AV Watchアワード
有機EL“先駆者”LGの最上位「G4」。進化したAIエンジンと超薄ボディ【AV Watchアワード参戦製品(10)】
2024年10月31日 10:00
その年に登場した製品から、読者に本当にオススメしたい優れた製品を決める「AV Watchアワード」。2023年に引き続いて今年も“No.1テレビ”を決めるべく、テレビメーカー7社から11モデルの液晶テレビ・有機ELテレビを集め、比較テストを行なった。本稿では11月1日のNo.1モデル発表に先立ち、テストを実施した全11モデルを順次掲載していく。
今回取り上げるテレビは、LGエレクトロニクスが2024年6月から発売している有機ELテレビ「OLED65G4PJB」(61.6万円前後)。製品の概要・仕様の紹介と合わせ、昨年好評だったマスターモニターとの比較動画および各種測定データも合わせて掲載する。
LGエレクトロニクス「OLED65G4PJB」製品概要
世界初の55型曲面有機ELテレビを2013年に発表して以降、テレビ向け大型有機ELパネルの量産や、その映像技術の進化を牽引してきたLG。2024年の4K有機ELテレビは、フラッグシップ「G4シリーズ」(97/83/77/65/55型)、スタンダード「C4シリーズ」(83/77/65/55/48/42型)、エントリー「B4シリーズ」(77/65/55/48型)に加え、4K144Hz伝送を可能にしたワイヤレスモデル「M4シリーズ」(77/65型)を新発売。上は97型から下は42型まで、全7サイズ17機種という豊富なラインナップを揃えている。
最上位の「G4」は、2023年のAV Watchアワードで大賞を獲得した「G3」シリーズの後継機。
微細なレンズを多数埋め込むことで輝度・視野角を稼ぐ“マイクロレンズアレイパネル(MLA-OLED)”を使用しているのが特徴(97型のみMLA非搭載)で、独自のAIプロセッサーとの合わせ技により、LG史上最高輝度を実現した。
また画質面だけでなく、インテリア性を考慮した「One Wall Design」を採用しているのもポイント。壁にぴったり密着させた設置が行なえるようになっている。
処理性能を大幅に高めたプロセッサ「α11 AI Processor 4K」を搭載。プロセッサによる輝度向上テクノロジーによって、2024年モデルの「B4シリーズ」比で最大150%の輝度アップ(APL3%時)を実現。更なる明るさを実現しつつ、斜めからの見た時の視野角特性も改善させている。
AI映像技術もアップデート。低解像度の映像を高精細な8K/4K画質に変換する2024年版の「AIスーパーアップスケーリング」では、ピクセル単位で映像を計測して、被写体の表情を自然に仕上げるチューニングになり、より自然で繊細な高精細映像を目指している。
映像の感情までも再現するという「AIディレクター処理」も新搭載。映像の色の分布をAIがリアルタイムで解析し、フレーム単位で映像制作者が意図した“感性”を特定。映像に込められた感情を、配色理論に基づいて、より感動的な画質で表現するようになった。
対応するHDR規格は、HDR10、HLG、Dolby Vision。フレーム補完機能をオフにして、製作者の意図通りの画質を再現する「FILMMAKER MODE」も搭載。NetflixやPrime VideoなどのDolby Visionコンテンツに対しても、FILMMAKER MODEの適用が可能。この仕様は現在LGテレビだけが行なえる。
4K/144Hz表示も初めてサポート。VRRを適用させることで、PCなどからの高リフレッシュレートゲームをなめらかに表示できる。従来通り、HDMI 2.1で規定されているeARCやVRR、 ALLM、QMSのほか、0.1msという高速応答性も備えている。
サウンド処理も進化。バーチャルサウンドが従来の9.1.2chから11.1.2chになったことに加え、「AIボイスリマスタリング」を初搭載。BGMや環境音と音声をAIが分離させてリマスタリングを行ない、音声をクリアで歯切れよくすることで、さらに聞きとりやすくした。
LG独自のwebOS(バージョンは24)を搭載しており、NetflixやYouTubeなどでの動画視聴や、スマホ/タブレットとの画面共有、Bluetoothを使った音楽鑑賞、Webブラウジングなどが行なえる。
搭載チューナーは、地上/BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。別売のUSB HDDを用意すれば、地デジ/BS/CSの2番組同時、4K放送の裏番組録画が可能。
HDMI入力は4系統で、すべての端子がHDMI 2.1をサポート(48Gbps)。光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力、LANを各1系統用意。USB端子は3系統。
消費電力は516Wで、年間消費電力は242kWh/年。スタンドを含む外形寸法/重量は、144.1×26.3×86.5/91cm(幅×奥行き×高さ)/29.1kg。
マスターモニターとの比較動画、および各種測定データ
映像メニュー 「標準」 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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10%輝度 (最大) | 1,285 cd/m2 | 1,228 cd/m2 |
全白輝度 (最大) | 237 cd/m2 | 216 cd/m2 |
映像メニュー 「シネマ」 ※G3は「シネマダーク」 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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10%輝度 (最大) | 1,410 cd/m2 | 1,331 cd/m2 |
全白輝度 (最大) | 218 cd/m2 | 197 cd/m2 |
映像メニュー 「シネマ」 ※G3は「シネマダーク」 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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BT.2020 1931カバー率 | 73.19% | 72.92% |
BT.2020 1976カバー率 | 76.11% | 75.02% |
映像メニュー 「ゲームオプティマイザ」 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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入力遅延の防止 標準 | 4K60p:9.0ms 2K120p:0.8ms | 4K60p:9.1ms 2K120p:0.9ms |
入力遅延の防止 ブースト | 4K60p:1.4ms 2K120p:0.8ms | 4K60p:1.5ms 2K120p:0.9ms |
HDMI入力信号 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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4K120fps | 〇 | 〇 |
4K144fps | 〇 | ― |
ゲーム用HDR10 | 〇 | 〇 |
ゲーム用Dolby Vision | 120Hzまで | 120Hzまで |
4K50Hz | 〇 | 〇 |
1440p | 120Hzまで | 120Hzまで |
非圧縮ステレオ | 〇 | 〇 |
非圧縮5.1ch | ― | ― |
非圧縮7.1ch | ― | ― |
ドルビーデジタル | 〇 | 〇 |
DTS | ― | ― |
Dolby Atmos | 〇 | 〇 |
DTS:X | ― | ― |
その他 | G4 (2024年モデル) | G3 (2023年モデル) |
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電源ケーブル着脱 | ― | ― |
スイーベルスタンド | ― | ― |