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ヤマハ初の密閉ハイエンドヘッドフォン「YH-C3000」登場。“春のヘッドフォン祭”開幕

開放型ヘッドフォン「YH-4000」

フジヤエービック主催「春のヘッドフォン祭 2025」が26日に「ステーションコンファレンス東京」で開催されている。入場者登録不要・入場は無料。多数の企業などが新製品や開発中製品の参考出品を行なっている。ここでは未発表のハイエンドヘッドフォン×2モデルを参考展示しているヤマハブースをレポートする。

密閉型ドヘッドフォン「YH-C3000」

ヤマハミュージックジャパンのブースで公開されたのは、開放型ヘッドフォン「YH-4000」と、密閉型ドヘッドフォン「YH-C3000」。発売日や価格は未定だが、既発売の開放型ハイエンドヘッドフォン「YH-5000SE」(495,000円)の型番を踏まえると、各モデルのおおよその位置づけがイメージできる。

開放型ヘッドフォン「YH-4000」

開放型ヘッドフォン「YH-4000」

YH-4000は、YH-5000SEと同じ開放型で、デザインも似ている。搭載しているドライバーも、YH-5000SEで採用したヤマハ独自の「オルソダイナミックドライバー」で、平面磁界型。超軽量かつ薄膜の振動板になっており、音楽の微妙なニュアンスや繊細な空気感を引き出せる応答性に優れている。口径は50mm。

ヤマハ独自の「オルソダイナミックドライバー」

このドライバーを採用しつつ、新設計のPETフィルターなどを内部に配置し、新たにチューニングを行なっている。イヤーパッドも新開発のものとなる。なお、既存のYH-5000SEには、豊富なケーブルやヘッドフォンスタンドまで付属しているが、YH-4000はそうした付属品はシンプルになる予定。

密閉型の「YH-C3000」

YH-C3000は、ヤマハのハイエンドヘッドフォンとしては初の密閉型モデル。10年間に渡り研究開発を続けてきた新たな振動板を採用したダイナミックドライバーの技術と、楽器メーカーとしてのヤマハが持っている技術を掛け合わせた「ヤマハでしか作れないヘッドホン」という。

密閉型のYH-C3000

注目は振動板で、ヤマハはハイエンドスピーカーのユニットに、高剛性な「Zylon(ザイロン)」を使っているが、YH-C3000の振動板は、Zylonも配合した2枚の高剛性な振動板で、軽量発泡層をサンドイッチした“3層構造振動板”になっている事。軽くて適度な内部損失を持つ中間層を、剛性の高い層で挟む事で、単一物性では実現できない、硬さと適度な内部損失、そして軽さを両立したそうだ。

3層構造振動板を採用

ハウジングには、ピアノでも使っているブナを使用。木目を残しつつ、光沢のある塗装で仕上げている。

ヘッドフォンアンプも開発中

ヘッドフォンアンプ「HA-3000A」

ヘッドフォンに加え、ヘッドフォンアンプ「HA-3000A」も参考出品。最大の特徴は、ヤマハがスピーカー用のアンプで採用している、アースに乗っているノイズの影響を受けないバランス伝送方式の回路を持つ「フローティング&バランスアンプ」の技術を使い、ヘッドフォンアンプを開発している事。アナログ入力としてRCAとXLR端子も備えている。さらに、DACも内蔵し、USB-B、同軸デジタル、光デジタル入力も備えている。

こちらも価格や発売時期は未定だが、型番を見る限り、前述のYH-C3000などとマッチするアンプになりそうだ。

ヤマハのブース内には、試聴体験コーナーを3カ所設置。YH-4000/YH-C3000に加えて、YH-5000SEも試聴可能になっており、ヘッドフォンアンプ「HA-L7A」、アナログプレーヤー「GT-5000」、プリアンプ「C-5000」を用意したブースを1カ所、YH-4000/YH-C3000とHA-L7Aの組み合わせで試聴できるブースを2カ所用意されていた。

ブースには開発メンバーも集まり、来場者からの質問に答えていた