ヤマハ、音質と携帯性追求した密閉型ヘッドフォン

「HPH-PRO500/PRO300」。ケーブル交換/UVコート


「HPH-PRO500」のカラーは、ブラック(右)とレーシングブルー(左)の2色

 ヤマハは、ヘッドフォンの新製品として、「HPH-PRO500」と「HPH-PRO300」の2機種を発売する。価格はどちらもオープンプライス。発売時期と店頭予想価格は、「HPH-PRO500」が12月下旬で5万円前後、「HPH-PRO300」が11月下旬で3万円前後。どちらも直販サイトのYダイレクトで販売するほか、全国のインテリアショップやセレクトショップへも順次拡大予定。

 カラーは、「HPH-PRO500」がエボニーブラック(B)とレーシングブルー(A)の2色。「HPH-PRO300」がエボニーブラック(B)とレーシングブルー(A)、アイボリーホワイト(W)の3色、レーシングブルーは、ヤマハ発動機のバイクの色をベースとしている。


「HPH-PRO500」のレーシングブルー「HPH-PRO300」のレーシングブルー「HPH-PRO300」のアイボリーホワイト
「HPH-PRO500」はハウジングが大きめのアラウンドイヤータイプハウジングの折りたたみも可能「HPH-PRO300」のカラーは、ブラックとレーシングブルー、ホワイトの3色

 どちらのモデルも密閉型ハウジングを採用したヘッドフォンで、ユニットは「HPH-PRO500」が50mm径、「HPH-PRO300」が40mm径。音質と携帯性の両立を目指した製品となっており、どちらのモデルもハウジングをヘッドアーム方向に折りたたむ事ができ、コンパクトに収納できる。ハウジングには傷がつきにくいUV塗装を施している。「ひとつの球体から切り出したような一体感のあるスタイリングを実現した」という。

 どちらのモデルも、磁気回路にはネオジウムマグネットを使用。PRO500は、ユニットの背後に内蔵するバックケースの素材に、高剛性のアルミ合金を使用。「ワイドレンジでスケール感豊かな、透明感あふれるサウンドを追求した」という。ハウジングのロゴプレートはマグネシウム製。

 PRO500は耳の周囲を覆う、アラウンドイヤータイプで、イヤーパッドにはウレタン素材を使用。遮音性と快適な装着感を追求したという。

 ハウジングが小さめのPR300は、オンイヤータイプ。イヤーパッドにウレタン素材を使い、適度な圧力でホールドする事で、装着中に頭を動かしてもずれにくいという。

 PRO500はケーブルの着脱が可能で、1.2mと3m、2つの長さのフラットケーブルを同梱。1.2mのタイプには、iPhone/iPod/iPadが操作できるマイク付きリモコンも備えている。ヘッドフォンとケーブルの接続端子はステレオミニ。プレーヤーとの接続端子もステレオミニで、標準への変換プラグも同梱。このプラグは、PRO500の音質に合わせて開発した専用品だという。

 PRO300はケーブル着脱はできない。1.2mのフラットケーブルを採用し、PRO500と同様にマイク付きリモコンも装備。付属の標準変換プラグは、専用品となる。

 再生周波数帯域はどちらのモデルも20Hz~20kHz。インピーダンスと出力音圧レベル、最大入力は、PRO500が22Ω、105dB、1,000mW。PRO300が53Ω、107dB、300mW。PRO500のケーブルを除いた重量は、369g。PRO300のケーブルを含めた重量は200g。PRO500にはハードケースとクリーニングクロス、PRO300にはソフトケースとクリーニングクロスが付属する。

「HPH-PRO500」のブラックモデル。ケーブルの着脱が可能「HPH-PRO300」のカラーは、ブラックとレーシングブルー、ホワイトの3色
ケーブルを抜いたところiPhoneなどが操作できるマイク付きリモコンも搭載
「HPH-PRO300」のレーシングブルーPRO300も折りたためる
ケーブルは着脱できないホワイトモデル



■ファーストインプレッション

 短時間だが、試聴したので印象をお伝えしたい。

 どちらのモデルもデザイン性が高く、しっかりした側圧でホールドするタイプ。「HPH-PRO500」はハウジングが大きく、耳を覆うアラウンドイヤー、小さめの「HPH-PRO300」はオンイヤーという違いがあるが、どちらも遮音性、密閉性が高く、屋外でも音楽に集中できる印象だ。

 デザイン的には低域が強めのバランスを想像するが、実際に聴いてみるとヤマハらしい、色付けの少ない高解像度サウンドが印象に残る、スッキリとしたサウンドだ。

 「HPH-PRO500」はワイドレンジで、中高域がクリア。モニターライクな描写力だが、低音を骨太にゴリゴリ描写するタイプではなく、比較的ゆったりと量感豊かに描写。キツくなり過ぎない、音楽性豊かな美音が楽しめる側面も持ちあわせている。

 「HPH-PRO300」もPRO500と傾向は似ている、モニターライクなサウンド。付帯音がとても少なく、抜けの良さはPRO500を上回る部分もある。PRO500と同じく、低域をドンドンと強く主張するタイプではなく、中低域の張り出しはむしろ控えめ。中高域のクリアさ、繊細な描写を味わいやすいバランスをとりつつ、最低音は描写し、安定感のある再生を可能にしている。



(2012年 10月 25日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]