BDへの補償金指定について、JVAが文化庁に意見提出

-「光学的方法を特定する必要はない」


5月11日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は8日、Blu-ray Disc規格による録画機器と記録媒体を、私的録音録画補償金制度の対象とする著作権法施行令の改正について、文化庁への意見書を提出した。

 文化庁では、5月22日より施行予定の著作権法施行令の一部を改正する政令案で、BD録画機器や記録媒体を私的録音録画補償金制度の対象に加える方針で、1日より意見募集を行なっていた。今回、JVAはこの意見募集に対して、提出した意見を公開した。

 改正案では、Blu-ray Disc規格を特定するために、「標準的な室内環境において、波長が405nmのレーザー光を開口数が0.85の対物レンズを通して照射すること」という文章が追加されているが、JVAでは「特定機器/記録媒体の指定において、『機器が記録媒体に記録を行なう際に従うべき光学的方法に係る基準を定める』必要は無い。これを定めることにより私的録画補償金制度が有名無実と化す蓋然性が高いと思われ、強く反対する」と意見している。

 その理由として、「録画方法が赤色レーザーであろうと青色レーザーであろうと、私的録画のための機器であることには相違ない。著作権法の見地からすれば“光学的方法の特定”の必要があるとは思えない」と訴えている。

 BD規格の特定については、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の意見が反映された形だが、その主張の根拠としてJEITAでは「今後開発された、レーザー波長やレンズ開口数の異なる機器でも対象になる可能性」を問題視していた。この意見についてJVAは「記憶容量の増大は補償の必要性を増大させることはあっても減少、消滅させるものではない」と反論。「省令で光学的方法の特定を行なうことは、新規録画機器・記録媒体を補償金の対象機器に指定するまでの期間が長期化することの不都合を拡大し、私的録音録画補償金制度を有名無実化する結果となりかねない」とし、光学的方法の特定は不要と訴えている。


(2009年 5月 12日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]