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LUMIX初の8K動画撮影対応「S1R II」。レンズ特性を活かした“クロップレス手ブレ補正”

「LUMIX S1R II」にキットレンズ「S 24-105mm F4 MACRO O.I.S」を装着したところ

パナソニックは、LUMIX初となる8K動画撮影に対応したフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1R II」(DC-S1RM2)を3月下旬より発売する。価格はオープンで、市場想定価格はボディが475,000円前後、「S 24-105mm F4 MACRO O.I.S」が付属するレンズキットが594,000円前後、バッテリーグリップ「DMW-BG2」が38,000円前後。

有効4,430万画素の新開発裏面照射型フルサイズCMOSイメージセンサーを搭載し、LUMIX初となる最大8.1K(8,128×4,288ドット)での動画撮影に対応。14ストップの広いダイナミックレンジと豊かな色彩表現を実現したほか、L2テクノロジー搭載エンジンにより、高解像度と低ノイズを両立。常用ISOは前機種と比較して一段分上昇した80〜51,200となっている。拡張ISOは40〜102,400。

多彩な記録モードを備え、フルサイズ3:2では6.4K/30p、フルサイズ17:9で8.1K/30p、5.8K/60p、C4K/120p、フルサイズ16:9で8K/30p、5.9K/60p、4K/120pでの記録が可能。

8K動画は外部出力にも対応。HDMI経由で外部のレコーダーに記録できる。また、発売後のアップデートにより、ATOMOS外部レコーダーやBlackmagic Design外部レコーダーにRAW録画データ出力が行なえるようになる。プロキシファイルを同時にカメラに記録することも可能。

端子部

ProRes RAW HQの内部記録に対応。CFexpressへの使用時は防塵防滴性能を維持したまま記録できる。

SDカードとCFexpress Type Bの2スロット

USB SSDへの直接記録も可能。内部記録よりも耐熱性に優位になる。バッテリーグリップと併用することで、カメラとグリップから同時に給電可能になり、USB SSD記録時の長回しが可能。また、バッテリーグリップはホットスワップに対応。カメラの電源を切らずにグリップ内のバッテリーを交換できる。

バッテリーグリップ
装着して縦にしたところ
シャッターボタン周り
本体にバッテリー×1、グリップにバッテリー×1という状態になるため、グリップ側のバッテリーは電源ONのままでも交換できる

V-Log/V-Gamutに対応し、HDRでの撮影が可能。SシリーズとGシリーズの一貫したガンマ特性とルックを採用しているため、合理的なポストプロダクションプロセスが可能。

フォトスタイルには、新たに広いダイナミックレンジと豊かなグラデーションを活かした「シネライクA2」を搭載。近年のMVなどに良く利用される粒状表現や色ノイズを簡単に適用できる。

AFにはAI技術を活用し、人物の瞳と顔の認識精度を向上。追尾AFモードも性能を向上し、被写体の特徴を算出して、複数の人物が交差するような状況でも、目的の人物をAFで粘り強く追尾するようになった。

手ブレ補正は5軸8段で、歩き撮りの手ブレを補正する「アクティブI.S.」搭載。電子手ブレ補正と組み合わせることで、強力な手ブレ補正を得られるほか、電子手ブレ補正のロールブレや周辺歪みも改善した。

また、新たな機能として手ブレ補正にクロップレスモードを搭載。LUMIXのSレンズ使用時に有効にでき、広角撮影時にクロップすることなく、強力な手ブレ補正が得られる。近年のレンズが補正を前提に設計されていることを活かしたもので、樽形に歪んだ映像を補正した際に発生する画角の外側に出る部分を活用した機能。

使用レンズの焦点距離によって補正効果にばらつきはあるが、センサーの画素数を活かした機能ではないため、今後画素数の少ない機種やマイクロフォーサーズ機にも導入できる機能になっているとのこと。

モニターは3型、解像度約184万ドットで、チルトとバリアングルを組み合わせた動きが可能なチルトフリーアングルモニターを採用。HDMIケーブルやUSBケーブルに干渉することなく回転させられる。

約576万ドットのOLEDパネルを採用したリアルビューファインダーを装備。約10,000:1以上の高コントラスト性能を備えている。

また、新機能として、電源OFF時のシャッター閉幕機能を搭載。屋外のレンズ交換時にセンサーをホコリなどから守れる。

ボディはマグネシウム合金フレームを採用し、小型軽量化。前機種から221g軽量化した重量795gとなっている(ともにバッテリー、SDカード含む)。人体工学に基づいたデザインを採用し、指にフィットする形状と素材を採用したジョイスティックも搭載。直感的な操作が行なえる。

録画や録画待機状態を知らせるタリーランプはフロントとリアに装備。明るさやオンオフを個別に設定することもできる。外形寸法は約134.3×91.8×102.3mm。

タリーランプ フロント
タリーランプ リア

動画撮影向けの新アプリ「LUMIX Flow」に対応。動画撮影する際に、構想、撮影、編集までのワークフローをLUMIXと組み合わせて一環して行なえる。また、まだカメラを持っていない人が、スマホ動画撮影でほぼ同じ機能を使えるようになっている。