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富士フイルム初のシネマカメラ「GFX ETERNA」。ラージフォーマットセンサ採用

「FUJIFILM GFX ETERNA」

富士フイルムは、同社初の映像制作用カメラとして、ラージフォーマットセンサーを採用した「FUJIFILM GFX ETERNA(エターナ)」の開発を発表した。2025年中の発売を目指しており、11月13日に開幕する「Inter Bee 2024」で参考展示も行なう。

富士フイルムグループでは、1934年の創業間もなく国産初となる映画用ポジフィルムを開発・発売。その後も映画用カラーネガフィルム「ETERNA(エテルナ)シリーズ」やシネマカメラ用ズームレンズ「Premista(プレミスタ)シリーズ」「ZKシリーズ」などを商品化しており、創業以来90年にわたって、シネマ業界などでの映像制作現場で使用する製品を提供してきた。

そして写真フィルムやカメラなど、写真撮影機材を市場投入するなか、35mm判の約1.7倍となるラージフォーマットセンサーを搭載したミラーレスデジタルカメラ「GFXシリーズ」を2017年に発売。動画機能を強化するなど「GFXシリーズ」を進化させている。

開発を進めているGFX ETERNAは、そんな映像制作現場での知見・経験とGFXシリーズの技術を結集した同社初の映像制作用カメラ。「ラージフォーマットセンサーを生かした階調豊かで立体的のある映像表現や、大量の撮影データの高速処理、自由度の高いポストプロダクションで、映像制作に新たな価値を提供していく」という。

製品名には「永遠に残る傑作・名作を生み出す、映像制作新時代の担い手になる」との思いを込めたとのこと。

上述のとおり、センサーは35mm判の約1.7倍となるラージフォーマットセンサー「GFX 102MP CMOS II HS」で、高速映像処理エンジンとして「X-Processor 5」を採用。これらは1億200万画素による高画質を実現したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100 II」に搭載している最新デバイスとなる。

あわせて、同カメラに最適化したパワーズームレンズ(実焦点距離32~90mm相当)や、多くの映像制作で使われているPLマウントレンズを使用可能にするマウントアダプターの開発を進めているとのこと。

同社は「近年、本格的な映画に加えて、短編映画やドキュメンタリー、ウェブ動画などの制作需要が拡大する中、映像制作現場では高品質な映像を短期間・低コストで制作したいというニーズが高まってる」とし、GFX ETERNAの発売に向けたフィールドテストを進めるとともに、「『GFXシステム』を充実させる製品ラインナップの拡充を通じて、幅広い分野での高品質かつ効率的な映像制作に貢献していきます」としている。