音質が楽しめるようになった。
あわせてオフセット駆動と振動系部品の重量バランス最適化も行ない、セリフなど声の明瞭度も高めたほか、剛性に優れたアルミ振動板も採用したことで、音の解像感も高めている。
Bluetooth経由で、Bluetooth対応テレビやスマートフォンなどと接続可能。Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBC、AAC、LDACをサポートする。本体にマイクを内蔵するため、通話もできる。
また別売りとなったトランスミッターと、XRプロセッサ搭載ブラビアを組み合わせることで、Dolby Atmosなどの立体音響を楽しめる。YouTubeやテレビ番組などのステレオ音源のアップミックス再生も可能。スマートフォンアプリ「360 Spatial Sound Personalizer」を使うことで、立体音響の個人最適化も行なえる。
内蔵マイクは小さい声でも拾い上げる集音性の高いものを搭載し、通話も可能。同社ヘッドフォンにも活用されているボイスピックアップテクノロジーにより、ノイズを軽減したクリアな音声で通話できる。
要望が多かったという2台同時接続に対応した。本体側面に「Speaker Addボタン」が追加されており、テレビと親機となる1台目のネックスピーカーをBluetooth接続し、親機と子機となる2台目のネックスピーカーを接続することで、ふたり同時にBRAVIA Theatre Uで映画などを楽しめる。
なお、個人最適化モードを使用した場合、親機のデータが子機にも適用されるため、2台同時接続は個人最適化モードをOFFにするよう推奨されている。
本体にUSB Type-Cポートを備え、充電のほか、付属の変換アダプターを使って有線接続が可能になった。PlayStation 5のコントローラーやPCなどと有線接続して、低遅延でゲームを楽しめる。なお、有線接続時はエコーを抑えるため、内蔵マイクは使用できなくなる。
スピーカーユニットに加え、バッテリー部品、筐体に使う材料素材をそれぞれ新規開発し、小型軽量化とロングバッテリーを両立。外形寸法は従来モデルの244×185×54mm(幅×奥行き×高さ)から、235×178×48mmとなり、重さも318gから268gへと50g軽量化された。
スリム化を果たしながら、バッテリー持続時間は前モデルと同じ最大12時間を実現している。10分の充電で60分使える急速充電にも対応。フル充電の時間は約4時間。
ネックバンド部分に形状記憶用の特殊素材を使用し、首の太さにあわせた幅調整が可能。肩や鎖骨などに触れる本体背面に合皮素材を使ってズレを防ぎつつ、内部にソフトマテリアルを使うことで快適な装着感としている。IPX4の防水仕様。
実機を体験してみた
短時間ながら実機を装着して音を聴いてみた。一番印象的だったのは装着の快適さで、前モデルよりも軽くなり、装着しているときの負担感が軽減されていた。背面に合皮素材が採用されたことで、従来モデルよりもさらに本体が身体にフィットするように感じられた。
首に触れるバンド部分も細くなったので、例えばソファにだらけた姿勢で座っていても、首にバンドが当たる違和感は少なそうな印象だった。
音については、XRプロセッサ搭載ブラビアと別売りトランスミッターを使って接続。立体音響を楽しめる状態で映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の冒頭シーンを試聴した。
ジェームズ・ボンドが乗る車が四方八方から撃たれるシーンでは、低音の迫力には少し物足りなさを感じたものの、銃弾が車体に当たる細かい音や高い金属音などが立体的に聴き取れる上、車内で繰り広げられるボンドとの会話も鮮明に聴き取ることができた。