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キヤノン、ミラーレスEOS初オープンゲート撮影対応「EOS R6 Mark III」

EOS R6 Mark III

キヤノンは、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark III」を11月21日より発売する。価格はオープンで、直販価格はボディ単体が429,000円、「RF24−105 IS STM」レンズキットが478,500円、「RF24−105 L IS USM」レンズキットが583,000円。

2022年に発売された「EOS R6 Mark II」の後継機。画素数が向上し、有効画素数最大約3,250万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載した。

動画撮影においては、オーバーサンプリングによる4K動画記録のほか、ミラーレスEOSシリーズ初となる、7Kオープンゲート記録に対応。静止画・動画それぞれの撮影シーンにおいて使いやすさを追求。軽量RAWではあるが、7K60pのRAW内部記録にも対応しており、ミラーレスカメラのEOSシリーズでは、Cinema EOSのC50に迫る動画性能を備えたとのこと。

キットレンズ「RF24-105mm F4 L IS USM」を装着したところ
キットレンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」を装着したところ

オーバーサンプリングでは4K60p/30pでの記録に対応。なお、4K30pでは7Kオーバーサンプリングでの撮影となるが、4K60pの場合はオーバーサンプリングではあるが、7Kまでは使っていないとのこと。センサーの横幅をクロップせずに記録できるフル水平画角での4K 120pハイフレームレート記録にも対応する。

センサー全体を利用した3:2の広い画角での7K30pオープンゲート記録では、RAW/MP4で収録できる。同一の画像素材から縦・横の両方の映像を後工程で自由に編集することができるほか、任意の角度での切り出しやズーム、パンニングが可能なため、フレーミングやトリミングの自由度が高く、様々な用途に対応できるとする。

従来のピクチャースタイルに加え、「CINEMA EOS SYSTEM」と共通のカラープリセット「カスタムピクチャー」を搭載した。従来の「Canon Log 3」に加え、フィルム特性に近く、暗部の階調性が高い「Canon Log 2」にも対応する。

ISO感度は160〜25600。Canon Log2/Log3、RAW記録時のBase ISOは800/6400/自動切り替え。

LUTファイルを読み込ませることで、特定のガンマ/色域の変換や色味の変換が可能。キヤノン公式Webサイトにて、純正のLUTが無償でダウンロードできる。

グレーディングなしで手軽にクリエイティブな表現ができるカラーフィルター機能も搭載している。撮影時にフィルター効果を確認しながら、簡単な操作で直感的な画作りをサポートする。

動画撮影時の自然なホワイトバランス設定をアシストする機能も拡充。オートホワイトバランス時に、検知しているホワイトバランスを変化させる速度を3段階で調整可能になったほか、一時的にホワイトバランスを固定することもできる。

マニュアルホワイトバランスでは、ホワイトバランスの切替をなだらかにするショックレスWBを備えるほか、色温度のマニュアル設定を4つまで記憶させて、登録したボタンから呼び出すことができる。

キヤノンのレンズ交換式カメラで初となる「被写体追尾IS」機能を搭載。撮影者が選択した被写体を画面内の任意の位置に配置しながら撮影できる。

動画撮影ボタンを押す3秒前もしくは5秒前から映像を記録できる「プレ記録」機能も搭載する。

「スロー&ファストモーション動画モード」も装備。4Kでは、約60倍ファスト(NTSC)から5倍スロー(STNC)まで。2K DCIとフルHDでは、約60倍ファストから7.5倍スローまで設定できる。

Cinema EOS C400/C80/C50に搭載されているフォーカス加減速アルゴリズムも採用した。フォーカスマンの動きを再現した滑らかなフォーカスワークがAFで可能となり、クリエイターの求める映像表現ニーズに応えるとしている。

動画撮影時の温度上昇対策を施し、7Kオーバーサンプリングによる4K30p Fine設定でも、熱による影響が少なく安定した連続撮影が可能。

また、撮影中は赤色点灯するタリーランプを備え、撮影状態であることを被写体側からも視覚的に確認できる。HDMI端子もType-Aを採用。対応のATOMOS機器に接続してProRes RAW記録も行なえる。

動画撮影中は画面に赤枠が表示
タリーランプも点灯する
正面から見たところ
HDMIはType-Aを装備

ボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載し、手ブレ補正機能を搭載したRFレンズを装着した場合、協調制御で最大中央8.5段、周辺7.5段の手ブレ補正効果を実現。レンズ内手ブレ補正機能が無くても、全てのRF/EFレンズとの組み合わせで広角側から望遠側まで最適な5軸手ブレ補正を行なう。

記録メディアはSDカードに加え、CFexpress Type-Bカードに対応。2つのカードスロットを活用し、静止画/動画の振り分けや、動画のメイン/Proxy記録、同一書き込み、リレー記録などが行なえる。なお、それぞれ専用のスロットとなるため、SDカードを2枚使うといったことはできない。

高速データ通信と電源供給に対応したマルチアクセサリーシューを装備。対応の外部マイクや、XLRアダプターとケーブルレスで繋がり、クリアな音声データ入力や、マイクへの給電が行なえる。

電子ビューファインダーは0.5型で解像度は約369万ドット。HDR画像処理技術を応用したOVFビューアシストにも対応し、光学ファインダーのように黒つぶれや白飛びの少ない自然な見え方を再現するという。

天面
背面

静止画では、高画素化しつつも前機種と同等の高速ドライブ性能を装備。メカシャッター/電子先幕で最高約12コマ/秒、電子シャッターで最高約40コマ/秒の高速連続撮影が可能。連続撮影枚数は向上し、RAW撮影で約150枚まで撮影可能になった。

バッテリーは「EOS R5 Mark II」と同じLP-E6Pに変更された。LP-E6NH/LP-E6Nも使用可能だが機能制限があるとのこと。バッテリーグリップもEOS R5 Mark IIと同じものが利用できる。

外形寸法は約138.4×88.4×98.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約699g(バッテリー、CFexpressカードを含む)。