ミニレビュー
約6000円で買える、SOUNDPEATS「UUイヤーカフ」使ってみた。イヤカフ型入門におすすめ
2025年3月13日 08:00
昨年末、サブ機としてAndroidスマートフォンを購入して、久しぶりにスマホ2台持ちを復活させた。そのサブスマホ用にリーズナブルな“ながら聴き”イヤフォンを探していて購入したのがSOUNDPEATSのイヤーカフ型「UUイヤーカフ」。通常価格は6,180円だが、500円OFFクーポンが配布されているタイミングで購入できたので、5,680円で購入できた。
購入してから約2週間ほど使ってみると、外装など値段相応に感じられる部分もあったものの、BGMとして音楽を楽しむ用途としては必要十分なパフォーマンスの1台に感じられた。
左右自動識別、低遅延モード。低価格でも基本スペック充実
昨今、多くのメーカーから発売されている開放型イヤフォン。ネックバンド型や耳掛け型、さらにはメガネ型などバリエーションもさまざまだが、特にここ最近人気なのが耳を挟むように装着するイヤーカフ型。その先駆者とも言えるambieを筆頭に、ボーズやビクター、アンカー、ファーウェイ、Shokzなど、各社から新製品が相次いで投入されている。
筆者も耳を挟むように着けるだけという手軽さが気に入っており、犬の散歩や近所のスーパー、コンビニへの買い物など、ちょっとした外出時や洗い物や掃除などの家事中にイヤーカフ型イヤフォンをよく使っている。
手持ちのイヤーカフ型イヤフォンはマルチポイント接続に対応しているものの、筆者の環境では「起動直後、どのデバイスに対して優先的に接続するか」が指定できない。そのため「iPhoneで曲を聴きたいのに、Androidで観ていた動画の続きが再生される」ということが何度かあって不便に感じていた。
というわけで、iPhoneとAndroidそれぞれに専用のイヤーカフ型イヤフォンを用意しようと決意。サブ機のAndroidは、メイン機のiPhoneより使用頻度は少ないので、なるべくリーズナブルなイヤフォンにしたいと思って購入したのが、SOUNDPEATSのUUイヤーカフとなる。
UUイヤーカフは2月24日に発売されたばかりの新モデル。ドライバーは10.8mm径のデュアルマグネットダイナミック型。低音を強化するイコライザー(EQ)「ダイナミックEQ」と組み合わせることで「迫力と量感のある音質再生を実現。あらゆるジャンルにおいて楽曲本来の魅力を引き出す」という。
特許出願中の独自開発技術「SOUNDPEATS AeroVoice」を搭載しているのも特徴。空気の流れる方向を変えることで、ランニング時に発生する風切り音を25%低減するという。
Bluetooth 5.4準拠で、コーデックはSBCとAACをサポートする。競合他社のモデルでは、aptX Adaptiveなどより高音質なコーデックに対応しているものもあるが、BGM的に音楽を楽しむ用途としては十分なスペックだ。
バッテリー持続時間はイヤフォン単体で約8時間、ケース併用で最大約30時間。イヤフォンはIPX5の防水仕様なので急な雨や、運動中の汗も気にせず使用できる。また近年多くのイヤーカフ型イヤフォンが対応している左右自動識別機能にも対応。左右を気にせずケースにしまうことができる。
ただし、左右の認識は充電ケースの格納位置と取り出し順で決まる形。競合他社の製品では耳に装着した時点で左右を識別するものもあるが、UUイヤーカフの場合は違うので注意してほしい。
イヤフォンはタッチ式ではなく、物理ボタンを搭載し、誤操作が少ないという。音量の調整や楽曲スキップなどができる。
アプリ「PeatsAudio」からタッチ操作のカスタマイズやイコライザー設定が可能。楽曲に応じて再生周波数帯域をダイナミックに自動調整するという「ダイナミックEQ」や、低遅延の「ゲームモード」、独自のアルゴリズムで映画館やライブ会場のような立体音響を実現するという「ムービーモード」などを利用できる。
装着感は軽いのに外れない。「ダイナミックEQ」は常時ONがおすすめ
実機を手にすると、ケースは手のひらに収まるコンパクトさでポケットに入れても持ち歩きやすい。ケースは光沢感を抑えた少しマットな仕上げ。装着感は耳がイヤフォンに挟まれている感覚はほとんどないものの、しっかりとした安定感があり、洗い物などの家事中や犬の散歩程度では外れることはない。
試しに激しく首を振ったり、その場でジャンプを繰り返してみても外れることはなかったので、ワークアウトなどでも活用できるだろう。
UUイヤーカフの特徴である物理ボタンは、装着時背面部に来る球体の上部に搭載。表面にポッチも付いているので、指先の感覚だけでボタンの位置を把握できる。
ボタン操作時に効果音などは流れないが、ボタンが耳に近いところにあるためか、「カチッ」という押し込んだ音が耳に届くため、操作もしやすかった。
筆者の利用環境は、スマートフォンがGalaxy Z Fold 4で、CCイヤーカフとはAACで接続。音楽は主にApple MusicとYouTube Musicで再生している。
またイコライザー設定ではダイナミックEQをつねにONにしている。OFFの状態だと全体的にのっぺりとしたサウンドに感じられるのに対し、ダイナミックEQを使うと音の分離感が良くなって粒立ちが良くなるほか、低域のアタック感、迫力もアップする。個人的にはUUイヤーカフを購入したら、まずはONにしてほしい機能だ。
ダイナミックEQをONにすると、解像感はそこまで高くないものの、歌声がしっかりと耳に届く。「怪獣/サカナクション」や「月面着陸計画/tuki.」ではボーカルが一歩前に出ている感覚でしっかり歌声が聴けつつ、ピアノやギター、ドラム、クラップなども楽しめる。
もちろん音楽としっかり向き合って聴き込むには、各楽器の描写力や解像感には物足りなさがあり、低域の迫力もほとんどないが、作業のお供として音楽を楽しむという用途としてはまったく不満はなく、お気に入りのフレーズが流れてくると、ふと手を止めて音楽に聞き入りたくなる描写力は持ち合わせている。
音楽以外にもradikoやポッドキャスト、YouTubeのラジオ/雑談配信などを聴いてみても、話し声がハッキリと届くので聴きやすい。ダイナミックEQがONのままでも、男性の話し声の低音部分が少し強調される程度で、特に声がボワボワとして聴きにくいということもなく、不満なく楽しめた。
先行して発売中「CCイヤーカフ」との違いは?
SOUNDPEATSからは、このUUイヤーカフに先行する形で2024年11月に「CCイヤーカフ」というイヤーカフ型完全ワイヤレスが発売されている。価格は7,280円で、UUイヤーカフよりも1,100円ほど高い。
イヤフォンの形状は、CCイヤーカフのほうが“ブリッジ”が太く左右対称のデザイン。ケースもよりコンパクトで光沢感のある仕上げになっている。
搭載しているダイナミックドライバーの口径も異なり、CCイヤーカフは12mmとUUイヤーカフの10.8mm径よりも大きくなっている。バッテリー持続時間も違いがあり、CCイヤーカフはイヤフォン単体約6時間、ケース併用で約24時間と、UUイヤーカフも少し短めだ。
装着感はCCイヤーカフのほうが耳を挟んでいる感覚は少し強めで、よりしっかりホールドされている印象を受ける。ただし、CCイヤーカフ、UUイヤーカフともに頭を振ったり飛び跳ねる程度では耳から外れてしまうことはなかった。
サウンドはUUイヤーカフが全体的にシャリシャリとした、やや高域寄りの音になっているのに対し、より口径の大きいドライバーを積んでいるCCイヤーカフのほうが低域に厚みを感じられる。「ながら聴きイヤフォンでも低音の迫力は感じたい」という人にはCCイヤーカフのほうがマッチするだろう。
ただ、個人的にはCCイヤーカフのケースの光沢感は“テカり感”に感じられて少しチープな印象を受ける。またCCイヤーカフはタッチ操作対応なのだが、本体正面、装着時に耳の穴側に来るエリアをタップする仕組みなので、あまり操作感は良くない。
物理ボタンの操作のしやすさやバッテリー駆動時間なども踏まえると、個人的にはUUイヤーカフのほうが使いやすいと感じている。
はじめてのイヤカフに最適
イヤーカフ型イヤフォンは、メガネなどとも干渉せずに使え、アクセサリー感覚で装着も簡単。人気の“ながら聴きイヤフォン”ジャンルでも、各メーカーが新製品を投入していることもあり、気になっているユーザーも多いはず。
ただ、競合製品は1万円以上、なかには3万円を超えるモデルもあり、なかなか手を出しにくい。SOUNDPEATSのUUイヤーカフは6,180円と比較的リーズナブルで、セールのタイミングならより低価格で購入できることもあるはず。
とりあえずイヤーカフ型を使ってみたいという人はもちろん、筆者のようにすでにイヤーカフ型を愛用していて、予備としてもう1台買っておきたいという人にもピッタリだ。