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B&W、薄型化しても音質アップのNCヘッドフォン「Px7 S3」。aptX Lossless対応
2025年4月24日 11:00
Bowers&Wilkinsは、ハウジングを薄型化しつつ、高音質化も実現した、ANC搭載Bluetoothヘッドフォン「Px7 S3」を4月26日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は68,200円前後。カラーはアンスラサイト・ブラック、キャンバス・ホワイト、インディゴ・ブルーの3色を用意する。
40mm径のバイオセルロース・ドライブ・ユニットを搭載。振動板は前モデルと同じだが、振動板以外のすべてが新規に設計された。ユニットもボイスコイル、エッジ、グリルすべてが新しくなり、マウント式のものになった。
ボイスコイルは軽量なものにする事で、インパルス応答を改善し、音の精度を向上。グリルは開口率の高い形状とし、音の色付けやエネルギーの減衰を抑えている。エッジは、リニアリティを高め、低歪を実現するため、スピーカーのロールレッジにも似た、ビッグロールデザインを採用している。磁気回路も、厚いトッププレート設計のショートコイルを使っているほか、ポールピースには銅キャップを採用。マグネットもより強力なものになっている。
外観的に大きく変わったのはハウジング。前モデルのPx7 S2eが発売された2023年から、ハウジングの再設計に着手し、約2年の年月を経て、「理想のサウンドと美しいデザインを両立できる」というハウジングデザインが完成。Px7 S3で採用された。
イヤーパッドの厚さは同じだが、ハウジング部分がPx7 S2eと比べ、約5mmほど薄くなっている。スピーカーと同様、筐体が小さくなると音に影響が出るものだが、Px7 S3では薄型化しつつ、サウンドパフォーマンスはむしろ向上。「薄型にすることはデザイン性の向上は勿論だが、装着感、密閉感をより高めサウンドパフォーマンスを上げるための変更だった」という。
搭載するユニットは、ハウジング内で角度をつけて取り付けられており、ドライブユニットの放射面から、それぞれの耳までの距離が一定に保たれる配置になっている。
新たな形状により、装着感もアップ。従来モデルでは、人によって耳の裏側下部などに隙間ができる事もあったが、Px7 S3ではそうした人が装着しても、より密閉度がアップしているという。これに伴い、内部のユニット取り付け位置も前モデルよりも少し下の位置になっている。
また、ハウジングが薄型化したことで、装着した状態でヘッドフォンが目立ちにくくなった。アーム部分は、ひねりを加えたような流線型デザインになっている。
Bluetoothのコーデックも進化。SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptiveに加え、新たにaptX Losslessにも対応。44.1kHz/24bitまでのロスレスサウンドを、ワイヤレスで再生できる。マルチポイント接続にも対応する。
また、一般的なBluetoothヘッドフォン/イヤフォンでは、Bluetoothのチップに内蔵したアンプやDACなどを使うことが多いが、Px7 S3はあえてBluetoothチップ内蔵の機能は使わず、独立したDSP、DAC、アンプを搭載。ピュアオーディオブランドとして、音にこだわった部分となっている。
aptX Lossless対応Bluetoothアダプタープレゼントも
aptX Losslessに関しては、対応するスマートフォンやDAPがまだ少ない現状もある。そこで、ディーアンドエムホールディングスは、Px7 S3とPi8を対象とした「ロスレスサウンドをワイヤレスで楽しもうキャンペーン」が2025年7月31日まで実施する。
対象製品を購入し、期間中に申し込むと、クリエイティブメディアのBluetoothアダプター「BT-W6」(クリエイティブ直販価格7,980円)がもらえる。スマホやPCに接続すればaptX Lossless伝送が気軽に楽しめる。BT-W6が不要な場合は、Px7 S3の交換用イヤーパッド(6,600円)を選ぶ事も可能。
空間オーディオ「True immersion」機能も追加予定
ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能も強化。Px7 S2eでは、左右各3、合計6基のマイクを搭載していたが、Px7 S3は左右各4、合計8基のマイクに増加。マイクの取り付け位置も調整する事で、外部ノイズをより効果的に打ち消せる。
前述のように装着感の改善により、密閉度を高め、パッシブノイズキャンセル能力を高めているため、これも全体的なNC性能の向上に寄与している。
なお、B&Wではヘッドフォンの様々な機能よりも、音質の良さを最重要視し、「音質に悪影響を与えない範囲で最高のANCを作ろうと開発している」という。
有線接続も可能で、USB-Cでのデジタル接続も可能。その場合は96kHz/24bitまでのデータに対応する。ステレオミニ-USB-Cのケーブルも同梱しており、ステレオミニのプラグの機器とも接続できる。
アプリも用意しており、NC機能の切り替えや、イコライザーを使った好みの音へのカスタマイズも可能。
今後のアップデートにより「True immersion」という、いわゆる空間オーディオ機能も追加される予定。
バッテリーの駆動時間は30時間。15分の充電で7時間の再生も可能。ヘッドフォンの重量は300g。キャリングケースも同梱する。