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LG、壁密着デザインで史上最高輝度「OLED G4」。国内最大97型も
2024年6月6日 15:00
LGエレクトロニクス・ジャパンは、独自のAIテクノロジーによってLG史上最高輝度を達成したというフラッグシップ「OLED G4」シリーズを6月26日に発売する。国内最大サイズの97型を含む、全5サイズ展開。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は45.1万円前後(55型)から。
「OLED G4」シリーズ (OLED evoパネル)
・97型「OLED97G4PJA」 418万円前後
・83型「OLED83G4PJA」 121万円前後
・77型「OLED77G4PJB」 88万円前後
・65型「OLED65G4PJB」 61.6万円前後
・55型「OLED55G4PJB」 45.1万円前後
昨年7月に発売した「OLED G3」シリーズの後継機。微細なレンズを多数埋め込むことで輝度・視野角を稼ぐ“マイクロレンズアレイパネル(MLA-OLED)”を使用しているのが大きな特徴(97型のみMLA非搭載)。独自のAIプロセッサーとの合わせ技により、LG史上最高輝度を実現している。
インテリア性を考慮した「One Wall Design」により、壁にぴったり密着させた設置が可能。同時発表の、厚さ33ミリサウンドバー「SG10TY」ともベストマッチするようデザインされている。
なお、97型OLEDは国内最大サイズ。また、MLA-OLEDパネルを使った83型機の登場は国内初となる。
2023年発売の4K120Hz無線モデル「OLED M3」、8Kモデル「OLED 88Z3PJA」、曲率可変ゲーミングモデル「LG OLED Flex」は継続販売される。
前モデル「OLED G3」からの主な進化点
G4では、83/77/65/55型において、最新世代のマイクロレンズアレイパネルを採用。更に、処理性能を大幅に高めたプロセッサ「α11 AI Processor 4K」による輝度向上テクノロジーによって、2024年モデルのOLED B4シリーズ比で最大150%の輝度アップ(APL3%時)を達成。LG史上最高輝度により、更なる明るさを実現すると共に、斜めからの見た時の視野角特性も改善させた。
AI映像技術も進化した。「AIスーパーアップスケーリング」では、低解像度の映像を高精細な8K/4K画質に変換。世界中のさまざまな映像データを学習したAIが、映像の解像度や画質を判別し、より正確なノイズ除去を行なう。
特に今回のプロセッサ「α11」では、ピクセル単位で映像を計測して、被写体の表情を自然に仕上げるチューニングに進化。より自然で、繊細な高精細映像を目指した。
映像内の人物の顔や体、車や動物などといったオブジェクト、前景・背景を判別してくっきり立体的に再現するオブジェクト型リアルタイム映像処理も強化。AIがもっとも注目される被写体を識別して、コントラストやシャープネスを調整することで一段と立体的な映像を生みだしという。
さらに今回、映像の感情までも再現するという「AIディレクター処理」を導入。
映像の色の分布をAIがリアルタイムで解析し、フレーム単位で映像制作者が意図した“感性”を特定。映像に込められた感情を、配色理論に基づいて、より感動的な画質で表現するようになった。
サウンド処理も進化。バーチャルサウンドが従来の9.1.2chから11.1.2chになったことに加え、「AIボイスリマスタリング」を初搭載。BGMや環境音と音声をAIが分離させてリマスタリングを行ない、音声をクリアで歯切れよくすることで、さらに聞きとりやすくした。
4K/144Hz表示も初めてサポート。VRRを適用させることで、PCなどからの高リフレッシュレートゲームをなめらかに表示できる。従来通り、HDMI 2.1で規定されているeARCやVRR、 ALLM、QMSのほか、0.1msという高速応答性も備えている。
前モデルから搭載する各種機能
「OLEDダイナミックトーンマッピングプロ」は、HDR映像を1フレームごとに最適処理する機能。最初にフレーム全体を分析し、コントラストと色を調整。その後、1フレーム単位で画面を5,000以上に分割して、AIがエリアひとつひとつのトーンカーブと明るさを最適化。この処理によって、映像全体でひとつしかメタデータをもたないHDR10映像においても、フレーム単位での解析・補正で、よりリアルで美しいHDR映像に仕上げるという。
'23年モデルで初搭載された、お手軽画質調整「パーソナルピクチャーウィザード」も引き続き搭載。専門的な知識や難しい調整を行なうことなく、表示された絵の中から好きな絵を数回選ぶだけで、約8,500万通りのパターンから、AIがユーザー好みの画に切り替えてくれる。
「自動ジャンル選択/シーン検出」は、映像コンテンツにあわせて自動で映像を最適化するもの。コンテンツはスタンダード・シネマ・スポーツ・アニメから、そしてシーンはスタンダード・夜景・街並み・自然から判別し、それぞれにあった画質に最適化する。
また「AI輝度」は、昼間など明るい部屋で視聴する際、黒い部分がつぶれて見える暗いシーンでも、AIが暗部の輝度を最適化する機能。映像全体の輝度を調整するのではなく、明るさが必要な部分のみを細かく忠実に調整するようになっているという。
対応するHDR規格は、HDR10、HLG、Dolby Vision。モードとしては、フレーム補完機能をオフにして、製作者の意図通りの画質を再現する「FILMMAKER MODE」も搭載した。
音声面では、サウンドのトーンを補正して音の輪郭の明瞭度をクリアにすることで、音が画面から聞こえてくるように調整してくれる「AIクリアサウンド」、人間の受聴感度を補正して全体的なサウンドのバランスを向上させる「オートバランスコントロール」、コンテンツに応じてサウンドを最適化する「アダプティブサウンドコントロール」、放送/ネット動画など映像を切り替えても音量を一定にキープしてくれる「オートボリュームレベリング」などを引き続き搭載している。
ゲーム機能としては、FPS/RPG/RTS/スタンダードの4ジャンルに応じて映像を最適化する「ゲームジャンル設定」や専用GUI「ゲームダッシュボード/ゲームオプティマイザ」、パソコンとテレビのリフレッシュレートを同期させることでゲームの映像で発生するズレやカクつきを抑える「NVIDIA G-SYNC Compatible」と「AMD FreeSync Premium テクノロジー」をサポートする。
スタンドはサイズによって異なる。97型は二股スタンド(別売)、83型はスイーベル・スラント対応スタンド(別売)、77型はスイーベル・スラント対応スタンド(同梱)、65・55型は高さ調整可能なスタンド(同梱)となっている。
「超大型テレビ」「壁掛け&壁寄せ設置」で市場を席巻する
都内で行われた発表会では、同社HE Marketing Communication Partの植田景子氏が登壇。有機ELテレビのメリットや新製品の概要説明と合わせ、2024年モデルの展開にあたっては「『超大型テレビ』『壁掛け&壁寄せ設置』の2点に注力していく」ことを明らかにした。
植田氏は「2023年から2024年にかけて、テレビの出荷台数は少し落ちこんでいるものの、65型以上の大型テレビは伸長している」と、大型ゾーンの潜在需要を指摘。
また、「壁掛けテレビの検索量は10年間で2倍に達している。日本の市場では様々な制約があると認識しているが、お客様の関心は高い。壁掛けすることで、部屋がスッキリオシャレになるだけでなく、部屋のスペースの有効活用できることや、より大画面の設置が可能になること、倒れにくく子供やペットの手も届かないという安心もある。我々は、日本での『超大型テレビ』『壁掛け&壁寄せ設置』の普及を推進すると共に、テレビ市場を席捲してまいりたい」と意気込みを語った。