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ソニー、VENICE 2の画質を小型ボディに詰め込んだシネマカメラ「BURANO」

「BURANO」

ソニーは、デジタルシネマ用カメラ「CineAlta」の新モデルとして、最上位機種「VENICE 2」譲りの高画質と操作性を小型・軽量のボディで実現した「BURANO(ブラーノ)」を、2024年春に発売する。PLマウントを採用したカメラとして世界で初めてボディ内手ブレ補正と電子可変NDフィルターを内蔵している。価格はオープンプライスで、実売想定価格は430万円前後。

「BURANO」(右)と「VENICE 2」(左)を並べたところ

VENICE 2とFX9の間を埋めるモデルと位置づけられたデジタルシネマ用カメラ。VENICE 2と同じく、8.6KフルフレームCMOSセンサーを搭載しながら、VENICE 2比で約33%軽量な約2.9kg(PLマウント時)を実現している。また操作ボタンの形状やレイアウトもソロ撮影向けに最適化された。

モデル名の「BURANO」は、イタリア・ヴェネチアにある島「ブラーノ」が由来。色彩豊かな街並みが特徴の島で、そのカラフルな街並みと高画質やボディ内手ブレ補正、電子式可変NDフィルター内蔵といった多様なカメラの特徴を重ね合わせたとのこと。

PLマウント採用カメラとして世界で初めてボディ内手ブレ補正機能を搭載
電子式可変NDフィルターも内蔵する

PLマウント採用カメラとして、世界で初めてボディ内手ブレ補正機能を搭載。ジンバルを使わなくてもブレの少ない映像を撮影できるため、より軽量なシステムで撮影できる。電子式可変NDフィルターも内蔵しており、これらふたつの機能を搭載したPLマウントカメラは世界初という。

PLマウントアダプタを取り外せば、Eマウントレンズ群を使用できる
ファストハイブリッドAF+AIによる被写体認識AFも利用可能

PLマウントアダプタを取り外せば、ソニーのEマウントレンズ群を装着でき、Eマウントレンズ使用時はファストハイブリッドAF+AIによる被写体認識AFも利用できる。

ラチチュードは最大16ストップで、ISO 800とISO 3200のデュアルベースISOを採用。カラーサイエンスはVENICE 2と同様で、2機種を組み合わせた運用にも対応する。またBURANOには新開発のルックとして「Warm/Cool/Vintage/Teal and Orange」の4種類も搭載する。

撮影フォーマットはソニー独自の圧縮RAWフォーマットであるX-OCN LT、4K、HD記録ができるXAVCに加え、8K記録に対応した新フォーマット「XAVC H」を利用できる。XAVC HはHEVC/H.265のビデオフォーマットで、Hi Quality/Mid Quality/Light File Sizeと3段階のモードを用意する。

3.5型のLCDモニターが付属し、撮影スタイルに合わせて向きを自由に変更可能で、画面タッチによる設定変更やAF操作ができる。ビューファインダールーペも付属する。

CFexpress Type Bメモリーカードのデュアルスロットを備えるほか、別途SDカードスロットも備え、プロキシー記録も可能。筐体は堅牢性に優れたマグネシウム合金とアルミニウム製で、高効率で排熱できる小型ベンチレーションシステムも搭載した。

グリップリモコン「GP-VR100」と組み合わせたところ

オプションとして、グリップリモコン「GP-VR100」も2024年春に発売する。価格はオープンプライス、実売想定価格は24万円前後。グリップからカメラをフルコントロールでき、アーム角度をワンタッチで調整できる。

またCFexpress Type Bメモリーカードも、大容量モデルとして1,920GBの「CEB-G1920T」と960GBの「CEB-G960T」を、同じく2024年春に発売する。こちらも価格はオープンプライスで、実売想定価格は1,920GBモデルが36万円前後、960GBモデルが19万円前後。

どちらも、400MB/sの書き込み速度を保証するVPG400認証を取得しているほか、落下強度や曲げ強度など耐久性を高めたTOUGH仕様となっている。

今後のファームウェアアップデートのロードマップも合わせて公開されており、2024年夏にはソニー製カメラをリモートコントロールする「S700」プロトコル(Ethernet接続)やアナモフィックレンズ使用時の1.5倍デスクイーズ表示機能を追加するVer1.1を提供予定。

さらに時期未定ながら、4:3アスペクトのイメージャーモード追加、アナモフィックレンズの1.8倍デスクイーズ表示機能、HDMI出力時のカメラ状態表示レイアウトの変更といった機能追加も予定している。

動画撮影特化のモニタリングアプリも登場

また9月12日には「映像クリエイターが求める映像モニタリング・リモートコントロールを提供する」という動画撮影に特化した無料アプリ「Monitor&Control」も公開された。対応OSはiOS/iPadOS/Android。対応カメラはFX3、FX30などで、BURANOにも対応を予定している。

スマートフォンやタブレットを、カメラのワイヤレス2ndモニターとして使うことや、離れた場所からカメラの設定・操作ができるアプリ。フォーカスコントロールモードも搭載し、タッチフォーカスや操作ピッチ・感度などをカスタマイズできるフォーカスコントロールバーにより、細かなフォーカスコントロールができる。そのほか、フォルスカラー、波形モニター、ヒストグラム表示にも対応する。

BURANO is coming | September 12th, 2023 | Sony
CineAltaカメラ BURANO:「My Melomania」監督・撮影 岡村良憲 氏【ソニー公式】