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【CES】JVCケンウッド、LCOSプロジェクタ/フルHDカメラ搭載メガネ、小型4Kカメラなど

 米国ラスベガスで1月10日(現地時間)まで行なわれている「2014 International CES」から、JVCケンウッドのブースをレポートする。

LCOSプロジェクタをメガネや車のディスプレイに

Near Eye Display with Cameraの装着例

 同社展示で注目されていたのは、LCOS(反射型液晶)プロジェクタを使って現実の風景に映像を重ねる技術を用いたデモ。

 「Near Eye Display with Camera」は、メガネに小型LCOSプロジェクタやカメラを搭載したもので、片目で地図やマニュアルなどの情報を映像で確認しながら作業できるもの。倉庫作業や、レスキュー隊員、レーシングチームのメカニックなど、BtoB製品として提案している。製品化は'14~'15年を目指している。

 搭載プロジェクタは1,280×720ドットで、1m先に12型の映像が見える。カメラは1,920×1,080ドットのフルHDで、ブレ補正や電子ズームも備える。カメラとデイスプレイはそれぞれケーブルで小型のバッテリ内蔵ユニットにつながっており、このユニットは腕に巻く方法などで固定する。LCOSで720pの高精細を活かし、文字などが判別しやすいという。

映像を体験できるコーナーも用意
細かな文字も判別しやすい
会場の風景をカメラでとらえてそのままメガネに表示したところ
プロジェクタ部は可動式で、下げると前方も見える
バッテリなどのユニットは腕に装着
主な仕様や用途
車載用HUDなど4画面を表示。視線移動をせずに安全確認がしやすい

 車載向けにHUD(ヘッドアップディスプレイ)のデモも行なっている。これまでのイベントでもLCOSを使ったHUD展示は行なっているが、今回はHUDと電子メーター、サイドビューカメラ(左右)の4面のディスプレイで構成したものを展示。運転席を模したシートに座って映像を観ることができる。

 中央上のHUD映像と、中央の電子メーターはそれぞれ別のLCOSプロジェクタから投写。HUD映像はフロントガラスの奥に映像が見えるようになっており、運転席から2m先に10.6型映像が見える。メーターも2m先で、画面サイズは13型。

 サイドカメラは200万画素CMOSで、HDMI経由で9型モニタに表示。映像を正確に表示するため、今回のデモ機では同社の放送業務向けモニタの液晶を使ったという。運転者の動きに合わせ、例えば左折の際にウィンカーと連動して左側のカメラ映像をHUD部にも表示するといった画面の自動切り替えにも対応する。

 助手席向けのエンターテイントディスプレイも展示。映像が目の前に浮かびあがって見えるものだが、これはプロジェクタではなく、内部に置いたiPadの映像を反射で目の前に見せているという。アスカネットの空中結像技術「AIプレート」を採用しており、運転席からは助手席用映像が見えないようになっている。

 これら車載システムの製品化は車両メーカーと共同で検討を進めているが、サイドビューカメラの実用化(サイドミラーを不要にする)などには法整備の問題もあるため、早くても製品化は2年後になる見込みだという。

助手席向けのエンタメ映像用ディスプレイ
運転席側からは見えない

Everioに防塵/防水など「クアッドプルーフ」モデル。4Kビデオカメラ小型化も

 同社がアクションカム「ADIXXION」で採用している「防塵」、「防水」、「耐衝撃」、「耐低温」のタフネス性能「クアッドプルーフ」を、Everioにも採用した新モデルが登場予定。32GBメモリ内蔵/SDスロットモデルの「GZ-R70」と、SDスロットのみの「GZ-R10」を用意。価格と発売時期はR70が約499ドルで4月発売、R10が約399ドルで3月発売。

 上記のタフネス機能を備えつつ、40倍の光学ズームも備えるなど、従来のビデオカメラの使い勝手を継承。なお、耐衝撃や耐低温の性能は若干ADIXXIONに比べ下回る。記録はフルHD/60pに対応。バッテリが4.5時間持つことも特徴で、マイクロUSBから充電。モバイルバッテリなどで充電しながら撮影することもできる。

「GZ-R70」(右)と、「GZ-R10」(左)
水に沈めた状態で撮影しているところ

 また、参考展示として同社の「GC-PX100」と同サイズの筐体で4K撮影を実現するという試作機のデモも行なっている。今回の展示では映像をHDMI 2.0経由でスルー出力していた。試作機の撮像センサーサイズは1/2.3型だが、実際に製品化するためのセンサー選択や画作りなどはこれからだという。このサイズ/デザインで製品化するというよりは「4Kカメラもここまで小型化できる」ということを示す展示であるようだ。4KからフルHDの切り出しなど、フルHDモデルとは違う機能についても検討していくという。

4K小型カメラの試作機。奥に見えるのが既存モデル「GC-PX100」
撮影しながらディスプレイにHDMI 1本でスルー出力
ヘッドフォンは、低音を強化したjkシリーズ「HA-M55X」(左)と「HA-S44X」(右)のホワイトモデルなどを3月から発売する
Bluetoothスピーカーも展示。「SP-ABT30」(下段)は、360度方向に音を広げる機構を天面に装備。NFCも内蔵する。価格は約199ドルで、5月に発売。上段にあるのは小型の試作機
JVC/ケンウッドブランドそれぞれのカーナビとカーオーディオ展示。スマホとのMHL/HDMI接続や、ストリーミング音楽配信との連携などが拡大している
ケンウッドブランドの高音質シリーズ「eXcelon」

(中林暁)