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壁一面LEDディスプレイから3000万円超ピアノまで、「ヤマハミュージック 横浜みなとみらい」行ってみた
2024年6月4日 17:07
ヤマハとヤマハミュージックジャパンは、横浜のみなとみらい21中央地区にある横浜シンフォステージ・ウエストタワー1~3階に、体験型ブランドショップ「ヤマハミュージック 横浜みなとみらい」を6日にオープンする。それに先駆け、報道陣向けに内部を公開した。
ヤマハミュージック 横浜みなとみらいとは
楽器を中心に、購入だけでなく体験できる施設として作られたもので、メインではないが、ヤマハのアンプやスピーカー、ヘッドフォンなどのAV機器に触れる事もできる。
最大の特徴は、楽器経験や購入意向の有無にかかわらず、幅広い層の人に音楽や楽器に関する新たな楽しみを発見してもらうための“体験型の施設”としている事。館内を回遊しながら楽しめるようになっている。
1階には吹き抜けの開放的な空間があり、その壁一面に高さ約10m、横幅約14mという大型LEDディスプレイを設置。上質な音と映像に没入できるエクスペリエンスゾーン「Music Canvas」と名付けられている。
LEDディスプレイの前に、ディスプレイと連動したAI伴奏付きのピアノなどの楽器を配置。1時間ごとに1回開催される「Music Canvas Show」(約5分間)では、ヤマハ独自の立体音響技術「アクティブフィールドコントロール(AFC)」と、楽器の自動演奏、それと連動したアート映像がLEDディスプレイに表示され、全身で感じる音楽没入体験ができる。
ディスプレイの周囲にはソファが設置されているが、そこにヴァイオリンなどの弦楽器が配置されており、流れている音楽に合わせて楽器の筐体が振動。振動しているヴァイオリンに触れたり、抱える事もでき、振動を通して音楽を体験できるようになっている。
さらに、多数のグランドピアノを展示するショールームも用意。ヤマハおよびベーゼンドルファーのピアノが、それぞれ10台以上展示。落ち着いた環境でピアノに触れ、じっくりと音を楽しめる試弾室も用意。調律や修理を行なうための工房も備えている。
なお、ベーゼンドルファーショールームはベーゼンドルファーの世界を堪能できる国内最大規模のショールームとなっており、普段はなかなか触れられないベーゼンドルファーのフルコンサートグランドピアノをはじめ、アップライトピアノや華やかな特別モデルなどを用意。
中でも、世界生産限定25台、オーストリアが誇る芸術家グスタフ・クリムトの傑作「生命の樹/Tree of Life」をデザインとして取り入れた「Tree of Life」という3,520万円のピアノも設置されている。
魅せる楽器庫も
2階にはオリジナルメニューを味わいながら音楽イベントを楽しめる「ライブ&カフェ」を用意。コーヒー鑑定士が厳選した豆を用いるブレンドコーヒーをはじめ、静岡県最大の茶園を所有する佐々木製茶の茶葉を使用した抹茶・ほうじ茶ラテなど、さまざまなオリジナルメニューを購入できる。
ヤマハの企業ミュージアム「イノベーションロード」(静岡県浜松市)で展示しているシロクマ親子のフィギュアをモチーフにした店舗限定のラテアートも提供。パッケージにシロクマ親子を描いた「シロクマビール」や、オリジナルデザインの「シロクマもなか」なども用意している。
2階のメインとなるのが楽器体感コーナー。ギターやサクソフォン、バイオリンなど10種類以上の楽器を気軽に体験できるゾーンで、楽器未経験者でも動画を見ながら自分のペースで気軽に演奏を楽しめる。希望すれば、スタッフのサポート付きで演奏体験も可能。
MUSIC SHOWCASEは、多彩な楽器が並ぶ「魅せる楽器庫」。大きなガラスケース内にさまざまな楽器を収納・保管するための棚を「魅せる楽器庫」として演出。250点を超える楽器がズラリと並ぶ圧巻の光景となっている。
隣接するスペースには横浜エリア最大級となる25,000冊以上の品ぞろえを誇る楽譜・書籍エリアも併設。音楽関連の小物や雑貨も販売している。
3階には、大人向けの音楽教室「ミュージックアベニュー横浜みなとみらい」を開設。初心者向けのコースも用意し、レベルに合ったコースが選べる。楽器や人数に合わせ、様々なサイズの防音部屋を17室用意しており、教室として使わない時間はレンタルルームとしても提供予定。仕事の終わりに通える夜の時間帯のレッスンや、仕事の前に練習できる朝のレッスンなども用意し、みなとみらい21中央地区で働く人が通いやすい教室を目指しているとのこと。
グランドオープン当日の6月6日は、ヤマハ吹奏楽団メンバーが出演するオープニングセレモニーを行なうほか、来場者へのプレゼント(先着100名)を実施。7月7日までの期間は多彩なアーティストや地域の演奏家による生演奏をカジュアルに楽しめるライブやトークイベントも予定されている。
「ヤマハグループの拠点を集約する」
ヤマハの山浦敦代表執行役社長は、名古屋や銀座に続く、国内3拠点目の体験型ブランドショップとなる「ヤマハミュージック 横浜みなとみらい」について、「ブランドの世界観を伝えるための重要な顧客接点と考えている」と説明。2024年には渋谷にも拠点をオープン予定だという。
横浜のみなとみらい21中央地区については、「近年、多種多様な音楽関連施設が集積しているエリア。ヤマハとの親和性も高い場所。首都圏に点在するヤマハグループの拠点をここに集約し、グループ内の連携を強め、新たな価値の創造力を高める事で、この地区の魅力向上に貢献できる」と説明。
さらに「誰もが音楽・楽器の新たな楽しみを発見できる体験型の拠点として、楽器未経験者向けの機能を3フロア全体に広げている。同時に、楽器愛好家や購入目的で来た人向けの機能も充実させた。偶発的な発見の創出にもこだわり、カフェとか多彩な機能も用意した。音楽や楽器の新たな楽しみを見つけてくれる場所とし、お客様とのつながりをさらに強め、ヤマハブランドをさらに高めていきたい」と語った。
内覧会には、アーティストのnaomi & goroもゲストとして登場し、「イパネマの娘」などを披露。演奏ステージはそこまで広くない空間だが、空間の響きを最適化したり、音の定位をコントロールするヤマハのAFC(アクティブフィールドコントロール)技術を活用。まるで大きなホールで演奏しているような、響きも含まれたサウンドを実現しており、naomi & goroの2人も「本当に大きなホールで演奏しているような、音が遠くまで響いていくような不思議な体験」と驚いた様子だった。