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LUMIX初、像面位相差AF搭載フルサイズ「S5II」。“黒基調”「S5IIx」
2023年1月5日 10:10
パナソニックは、LUMIX「DC-S5」の後継モデルとして、フルサイズセンサーを搭載し、LUMIXで初めて像面位相差AFも搭載した「DC-S5II」と「DC-S5IIx」を発表した。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、S5IIのボディが248,000円前後、レンズのS-R2060が付属するKキットが281,000円前後、S-R2060 + S-S50が付属するWキットが30万円前後。S5IIxのボディは274,000円前後。Kキットが306,000円前後、Wキットが334,000円前後。
S5IIとS5IIxの大きな違いは、外観と動画性能。S5IIxは、USB SSD記録や、ALL Intra、ProRes動画撮影など、より高い動画性能を備えるほか、ライブストリーミング機能も豊富になっている。また、撮影中にカメラボディの白いロゴなどが被写体に映り込まないように、S5IIxのみロゴ部分などが黒くなっている。
なお、同じフルサイズの従来モデルであるS5は併売。S5IIよりも手頃な価格の製品として引き続きラインナップする。
2機種共通の特徴
2機種どちらも、新開発のイメージセンサーと、新たなヴィーナスエンジンを搭載する。センサーは2,420万画素のフルサイズで、像面位相差AFに対応。新ヴィーナスエンジンは、S5に搭載していたものと比べ、演算性能が約2倍、バッファメモリが約4倍に強化。エンジンとしての能力は、GH6に搭載しているエンジンより、さらに強力だという。
LUMIXとしては初めて、像面位相差AFを搭載。動体撮影での被写体追従性能が大幅に向上。画面の奥から手前に向かって近寄ってくる人間やバイクといった被写体でも、AFが外れにくいという。さらに、AF最小枠のサイズがより小さくなっている。
複数の被写体が存在するシーンや、夕焼けなどの逆光シーン、夕暮れなどの低照度シーン、イルミネーションなどの点光源を含むシーン、YouTubeでの商品紹介動画などで、商品をサッとカメラの前に取り出したシーンなどでも、AFが素早く合焦する。
新センサーと新エンジンの組み合わせにより、画質も向上。フラット・ディテール・エッジの判別性能が向上した「新インテリジェントディテール」、高感度でも自然で立体感のある描写になった「新2Dノイズリダクション」、「高性能3Dノイズリダクション」が利用できる。
静止画はRAW形式で、最大30コマ/秒の連写が可能。バッファメモリも従来比4倍に増加。ローリングシャッターも抑制している。
手ぶれ補正機能も進化。歩き撮りにも強い「アクティブI.S.」を搭載しており、水平・垂直・回転方向の手ブレ状態を判断し、補正割合を最適化。手ぶれ補正ユニットの能力を最大限に活用できる制御を実現し、歩き撮りや望遠時のフィックス撮影での手ブレ補正効果を高めている。従来モデルからのB.I.S. Dual I.S.2や、電子補正、手ぶれ補正ブーストも引き続き搭載する。
動画撮影では新たに、C4K 60p/50p 4:2:2 10bitの無制限記録、6K 30p/25p 4:2:0 10bit記録が可能になった。さらに、新エンジンにより3Dノイズリダクションがさらに進化している。
また、静止画と動画の両方でリアルタイムLUTに対応。シーンに合わせた複数のLUTをカメラに読み込み、カメラ内で記録できるため、撮影後の編集作業を効率化できるという。
動画撮影では14 stopsのV-Log/V-Gamut撮影が可能。Dual Native ISO機能も備えている。
操作性も進化。天面にホワイトバランス、ISO、露出ボタンを搭載。8方向対応のジョイスティックも備え、直感的な操作が可能という。UIデザインも進化。コントロールパネル画面では、撮影に必要な情報がまとめて確認できる。
ビューファインダーはOLEDで、368万画素。背面液晶モニターはフリーアングルタイプで、184万画素。
ストレージ用に、SDカードはダブルスロットを装備。オプションでバッテリーグリップも用意するほか、USB-PD給電も可能。HDMI-A端子も新たに備えている。
筐体はマグネシウム合金。ストラップ構造も改善し、三角輪を廃止した。他にも、カラーシェーディング補正、オートホワイトバランス中のホワイトバランス一時固定機能、オーバーレイ表示のクリエイティブ動画対応、4chオーディオ対応、24bitオーディオ対応、フルエリア6K(3:2)動画の30p記録対応など、細かな部分も進化している。
S5IIとS5IIxの違い
デザイン面の違いは前述の通りで、S5IIxはLUMIXロゴも塗りつぶしたブラック基調が特徴。
S5IIよりもさらに動画機能を充実させたモデルで、USB-SSD記録、ALL-intra動画記録、ProRes動画記録に対応。
ライブ機能も充実しており、無線ライブ配信、USBテザリングでの配信、有線接続でのライブ配信にも対応する。
また、HDMI端子からのRAW動画出力もサポート。S5IIでも対応予定だが、ファームアップ後の有償対応となる。
小型軽量な超広角ズームレンズも発売
LUMIX Sシリーズ向けのレンズとして、「14-28mm F4-5.6 MACRO」も発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は107,800円前後。
約345gと軽量ながら、14mmからの超広角、そして標準までをカバーしている。フィルター装着も可能で、ブリージングも抑制しているため、静止画・動画を問わず、クリエイターに最適な仕様だという。
フッ素コートを施しており、フィールドワークをサポート。最短撮影距離は0.15m。なお、Sシリーズレンズのロードマップも公開されている。
写真家とビデオグラファーがファーストインプレッション
S5IIを実際に使用した印象として、製品説明会に登壇した写真家の高橋宗正氏は、「シャドウまでつぶれずに、なめらかなグラデーションを実現しており、気に入りました。滝の写真のように、奥が淡いけれど、手前はシャッキリする、相反する描写も同居できている。AF性能も向上していて、霧が出ている中でも葉っぱなどに素早くAFが合焦して驚いた。S5と比較してもAFが非常に進化している事が印象的だった」と説明。
動画を試写した映像ディレクターのAKIYA氏は、「トータルバランスが非常に良い。バランスがとれているだけでなく、全てのポイントが高く位置づけられている。使うまでは半信半疑だったが、実際に使ってみると“いいな”と感じるところが沢山あった。かなり厳しい状況でAFを使ってみたが、一番劇的に進化していた」と、印象を語った。
発売記念ライブ配信やイベントも
1月6日18時からは、YouTubeにてパナソニックの担当者による製品プレゼンや、クリエイタートークを行なうライブ配信も実施。
さらに、1月7日~9日には、LUMIX BASE TOKYOにおいて、先行タッチアンドトライも実施する。詳細は専用ページを参照のこと。キャッシュバックキャンペーンも実施する。