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Technics、初のワイヤレスアクティブスピーカー。ネット対応&HDMI ARC搭載

アクティブスピーカー「SC-CX700」

Technics(テクニクス)は、ブランド初のワイヤレスアクティブスピーカー「SC-CX700」を10月下旬より発売する。Roon ReadyやAmazon Music、Spotifyなどのストリーミングサービスに対応するほか、HDMI ARC端子も搭載する。価格は352,000円(ペア)。カラーはテラコッタブラウン、チャコールブラック。

テクニクスの高音質技術を搭載しつつ、ワイヤレスによる高い設置性、多彩なネットワーク対応を実現した、ブックシェルフタイプのアクティブスピーカー。外観にはスエード調の人工皮革「Dinamica(ディナミカ)」を採用することで、質感の高い上質なデザインに仕上げている。

チャコールブラック

高音質技術

初のワイヤレススピーカーの開発にあたり、各技術をオーケストラの奏者と捉え、最大限のパフォーマンスを発揮しながら一つのシステムへ高度に融合させる「Technics Orchestration Concept」を定義。これまで培ってきたスピーカー、アンプ、信号処理の技術に加え、単品コンポーネント同様の設計思想や新技術を組み込むことで、Technicsが考える理想のワイヤレススピーカーを実現したという。

テラコッタブラウン

スピーカー部は、アンプや電気回路、スピーカーユニットを完全に独立させたセパレート構造「Acoustic Solitude Construction」を採用。スピーカーボックスは厚いMDF材により完全に密閉。スピーカーボックスの背面側にアンプボックスを配置して、間に空気層を確保。これによりスピーカーボックス内部からアンプボックスへの振動伝達を最小限にし、振動の影響のない信号処理、信号増幅を実現している。

アンプ/スピーカーを独立させた「Acoustic Solitude Construction」を採用

アンプとスピーカーが一体化したことを活かした、新しい信号処理技術「MBDC」を導入しているのもポイント。これは、振動板の動きを数学的にモデル化し、音楽信号に応じた動きをリアルタイムにシミュレーションすることによって歪み補正信号を生成するもの。

スピーカーの振動板は、低域ほど大きなストロークを必要とするが、ストロークが増えるほど不要な高調波歪みが増加する原理的な問題を持つ。また、振動板の小さい小型スピーカーは大型スピーカーと比較して大きなストロークを必要とするため、高調波歪みの影響が大きく現れやすい。

CX700では、MBDCを採用することで低歪みでクリアな低音と、高調波による中高域への干渉が少ないリアルなサウンドステージを実現したという。

MBDC

ユニットは、1.9cmツイーターと15cmウーファーを組み合わせた同軸2ウェイ(Phase Precision Driver 4)。新開発のリングツイーターが特徴で、従来のドーム型と比較して、振動系が軽量で音の立ち上がりと収束が素早く、不要な残響音を抑制。

さらに、同ツイーターには波面解析に基づいて再設計した「Linear Phase Equalizer」を組み合わせ、ウーファー部には浅型振動板とバッフル面までがスムーズにつながる形状とした「Smooth Flow Diaphragm」を採用。ツイーター、イコライザーからウーファー、バッフル面まで障害物のない滑らかな形状とすることで整った波面を形成し上質なサウンドを目指した。

同軸構造のスピーカーユニット

ネットワーク機能

多彩なネットワークサービスもサポート。Roon Ready(アップデートが必要になる場合あり)のほか、Amazon Music、Spotify Connect、Deezer、インターネットラジオに対応しているため、様々なストリーミングサービスで音楽コンテンツが楽しめる。

Wi-Fi内蔵、Bluetooth/AirPlayにも対応しており、スマートフォン/タブレットの音楽のワイヤレス再生や、PC、NASに保存したハイレゾ音源などのネットワーク経由の再生も行なえる。対応ファイルは、MP3/AAC/WAV/FLAC/AIFF/ALAC/DSD/PCM。Bluetoothは5.1準拠で、対応コーデックはAAC/SBC。

チャコールブラック
正面
天面

HDMI ARCも装備しているため、テレビと連携操作しながら高品位に音楽や動画コンテンツを楽しめる。またMM型カートリッジに対応したフォノイコライザーアンプを内蔵。アナログレコードプレーヤーと接続して、手軽にレコード再生できる。

設置性

設置場所に合わせて最適な音質に調整する「Space Tune」を搭載。前後左右の空間が空いた「Free」、壁際に置く「Wall」、コーナー設置用の「Corner」、棚の中などに置く「In a Shelf」という4つのプリセットから選択することで、設置環境に応じた最適なサウンドを選ぶことができる。

左右のスピーカーのそれぞれに最適な設定を選べる「L/R Custom」モードも搭載。例えば、左のスピーカーはコーナーに、右のスピーカーは棚の中に置くなど、左右で設置場所が異なる場合にも対応し、より自由なレイアウトで最適な音質に調整できる。

iOS機器の場合、アプリ「Technics Audio Center」(無料)を使えば、より精密な周波数特性の測定・補正を実施する「Measured」で、設置環境とリスニングポジションに合わせた詳細な調整も可能。

なお、アプリ自体はAndroid向けにも用意されており、本体の各種設定の調整や、接続した機器、ネットワークサービスの選択などができる。

誰でも気軽に良い音を楽しめるよう、部屋や設置場所に合わせて最適な音質に調整する「Space Tune Auto」を搭載。再生したテストトーンを本体に内蔵したマイクで測定、壁からの距離や反射の影響などを解析し、自動的に音質を調整。家の中の好きな場所に置いて、どこでも最適な音質で音楽を楽しめるという。

テラコッタブラウン

左右の独立したスピーカーは、無線で接続可能。部屋のスタイルに合わせ、自由に配置できる。より高音質で楽しみたい場合は、付属のスピーカーリンクケーブルを使用して有線接続すると、最大192kHz/24bitのサンプリングレートで伝送可能になる(無線接続時は96kHz/24bit)。

外形寸法/重量は、プライマリースピーカーが201×276×313mm/約9.1㎏、セカンダリースピーカーが201×272×313mm/約8.9㎏。

リモコン
背面。左がプライマリースピーカー、右がセカンダリースピーカー