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NHK ONEのアカウント数、約半年で360万超え。UIやNHKオンデマンドとの連携強化へ

NHKは14日、昨年10月から開始したインターネットサービス「NHK ONE」の、契約確認済みアカウント数が、2026年3月末時点で362万件になったと発表した。内訳は、新規にNHK ONEアカウントに登録したのが約12万8,000件、それ以外が旧NHKプラスからの移行となる。

約半年で362万件というアカウント数について、インターネット必須業務化事務局の西村規子専任部長は、「旧NHKプラスで5年半に登録したアカウント数が668万、その半数を超えるアカウントがNHK ONEへ移行を完了したことになり、堅調に推移していると受け止めている」と評価した。

NHKは、改正放送法により、テレビ・ラジオの同時配信、見逃し・聴き逃し配信、番組関連情報の配信が必須業務となったことを受け、2025年10月からNHK ONEを開始した。

NHK ONEは、NHKの国内向けインターネットサービス全体のブランド名という位置付けであり、その中に、WebサイトのNHK ONEや、アプリの「NHKプラス」、「ニュース防災」、ラジオ配信の「らじる★らじる」なども含まれている。

西村氏は、サービスの認知拡大のため、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの放送の合間にNHK ONEを紹介したり、デジタルに詳しくない人に向けて紙のチラシを作成、各地のNHK放送局やイベントで、ユーザーに直接対面して登録のサポートを行なうなど、これまでの取り組みを振り返り、これらの結果として、362万件を実現できたという。

その上で、「2026年はサービスの使いやすさの改善、利用者との接点拡大に取り組むフェーズに移行した」とし、アカウント登録導線や画面デザイン、操作性などを改善していく予定。サービス利用までの手続き負担を軽減し、ユーザーの方が見たい番組・記事にいち早く、迷わずに到達できるよう、UI・UXを強化していくという。

さらに、NHK ONEとNHKオンデマンドの連携を強化。放送から1週間の見逃し配信はNHK ONEが実施しているが、見逃し配信が終了した番組については、NHKオンデマンドが配信をしている。今まではその連携が不十分だったが、今春から順次、NHK ONEの番組ページから、NHKオンデマンドの当該番組のページへ簡単に移動できる導線を整備していく。Webサイトからスタートし、アプリはその後、実装していく方針。

例えば、大河ドラマ「豊臣兄弟!」をNHK ONEで楽しんだ人が、最初のエピソードから見たいと思った時に、NHK ONEの豊臣兄弟!のページに用意されたリンクから、NHKオンデマンドの豊臣兄弟!作品ページへと迷わず移動できるようにする。

NHK ONEとNHKオンデマンドの連携イメージ。大河ドラマ「豊臣兄弟!」のNHK ONEページにリンクが登場し、クリックすると、NHKオンデマンドの「豊臣兄弟!」ページへ飛ぶ

これに加え、豊臣兄弟!だけでなく、過去に作られた、同じ戦国時代を舞台にした大河ドラマを集めた専用ページを用意するなど、アーカイブ作品との出会いにも繋げていくという。

過去に作られた、同じ戦国時代を舞台にした大河ドラマを集めた専用ページなども用意する予定

NHKオンデマンドも進化

オンデマンド業務室の村松佐和子室長によれば、NHKオンデマンドの会員登録者数は、NHKオンデマンドプラットフォームの直接提供が379万人に成長。Amazon Prime VideoやU-NEXTなどの外部プラットフォームを介しての提供も行なっているので、それも含めると会員登録者数はさらに増えるという。事業としては、2023年度末に累積欠損金を解消しており、黒字化を達成している。

コンテンツとしては、2025年度は年間4,000本増加し、現在は22,000本を配信中。多く視聴されているのは、ドラマやドキュメンタリー。今後は、教養番組、キッズ向け、アニメ、音楽、スポーツ、ラジオ、4K番組など、ジャンルを拡大していく予定。ネットユーザーとの親和性が高く、特に人気なのは「ドキュメント72時間」とのこと。

大河ドラマは61作品、連続テレビ小説は68作品を配信中。前述のように、新作大河ドラマに関連して、同じ時期を舞台にした過去の大河ドラマをユーザーに提示したり、「その時代に人々がどんな食事をしていたのか」に迫る番組(名将たちの勝負メシ)もアピールするといった機能も備えている。

さらに、国際情勢を踏まえ、“中東”のプレイリストを作成。テーマに関して、最新のドキュメンタリーだけでなく、過去のドキュメンタリー、さらにはドラマなどのアーカイブもまとめて見られるようにしており、若いユーザーからも、よく視聴されているという。

“中東”のプレイリストを作成

現在はSNSなどで、ショート動画が人気だが、村松氏は、「いまのデジタル空間で、1つのテーマを深く掘り下げて思考するような機会を提供したい。テレビを持っていない人たちにも、NHKのコンテンツに触れていただき、価値を伝えていきたい。過去作品の権利処理にもコストと時間はかかるが、それらをクリアにし、アーカイブの価値最大化、皆様への還元を進めていきたい」とした。