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SOULNOTE、電流供給力2倍のモノブロックパワーアンプ「M-3X」
2025年3月26日 16:13
SOULNOTEは、モノブロックパワーアンプ「M-3」の電流供給能力を2倍に高めた「M-3X」を、4月1日に発売する。プレミアム・シルバー、プレミアム・ブラックの2色展開で、価格はどちらも1,911,800円。
シングルプッシュの特長である空間表現力や浸透力は損なわずに電流供給能力を2倍に強化し「繊細な表現力と圧倒的な駆動力の両立に成功した」という。最大出力は240W(2.7Ω)。
新開発のトランジスタペアリング手法を導入。音楽再生時のトランジスタの電流変化により、時間軸上で刻々と変化するhfe(電流増幅率)の変動率も揃える、厳密なペアリング手法を新たに開発。
多数のトランジスタについて、さまざな電流値でのhfe測定データをインプットし、すべての組み合わせに対してユークリッド距離を算出。基準値以内(測定誤差を考慮すると同一と言えるレベル)のトランジスタペアを選出する。この手法により、シングルプッシュプルに匹敵する「滲みのないパラレルプッシュプル」を実現したとのこと。
出力段のトランジスタにはM-3で採用した産業用TO3(メタルキャンタイプ)トランジスタのペアを採用。またふたつのTO3トランジスタをドライブするために、ドライバー段にもTO3Pトランジスタを採用し、トータルで4段ダーリントン構成とした。
メインヒートシンクには、軽量小型の銅板製ヒートシンクを採用した。このヒートシンクはキャンタイプトランジスタへの給電バスバーを兼ねており、キャンタイプトランジスタの端子はバスバーを貫通し、直下の基板に直接マウントされている。
キャンタイプトランジスタの欠点でもあるワイヤリング配線を排除して、インダクタンス成分に起因する不安定さを払拭すると同時に、絶縁シートがデバイスをダンプすることによる音質劣化も排除したという。ヒートシンクがシャーシから物理的に独立することによる解放感や透明感など、音質的にも効果は絶大で「まさに一石三鳥のヒートシンク」だという。
M-3Xでは絶縁シートを排除したことで、トランジスタペアの温度結合が向上し、温度変化による時間軸のにじみも排除した。
ゲインの無い差動回路と、エミッタホロア、電圧を、1基のトランジスタでフルスイング増幅。このトランジスタの負荷抵抗がGNDのみに接続される「対GND単段増幅シングルエンド無帰還回路」(新型Type-R回路)を採用している。
この新型Type-R回路はバイポーラトランジスタ4個と抵抗10本のみで構成されており、基本的には真空管シングルアンプと同じでありながら、「さらに合理的に広帯域フルスイング出力を取り出す。これ以上考えられない、リファレンスと呼ぶにふさわしい理想的な無帰還回路」としている。
ベースモデルのM-3は「電流を扱うパワーアンプは単機能に徹するべき」という発見から誕生したモデルで、今回のM-3Xでも、入力端子・スピーカー端子は1組のみ搭載。セレクターやアッテネーターはもちろん、あらゆる切り替えが存在しない単機能モノブロックパワーアンプとなっている。
XLR端子から入力された信号は、ダイレクトに初段トランジスタのベースに接続され、単段増幅され、シングルプッシュプルで出力される。操作系は電源スイッチのみで、マイコン系などの余計な回路や部品は一切存在していない。
電源トランスは「ひとりで持ち運び可能」という条件下で許される最大サイズのものを開発。リーケージフラックスの方向が基板と平行になるよう、フロントパネルに垂直マウントされ、有害な振動が筐体に伝わらないようにチタンワッシャーで浮かされた上で、直下の1点スパイクで接地されている。
整流コンデンサには、特別に選別した470uFの高耐圧小容量低倍率箔フィルターコンデンサを採用。その使用本数で容量を最適化し、電源トランスの負荷を軽減することで、超強力な電源トランスの実質レギュレーションをさらに向上させている。整流ダイオードには、許容突入電流値が強化された最新スペックのSiCダイオードを新採用している
脚部は、メインの筐体にスパイク足×3、アンプコンテナにスパイク足×3の合計6本構成。物理的に完全分離した2筐体ながら、電源トランスからの給電ラインを最短にすることで、トランスの振動やリーケージの影響を排除する天板、AC アダプタ、スピーカー端子、入力端子、底板は、音質のためにすべて無固定化している。
全高調波歪率は0.1％(1W)、周波数特性は2Hz～200kHz(±1dB)、入力感度/インピーダンスは2V/25kΩ、ゲインは22dB。
消費電力は156W、無信号時38W。外形寸法は340×512×251mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約31kg。電源ケーブルや専用スピーカーケーブル、専用ラックなどが付属する。
