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フォステクス、RP最上位「TH1000RP/TH1100RP」が“mk2化”。音質進化、コネクタ刷新
2025年9月19日 12:20
フォステクスは、独自開発のプレミアムグレード全面駆動型平面振動板RPドライバーと、阿波藍の熟練職人の手で染め上げた藍の木目ハウジングを組み合わせた、RPヘッドフォン最上位モデルの進化版を10月上旬に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は密閉型の「TH1000RPmk2」が32万円前後、オープン型の「TH1100RPmk2」が38万円前後。
どちらのモデルも、自社技術で改良を重ねているRPテクノロジー全面駆動型平面振動板ドライバー史上、最も大型の振動板を採用。ドライバー内部の空気のダンピングコントロールを中心に、制動材や新イヤーパッドによる流量調整で振動板の動きをmk2化でさらに最適化。
これにより、特に低域における理想的な状態での振動板振幅を実現。プレミアムRPドライバーならではの大型振動板と磁気回路による不要共振を抑えた鋭いレスポンス、高感度と滑らかな周波数特性、優れた過渡特性などで、「mk2化により従来以上に重低音域から高音域までのクリアな音像を忠実かつ明確な定位感で空間に表現する能力を実現した」という。
mk2で新たに採用した新形状イヤーパッドは、顔に当たる面を傾斜させた形状で装着感を最適化。内部の低反発ウレタンは2層構造とし、顔の形状にフィットするよう柔らかいタイプを表側、高弾力タイプを内側に配置したことに加え、従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮の採用により、長時間にわたるリスニングでも快適な掛け心地だという。
mk2化で、2極 3.5mmコネクタを採用し、リケーブルに対応。内部配線材と付属のアンバランス・ケーブルは、不純物を極限まで排除し伝送能力を高めた7N(99.99999%)グレードの高純度OFCケーブルを採用。別売で、4.4.mmバランスケーブル「ET-TH4.4BL2Y」も用意する。
ハウジングは、高級染め物で重宝される徳島県の阿波藍を阿波藍職人と共同開発。ギターの材料で知られるハードメイプルの無垢材ハウジングを染め上げている。
江戸時代の浮世絵などで知られる藍のなかでも、徳島の阿波藍はその染め上げの美しさから古くより高級染め物にはなくてはならない染料として全国に知られている。
しかし、従来の方法では木材を染めることは難しいため、染料の濃度調整、発酵工程、土壌づくりから試行錯誤。天然のタデ藍のみで作られた「本藍」の染料を使い、手作業で日数を掛けて塗りと乾燥を繰り返し染め上げた。
ハードメイプルの硬質で比重が重く音に余計な色付けをしない特性を生かすことができ、「しっかりとした深みのある低音域、クリアで伸びやかな高音域をお楽しみいただける」という。
オープン型のTH1100RPmk2は、ハウジング開口部にアルミニウム製エッチングパーツを二重に配し、開口率と各内部パーツを綿密に微調整することで、オープン型RPのプレミアムに相応しい解像度が高く聴き疲れしにくい自然な音場を再現するとのこと。
インピーダンスは32Ω。感度はTH1000RPmk2が100dB/mW、TH1100RPmk2が96dB/mW。最大入力は3,000mW、再生周波数帯域は10Hz~40kHz。ケーブルを含まない重量は約420g。