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カノア・オーディオ、DAC搭載のハイブリッド真空管アンプ「VIRTUS A3」

プリメインアンプ「VIRTUS A3」

タクトシュトックは、カノア・オーディオの新製品として、真空管プリアンプとA/AB級パワーアンプ、DAC、MM/MC対応フォノプリアンプも搭載したプリメインアンプ「VIRTUS A3」を10日に発売した。価格は1,540,000円。

デュアルモノ構成の完全差動バランス型ハイブリッド真空管アンプ。デジタル入力とアナログ入力をサポートし、アナログ信号経路とデジタル信号経路は、各チャンネル独立した多段安定化電源を備えたデュアルモノラル構成で設計。

アナログ信号回路はデュアルペアのJ-FETトランジスタを搭載したディスクリート対称増幅段による完全バランス設計となっている。

100W(8Ω)、150W(4Ω)のパワー部は、真空管ベースのバランス差動入力段と差動フィードバックパスを備え、その後段にクラスA電流ダンピング出力段を配置。低電力のウルトラリニア・クラスAアンプが常にスピーカー負荷を制御し、高電力のクラスAB段が重い負荷電流を供給する。

独自の電流ダンピングトポロジーは、繊細なクラスA段を複雑なスピーカー負荷電流から効果的に隔離し、クラスAとクラスABの動作モード間の遷移を一切発生させることがないため、優れたクラスAのシグナル・リニアリティとクラスABの低消費電力というメリットを両立させたという。

E88CCを用いた真空管入力段は、真空管サウンドのリッチで温かみのあるサウンドという利点だけでなく、真空管が外部のRF干渉に対する感度が最も低いという特性からも選択された。

真空管入力段は、アナログまたはデジタル信号経路から完全に差動駆動され、1W/1kHzで0.0002%の歪みを実現している。

ディスクリート回路完全バランスの対称信号経路になっており、信号経路にICベースのオペアンプは使用していない。入力切替は高品質リレーによって行なわれ、ディスクリート・クラスA J-FETゼロフィードバックバッファに信号が送られる。

冷却システムとして、ヒートパイクヒートシンクと低回転ファンを搭載。パワーステージからの熱を効率的に逃がし、ノイズを発生させる事なく最適な温度を維持しながら、高負荷下でも安定したパフォーマンスを保証するという。ファンの音も抑えられている。

USB入力はガルバニック(電気的)絶縁され、ノイズの多いコンピュータ環境とオーディオシステム間のグランドループを防止。USB信号は低位相ノイズクロックに再同期され、入力USBジッターを低減している。

USB入力はRFフィルタリングも施され、外部からのRFエネルギーがオーディオシステムに侵入するのを低減している。USB入力は、最大768kHz/32bitのPCMと、ネイティブ DSD512 をサポート。9種類のフィルターも選択することも可能。

USB入力×1に加え、光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×2、バランス AES-EBU入力×1も備える。

DACチップはESSの9038を2基搭載。DAC用マスタークロックには、振動絶縁された低位相ノイズクロックを使用。DACアレイからのバランス・アナログ出力は、歪みを低減するために内部抵抗アレイの電圧係数変調を最小化する電流モードで動作させ、アナログ段は、大電流クラスA出力段を備えた独自のJ-FETベースの完全対称ゲイン段を備えている。

MM/MC両カートリッジに対応するフォノプリアンプも搭載。カートリッジ負荷調整やゲイン調整機能も備えている。

ヘッドフォン出力も備え、6.3mmアンバランスと、4ピンXLRバランス出力も可能。アナログ入力はXLR×2、RCA×2、PHONO×1。アナログ出力(可変)はXLR×1、RCA×1。外形寸法は435×460×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は18kg。