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パナソニック、4K/60pや6K動画も撮影できるフルサイズミラーレス「LUMIX S1H」

パナソニックは、フルサイズのミラーレスカメラで、6K/24p、5.9K/30p、4K/60pの動画撮影が可能な「LUMIX DC-S1H」を9月25日に発売する。価格はオープンプライスで、ボディのみの店頭予想価格は50万円前後。

LUMIX DC-S1H

フルサイズのミラーレス一眼カメラとして世界で初めて、4K/60pの動画記録が可能。さらに、6K(6,024×4,016ドット)/24p、5.4K/30p(3:2)、5.9K/30p(16:9)などの撮影にも対応する。

2,420万画素、35mmフルサイズのCMOSセンサーを搭載。光学ローパスフィルターでモアレを抑制し、ヴィーナスエンジンと組み合わせ、ISO 51200での高感度撮影も可能。

シネマカメラのVARICAMにも導入されている、デュアルネイティブISOテクノロジーも搭載。一般的なイメージセンサーは、単一の感度・ゲイン回路構成であるため、高感度になるほどノイズも同時に増幅されてしまう。デュアルネイティブISOは、低ISO感度用と低ノイズ・高ISO感度用の2系統の専用回路をイメージセンサーの各画素に装備。高ISO感度設定時でもノイズの増加を抑えられる。

この機能では、ユーザーがLOW(ISO 640-5000)とHIGH(ISO 4000-51200)の設定を切り替えられる。

背面

多様な記録モードを備えており、フルエリア3:2での6K/24p、5.4K/30pに加え、フルエリア16:9での5.9K/30p、4K/C4K30p、フルHD/60p、スーパー35mmのクロップ16:9で、4K/C4K60p/10bit、フルHD/60pでの記録も可能。スーパー35mmのクロップ4:3で、アナモフィック4K/50pでの撮影もできる。

フルサイズミラレースでは初めて、C4K/4Kで、4:2:2 10bit記録が可能。内部記録では30pまで、外部出力は60pまでサポート。C4K/4K 4:2:2 10bitで内部記録しながら、HDMI端子から出力できる。

GH5Sは「C4K/60p 10bit内部記録+8bit外部出力」もしくは「C4K/4K60p 4:2:2 10bit外部出力のみ」だったが、S1Hでは「C4K/60p 10bit内部記録+4:2:2 10bit外部出力」に対応している。

外部モニターを接続したところ

14ストップ以上のダイナミックレンジを実現し、暗い部分と明るい部分の両方を正確に再現。V-Log/V-Gamutにも対応し、「シネマカメラクラスの階調で撮影できる」という。HDRのHLGにも対応する。

V-Logビューアシスト機能として、LUT(Look up table)表示機能も搭載。LUTダウンロードページも用意。シネマカメラのLUTライブラリを、撮影/加工時に使用できる。

従来のカメラはフォトスタイルの1つとして、撮って出しでシネマライクな仕上がりを実現する「シネライクD」と「シネライクV」を備えていたが、S1Hではこれらも「シネライクD2」と「シネライクV2」へと進化。思想は変えず、ダイナミックレンジを向上させつつ、色をあわせるようなチューニングになっている。

動画の記録モードは、編集用途・プロ向けとして、MOV形式で、音声はハイレゾのリニアPCMで記録。AV連携用として、AAC音声のMP4、AC-3音声のAVCHDでも撮影できる。

放熱のシミュレーションや、新たな構造の冷却ファンなどを活用し、時間制限のない動画撮影を可能とした。

ジャイロセンサー、画像センサー、加速度センサーからの情報を活用した、ボディ内手ブレ補正機能も搭載。カメラボディ側の5軸手ブレ補正と、LUMIX SシリーズレンズのOIS(2軸、光学式手ぶれ補正)を組み合わせた、最大6.5段の補正も可能。

業務に求められるレベルまでゼブラパターンの仕様を改善、波形モニターの表示サイズ変更、音声収録性能の向上や録音レベルメーターの表示改善、撮影中のカメラを示す“タリーランプ”の搭載など、細かな進化も行なわれている。

堅牢性を高めるため、マグネシウム合金製のトップ/フロント/リアフレームを採用。すべてのジョイント、ダイヤル、ボタンにはシーリングを施し、防塵・防滴性能を高め、-10度までの耐低温性能も実現。シャッターユニットは、約40万回の耐久性を誇る。

UHS-II、Video Speed Class 90に対応するSDカードスロットを2基搭載。リレー記録、振り分け記録、バックアップ記録も可能。

SDカードスロットを2基搭載

USB 3.1 Type-C端子も備え、Power Delivery(PD)にも対応。USB充電+給電が可能。バッテリーの持続時間は約2時間以上、充電所要時間は約2時間。

背面には、新開発のチルトフリーアングル・タッチ液晶を搭載。HDMI出力時に、外部モニターを干渉しないように配慮されている。

新開発のチルトフリーアングル・タッチ液晶

レンズのマウントは、Lマウントを採用。マウントアダプター経由で、PLマウントやEFマウントのシネレンズも装着できる。シネレンズ対応強化に向け、電気接点が無いレンズの情報管理メニューも追加した。

その他、静止画カメラとしてはS1と同等のスペックを備えている。また、S1RやS1向けの、様々なアクセサリも使用可能。マイクアダプター「DMW-XLR1」、リモートシャッター「DMW-RS2」、アイカップ「DMW-EC6」、バッテリーグリップ「DMW-BGS1」、バッテリー充電器「DMW-BTC14」などを用意。

マイクアダプターは、高音質なステレオサウンドを録音するための、XLRマイク用のプラグインアダプタで、リップシンク録音に最適という。

Bluetooth 4.2(BLE:Bluetooth Low Energy)にも対応。電力消費を抑えながら、スマートフォンやタブレットとの常時接続が可能。複数のS1Hカメラを使用する場合に、1台のS1Hの設定をコピーし、他のS1Hへとワイヤレス送信も可能。2.4GHzに加え、5GHz帯もサポート。写真/ビデオデータの高速伝送や、撮影データのスマートフォンやタブレットへの送信なども可能。