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キヤノン、CINEMA EOS初の7Kフルサイズオープンゲート撮影対応「EOS C50」
2025年9月10日 10:00
キヤノンは、CINEMA EOSシリーズのシネマカメラ「EOS C50」を11月下旬に発売する。価格はオープンで、直販価格は554,400円。
CINEMA EOSシリーズの入り口という位置づけで、EOS R5 Cの後継ではなく、同じラインに並ぶ新機種とのこと。ファインダーは非搭載となり、フラットな天面と、XLRマイクが接続可能な専用ハンドルにはRECボタンやズームレバーも搭載しているのが特徴。
センサーは、新開発の7KフルサイズCMOSセンサーを搭載し、映像処理プラットフォームDIGIC DV 7を採用。CINEMA EOS初となる、センサー全面を使用したフルゲート撮影に対応し、7K60pのRAW内蔵記録が可能。4K120p、2K180pのハイフレームレート記録や、4K記録時のクロップ同時記録なども行なえる。
記録フォーマットは、Cinema Raw Light、XF-AVC、XF-HEVC S、XF-AVC Sに対応。オープンゲートでの7K撮影は、Cinema Raw LightとXF-HEVC Sで行なえる。詳細は製品ページを参照のこと。
クロップ同時撮影では、17:9/16:9で4K記録したメインとなる映像と、記録した映像の一部を縦領域もしくは正方領域で切り出したクロップ記録が同時に行なえる。切り出す領域は水平方向のみ任意に移動可能で、異なる記録フォーマットでも記録できる。なお、CFexpress Type-Bにメイン映像、SDカードにサブ映像が記録される。
AFも進化。画面全域測距に対応するほか、ディープラーニングを活用したアルゴリズムにより、高性能な被写体検出を実現。人物の瞳、顔、頭部に加えて胴体も認識できるほか、動物は鳥にも対応。瞳は人、動物ともに左右ともに検出できるが、左目が優先される。
フォーカス速度や被写体の切り替え感度の調整も可能。プロカメラマンのフォーカス制御を参照し、より自然でなめらかなフォーカス駆動を実現したという。合焦直前に緩やかに減速するプロのフォーカスワークをオートで再現する。
Canon Log2、Canon Log3を搭載。Log2での撮影時は、フルフレームで最大15+ストップ、Super 35mmで16ストップのダイナミックレンジを活かし、撮影後のグレーディングに幅を持たせることができる。
撮影シーンに応じて低感度から高感度まで2段階のBase ISOをマニュアルで切り替え可能。ISO感度に応じて2段階のBase ISOの中からダイナミックレンジを確保しつつ、SN比が高いBase ISOへ自動で切り替える「自動切り替え」も搭載する。
縦位置撮影向けの縦撮りUIを搭載。横位置と同様の間隔で各設定をタッチ操作できる。また、メニュー設定アイコンを撮影画面に追加。撮影画面から素早くメニュー画面に移動しやすくなった。
スイッチの切り替えで静止画撮影にも対応。静止画撮影では、3,200万画素の記録が可能。電子シャッターによるAF/AE追従の最高約40コマ/秒の高速連続撮影や、シャッターボタンを押したタイミングから最大20コマ分遡って連続撮影できるプリ連続撮影機能も使用できる。
カメラボディのデザインも動画撮影に最適化。シャッターボタン部には滑らかに動くズームレバーを備え、バンドル部にもズームレバーや、RECボタンを装備。ボディの天面や前面にもRECボタンを備えているため、どのような持ち方でも収録開始できるようになっている。
カメラを握った際に、操作部を覆わずに握れるボタンレイアウトとなっているほか、端子部にケーブルを接続した際にも、バリアングルモニターと干渉しない位置に調整されている。
R5 Cと比較して高さと奥行き方向を大幅に小型化。CINEMA EOSシリーズ最もコンパクトなボディとなっている。
外形寸法は約142×95×84.5mm(幅×奥行き×高さ)。コンパクトながら、放熱構造も刷新。カメラ背面に加えて前面からの吸気を追加し、R5C比で放熱性能も向上。小型モデルながら、高い耐久性と耐信頼性でプロのニーズに応えるとしている。
マウントはRFマウントだが、PLマウントアダプタを固定するネジ穴も装備。PLマウントの本格的なシネマレンズや、EFマウントのレンズもマウントアダプタを使用して装着できる。
ボディには、1/4インチネジ穴を備え、カメラケージを装着しなくてもアクセサリーの取り付けが可能。内蔵マイクも備えている。
端子部は、TIME CODE端子、USB-C、マイク入力、ヘッドフォン出力、HDMI-A出力、リモコン端子(E3)を装備。ハンドル部にはXLR入力×2系統を装備。記録メディアはCFexpress Type-B、SDカードをそれぞれ1スロットずつ備える。
RF85mm F1.4 L VCM
RFマウントの交換用レンズの新製品として、「RF85mm F1.4 L VCM」を9月下旬に発売する。価格はオープンで、直販価格は236,500円。
20/24/35/50mmに続く、統一設計コンセプトの開放F値1.4の大口径単焦点レンズ。外観、重心バランス、後継、リング配置、描写が統一されているため、ジンバルなどでの撮影時やフィルター交換などが効率的に行なえ、動画撮影時にも活躍するとしている。
約76.5×99.3mm(最大径×高さ)、重量約636gの小型軽量設計。
非球面レンズ1枚、UDレンズ1枚を効果的に配置し、色収差を良好に補正。画面全体で色にじみを抑えた高画質を実現した。VCMによるリアフォーカス制御を採用し、静止画撮影時は高速高精細、動画撮影時は静かで滑らかなAFを実現。フォーカスブリージングの発生も抑制した。
防塵・防滴構造とフッ素コーティングで、Lレンズならではの耐久性と信頼性も備えている。