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マランツ、HDAM搭載でAtmos/DTS:X対応のAVアンプ最上位「SR7010」

 ディーアンドエムホールディングスは、マランツブランドのAVアンプ最上位モデル「SR7010」を10月上旬に発売する。価格は230,000円。カラーはシルバーゴールド。

AVアンプ最上位モデル「SR7010」

 発売中のプリアンプ・フラッグシップ「AV8802A」の機能や技術を多数投入した一体型のAVアンプ。Dolby Atmosに対応するほか、DTSが新たに発表したオブジェクトベースのサラウンドフォーマット「DTS:X」にも後日のファームウェアアップデートで対応予定。

 9chのアンプを内蔵しており、5.1.2ch、5.1.4ch、7.1.2ch構成に対応。11.2chのプロセッシングも可能で、外部パワーアンプを追加する事で7.1.4ch、9.1.2chまでシステムを拡張できる。

 天井スピーカーに内蔵アンプをアサインし、フロントチャンネルをプリアウトして外部パワーアンプでドライブするなど、柔軟なアサインができる。

 アナログ・デバイセズの第4世代、32bitフローティングポイントのSHARC DSPを4基搭載。Atmosなどのデコードやレンダリングを行なっている。音場補正技術「Audyssey MultEQ XT32」も利用でき、Dolby Atmosのデコードと、Audysseyでの補正を併用できる。

 音場補正技術「Audyssey MultEQ XT32」は、Audyssey技術のコンシューマ向けとしては最高グレードとなり、Atmosに完全対応。マイクを使った測定は最大8カ所まで対応、スピーカーの距離、レベル、サブウーファのクロスオーバー周波数を自動的に設定してくれる。サブウーファ×2台環境で、個別にサブウーファを測定・補正する「Sub EQ HT」も搭載。マイクで測定する際のスタンドも付属する。

内部回路

 DACは、768kHz/32bitまでのデータに対応する旭化成の「AK4458」を採用(SR7010では192kHz/24bitで動作)。電圧出力型であり、「透明感が高く空間表現に優れている」という。デジタルフィルタはスローロールオフ、ディレイタイムはショートディレイ、サウンドアジャストメントは“1”が選択されている。

DACはAK4458。12通りのサウンドタイプから、SR7010では赤字の設定が選択されている

 アナログ部との相互干渉を排除するために、DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には、専用のローノイズSMPSを搭載。スイッチング周波数を最大で従来の約3倍に引き上げ、スイッチングノイズを可聴帯域外へシフトさせている。

ローノイズSMPS
ローノイズSMPS回路や機能性高分子コンデンサ、6層デジタル基板などにより高周波ノイズを低減した

 DSPなどのICへの電源ラインには、ESRが低い導電性ポリマーコンデンサを採用。基盤には2層グランド専用層を持つ6層基板を採用。グランドの低インピーダンス化により、高周波ノイズのシールド効果を高め、輻射ノイズ放射も低減している。

 パワーアンプ部には、最大出力235W(6Ω)×9chのフルディスクリートアンプを採用。全チャンネル同一回路構成で、4Ωスピーカーのドライブにも対応。ハイトチャンネルを使わない場合に、バイワイヤリング対応スピーカーを4chのアンプで駆動するフロント・バイアンプや、2組のフロントスピーカーを切り替えるA+B、マルチゾーン機能も利用できる。

パワーアンプ部

 プリアンプ部には、超ハイスルーレートが特徴の、オリジナルディスクリートアンプモジュール「HDAM SA2」を搭載した、電流帰還型回路を採用。オペアンプを使った場合と比べ、約10倍のスルーレートを実現したという。

プリ部には、超ハイスルーレートなオリジナルディスクリートアンプモジュール「HDAM SA2」を使っている

 電源部には大型EIコアトランスと、カスタムメイドの大容量ブロックコンデンサを採用。高い瞬時電流供給能力を実現し、大型スピーカーも正確かつパワフルにドライブできるという。

 インシュレータ内部には、剛性を高めるためと、共振を防止するためにリブを設けている。

 IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も搭載。Ethernet端子も備えている。Bluetooth受信機能(A2DP)も備え、AirPlayやインターネットラジオの受信にも対応する。

 DLNA 1.5に準拠したネットワークプレーヤー機能と、USB端子も装備。USBメモリ内の楽曲を再生する事もできる。再生対応ファイルは、WMA/MP3/WAV/AAC/FLAC/AppleLossless/AIFF/DSD。WAV/FLAC/AIFFは192kHz/24bit、Apple Losslessは96kHz/24bitまでに対応。DSDは2.8MHzまでサポートするが、ネイティブ再生ではなく、PCM変換再生となる。

 スマートフォンやタブレットで利用できる「Marantz Remote App」も用意。iOS/Androidで利用でき、電源のON/OFF、入力やサラウンドモードの切り替え、ボリューム調整、ネットワーク音楽再生の制御などが可能。

 AM/FMチューナも搭載。FMは補完放送にも対応する。

 HDMIは8入力、3出力で、全てがHDCP 2.2に対応。4K/60p/4:4:4/BT.2020/HDR映像のパススルーができる。

 その他の入力端子は、コンポーネント×3、コンポジット×4(フロント1)、音声入力がアナログRCA×6(フロント×1)、Phono(MM)×1、7.1ch入力×1、光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×2を搭載。

 HDMI以外の出力は13.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドフォン出力×1を装備。Ethernet×1、USB×2も搭載する。外形寸法は440×401×185mm(幅×奥行き×高さ)、重量は13.8kg。消費電力は710W、待機時消費電力は0.2W。

(山崎健太郎)