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三菱、赤色レーザー+青/緑LEDの液晶TV「REAL LASERVUE」

50型で30万円、39型も。色再現向上。BD内蔵で1位に

新REAL LASERVUE

 三菱電機は、赤色レーザー光源と、青色/緑色LEDを使った新バックライトシステムにより色再現性を向上した液晶テレビ「REAL LASERVUE(リアルレーザービュー)」の新モデルとして、50型の「LCD-50LSR4」と39型の「LCD-39LSR4」を5月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は50型が30万円前後、39型が25万円前後。

LCD-50LSR4
LCD-39LSR4
LCD-50LSR4(左)、LCD-39LSR4(右)
新モデルの特徴

 昨年モデルのLCD-55LSR3と同様に赤色レーザーバックライトとLEDを組み合わせたバックライト光源を採用した液晶テレビ。LED光源を改良し、従来と同じシアン系LEDながら、青色系のシアンLEDと緑色系のシアンLEDを独立して採用。これにより、緑色系や黄色系の発色をより鮮やかにしたという。

 デザインも一新し、従来機から約25mm細くなったアルミ製の画面枠を採用。インテリアとの整合性を向上し、画面枠やスタンドにはヘアライン加工を施している。三菱REALの特徴である「DIATONE NCVスピーカー」による高画質、BD/HDDレコーダ一体型の3D対応オールインワンなどの特徴を継承。同社の掲げる「スマートクオリティ」のコンセプトのもと、価値オンリーワン製品として訴求する。

赤色レーザー+2種のLEDで画質向上

レーザー光源と2種類のLEDで色再現向上

 赤色レーザー+シアンLEDのバックライトを採用した液晶テレビ。パネルは50型、39型ともに1,920×1,080ドットのフルHDで、別売の3Dメガネ「EY-3DGLLC2」を追加することで、フレームシーケンシャル方式の3Dにも対応する。

 レーザー光源と青色系、緑色系のシアンLEDの採用により、黄色と緑色系の発色を向上。さらに、直線性の高いレーザーの光とLEDの光の両方を効率よく液晶パネルに投射するバックライト光学系の開発により、深い赤系色(赤、ピンク、紫)を鮮やかに再現できるという。白色LED光源の液晶テレビでは各色の成分が混合し濁った光になるが、緑から赤の波長がきれいに分離されるため、深緑からスカイブルーの表現力も向上。あわせて、色再現範囲も向上しており、LEDバックライトの'12年モデル「LCD-55MDR2」との比較では、約131%の広色域を実現('12年のレーザーモデル「LCD-55LSR3」は129%)。xvYCCに準拠したx.v.Colorに対応する。

 高画質化回路の「DIAMOND 3D Engine PRO」を搭載。インパルス型発光制御による動画再現性向上や、超解像技術の「DIAMOND HD」などで画質を向上。12色を独立コントロールして、圧縮された色再現範囲を推定して自然な色彩を再現するという「DIACOLOR HD」も搭載している。ゲームモードも搭載している。

10基のDIATONE NCVスピーカーで音質強化

 1TB HDDとBlu-rayレコーダを内蔵。チューナは地上/BS/110度CSデジタル×3で、最大12倍の長時間録画や、2番組同時録画に対応。別売USB HDDへの録画も可能となっている。BDドライブは前面ディスクトレイで、ディスクの出し入れを容易にしている。Blu-ray 3D再生や音楽CDの再生も可能。

 BD→HDDへの「ムーブバック」やHDD内での録画モード変更、BDXL、スカパー! HD録画、AVCRECなどに対応。また、故障時にもBDドライブとHDDを取り出して修理できる「らく楽メンテ」を採用している。

前面トレーのBDドライブを搭載
スタンドの奥行きを使ってBDの設置スペースを確保
側面
DIATONE NCVスピーカーを搭載

 スピーカーは「DIATONE NCVスピーカー」。センタースピーカー×2と、サイドスピーカーは左右各×2、ウーファも左右各×2の合計10基のスピーカーを内蔵する。全ての振動板が、チタン並の伝搬速度と、紙コーン並の適度な内部損失を両立したDIATONE NCVスピーカーを採用し、原音に忠実な澄み切った音を実現。背面にバスレフポートも備えている。出力は総合50W。「DIATONEサラウンド」、「DIATONEサラウンドHEADPHONE」などの独自技術も搭載している。

 音質補間技術の「DIATONE HD」を搭載。Bluetoothも内蔵しており、スマートフォンなどの音楽をテレビのDIATONEスピーカーで楽しめる。リモコンでテレビの向きを変更できる「オートターン」などの機能も装備している。

DIATONE NCVスピーカーを搭載
背面にバスレフポート
リモコン

 リモコンは大きな文字でわかりやすいシートボタンの「グット楽リモコン」で、Bluetoothをワンボタンで呼び出せる「ワイヤレスボタン」も装備。音が小さい時に、聞きやすさを向上する「音ハッキリ」や音量や人の声を自動調整する「おすすめ音量」、画面の文字を読み上げる「しゃべるテレビ」などの「らく楽アシスト」機能を備えている。

 Ethernetを装備し、DLNAにも対応。アクトビラやTSUTAYA TV、GIGA.TVなどのサービスに対応する。また、専用アプリ「REAL Remote」を使って、iPhoneやiPadからのチャンネル選局や音量調整に対応する。

 入力端子はHDMI×2、コンポジット×2、アナログ音声×1。出力端子は光デジタル音声×1、ヘッドフォン×1。録画用のUSB端子やi.LINK、SDカードスロットも備えている。消費電力と年間消費電力量は、50型が164W、160kWh/年、39型が129W、117kWh/年。外形寸法/重量は、50型が113.2×36.3×81.1cm(幅×奥行き×高さ)/27.8kg、39型が88.9×36.3×67.4cm(同)/22.1kg。

BD内蔵テレビの一番手に

リビング・デジタルメディア事業本部の菊池康男 家電事業部長

 リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長の菊池康男氏は、居住用途家電の市場は2010年度の10兆円規模から、8兆円規模にまで縮小傾向であるが、同社の中心である白物家電の影響は少ないことを紹介。落ち込みが続く映像事業についても、「需給ギャップ解消の局面で、12年度が底と見ている」として、'13年度は回復基調にあるとの見通しを示した。

 同社の事業コンセプトである「スマートクオリティ」にもとづき、テレビ事業については、「暮らしを楽しくする価値オンリーワン製品」として展開。「フルラインナップではなく、三菱電機の価値を伝えられる製品、具体的には録画テレビの領域に力を入れていく」と意気込みを語った。

京都製作所 石井 副所長

 京都製作所 副所長 石井良典氏は、'13年度の市場規模を600万台と予測。2012年の576万台よりは若干の増加となる見込みだが、'10年度の2,568万台との比較でいうと、大幅な需要減となっている。こうした環境下では、「ユーザーはより特長ある機能を求めている」として、特に録画テレビに注力。全需要の約4%がBD+HDD内蔵と予測し、その領域をREALシリーズで攻めていくとする。

 なお、目標シェアは公表していないが、「600万台のうち録画テレビは4%で、日本のBD内蔵テレビは24万台。ここで一番手を狙っていく」とのこと。4Kテレビについては「業務用ディスプレイは2年前からやっている。民生用も技術開発は進めているが、市場動向、周辺機器、コンテンツなどのタイミングを見計らいながら検討する。時期については公表できない」とした。

薄型テレビは'12年度に“底打ち”
特徴ある製品を目指す

(臼田勤哉)